鶏レバー

鶏の肝臓を食べたい

世の中には二種類の人間がいる。モツ料理が好きな人とダメな人である
私は前者で、牛のハチノスだけはハテナ?と思うけど他は全般に大好き。

特に自身でもよく料理するし、好きなモツのひとつが鶏のレバーとハツ。レバー独特のもったりクリーミーな食感と、ハツのプリプリコリコリした歯応えの対比がたまらない

さらに、値段が安くて経済的なところも嬉しい。精肉が新鮮なことで評判のわりと高級めのスーパーでも、100g30円前後で売っていることがあって、そんなときは迷わず購入。生姜醤油でこっくり煮込んで常備菜にしている。

どうでもいい話だが、鶏レバーの生姜煮を個人的においしいおかずとして認識し出したのは、かれこれ四半世紀ほど前、大学生協の食堂でのこと。もともとメニュー全体が学生向けに破格の安さであるところへ持ってきて、小鉢なんか100円しない魅惑のラインナップ。その片隅でほうれん草の胡麻和えや温泉卵と並んで控えめに並んでいた鶏レバー煮は、たしか60円ぐらいだった気がする。

その頃の私はなるべく安くてごはんが進むおかずを選びたい一心で、だいたいいつも白ごはんとお味噌汁、ササミにチーズを挟んだカツとともに、鶏レバーをトレイに載せていた。味が濃くてごはんがグイグイ進む。甘美な青春の味の記憶。

親元を離れての学生生活で、ともすれば不足しがちな栄養を補うために食べていたという部分もある。「鶏レバーってなんかカラダに良さそう」ぐらいのイメージでよく口にしていたのだが、いつしか好物のひとつになっていた。

おじさんになった今も、料理好きの集合知「クックパッド」様を見たりして、おいしく作る秘訣を試行錯誤のうちに積み重ねている。今ではまあまあつぶれない程度に儲かっている下町の居酒屋の突き出しレベルには作れるようになったという自負がある(言いすぎた)。

おいしい鶏レバー生姜煮のポイントは以下のとおり。

・鶏レバーは買ったその日にすぐ調理!
 不精して一晩でも家庭の冷蔵庫に置いておこうもんなら
 レバーがグズグズになって煮崩れしやすくなってしまいます。
・下処理はしっかり!
 心臓の中や肝臓の入り口に凝固して黒ずんだ血がたまっていることが
 あります。取り除いたほうがベター。
 心臓は切り込みを入れて、心室にたまった血を洗い流しましょう。
・いったんゆでこぼす!
 一度下茹でしたらザルにあけ、水洗いしてアクを流しましょう。
 このとき鍋もいったんきれいに洗います。
 こうすることで雑味のないクリアな味わいに。
・煮詰まるまで煮続けない!
 一度味付けして煮汁をからめたらまた取り出し、煮汁だけを煮詰めて
 最後に表面にからめます。お魚の煮付けと同じですね。
 これをしないで煮詰まるまで火にかけているとレバーが固くなって
 ボソボソの食感になってしまいます。

たかが小鉢メニューの常備菜だが、おいしく作るにはそれなりのコツがあって、誰でも即名人の域というわけにいかない奥深さが実はある。

昨日は鶏10羽分ぐらいのパックを勢いで購入してしまったので、小鉢どころか深皿いっぱい作ってしまった。

家に帰れば鶏レバー煮があるという安心感。あとソーセージもある。そこにお豆腐とブロッコリーの茹でたんぐらいがあれば、大満足の酒肴ではあるまいか。

(画像は写真AC cheetahさんからお借りしました。おいしそう!)

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