秋の桜(140字小説)

風の噂で彼女が桜になったことを知った僕は、さっそく訪ねてみることにした。季節はもう秋で、桜を探すのは少し大変だった。「どうして桜に?」と僕が聞くと、「春が嫌いなの、みんなバカみたい」と彼女は答えた。理由は分からなかったけれど、相変わらず彼女は可愛くて、秋の桜も悪くないなと思った。


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