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伯父の海(140字小説*27)

「俺は天の川を船で渡ったことがあるんだ。」伯父は漁師で、九十歳で亡くなるその日の早朝まで船を出していた。伯父が煙になった日の夜、僕は飲みすぎた酒の酔いを醒まそうと海まで歩き、空を見上げた。するとそこには、見たこともない数の星空が広がり、ずっとずっと遠くの地平線で海と交わっていた。

#140字小説 #掌編小説 #超短編小説  

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