映画を作るコトにしたこと (4) 映画発想

 そんなことで、2018年の夏くらいから、Sさん、Wさん、私Hの3人でのアイデア会議がスタートしました。

 最初は、あくまで海に関するプロジェクトを立ち上げる! ということでした。
 そのプロジェクトは、できうるならば、南米でボートを製造するボート製造販売会社のサポートになるような事業にしたい。
 そのボート製造販売会社のボスこそが、私Hが話を聞いた海の内容の発信源だったのです。世界から飢餓をなくす目的も帯びたそのボートは(もちろん、ボートとしての性能も不沈構造を持ち非常に高いのですが)南米で作られていましたが、一部、東北復興の目的で津波被害の一番大きかった宮城県石巻でも製造されていました。

 そこで、石巻にマリンアトラクションの会社を設立して、ボートを10隻ほど買って、石巻から観光客をどんどん海に連れ出そう! 海の上に生簀(いけす)を作っておいて、初心者が海上で釣りができるようにしよう! マリーナも自前で持って、そこでは釣って来た魚を即食べられるようにしよう! などと、どれだけ初期投資がかかるのかわからない話を、しばらくはしていました。
 石巻で作っているボートが、1隻約600万円。ボートの購入だけでも6000万円。マリン・アトラクション会社の人件費も概算して・・・マリーナを自前で持つと億単位にはなりましょうか・・・。
 とにかく、結構大きな、10億単位のプロジェクトになって行きます。

 と言いますか、10億でも100億でも、採算が取れるなら、事業計画を作っていけば良いわけですが・・・。どうも途中で話がもり上がらなかったのは、他に原因がありました。

 つまり、海のこと、船のこと、釣りのこと、私Hが話していくのですが、その話はこの1年の付け焼き刃的な内容で、私Hはいずれに対してもプロフェッショナルではなかったわけです。プロどころか、ほとんど経験がない。
 海自体だって、子供の頃は毎年海水浴に行っていましたが、大人になってからはさっぱりで・・・しかも、今は海から遠い埼玉在住な訳です。
 それで、全く事業の内容に説得力がなかったわけなんですね。

 ある日のミーティングの帰りに、私Hはこの状況に対して、思い切った手を打つ必要があると、ふと思って、プロジェクトの大転換を思いつきました。

 自分が、人並み以上に出来そうなこと、それは映像のことです。
 映画制作の大学を卒業し、TVCMを制作する会社に入り、映画制作会社に入り・・・自分の職歴は主にエンタメの映像コンテンツ系の内容でした。ま、それなりに評価もされて来た、かな。笑

 そして、私たちのプロジェクトの第一番目の目標は、海に関する啓蒙であるという事も明確になって来ていました。

 私の提案する事業計画は、マリンアトラクションの会社立ち上げがちょっと規模的に大きすぎるなら、世界3大魚場石巻の魚を振る舞う寿司食堂の運営・・・というような事まで飛び出していましたが・・・当然、私は飲食も素人ですし。。。

 ここは、思い切って、次回は海を啓蒙する映画を作るプロジェクトに頭を切り替える話をしてみようか・・・そう思いながら帰宅したのでした。

つづく

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