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小説ぴぷるのドラマ化が決まりました(心境など)

ダ・ヴィンチで連載していたSF小説「ぴぷる」が5月よりwowowさんで連続ドラマ化することが決定しました。

主演は朗読劇、WEBドラマでも主人公・摘木役を演じてくださった梶裕貴さんで、監督は「恋のツキ」などを手がけられた酒井麻衣監督と「アラサーちゃん」などを手がけられた瀧悠輔監督です。

自身の作品が初めて映像化することとなり、しかも連続ドラマにしていただけて本当にありがたいのですし、期待も高まっております。今回、ドラマに至った経緯などをお話ししようと思いnoteに書くことにしました。

今回の映像化はC&Iの山本晃久プロデューサーがまとめてくださいました。wowowさんとの打ち合わせで「何か面白い原作はないか?」という話題が出た時にぴぷるを推してくださり、そこからたくさんの協議を経て映像化が決まったという流れになります。山本さんは様々な作品のプロデューサーをされておりカンヌにも行かれたりと多忙な方ですが、純文学とりわけてカミュがお好きとのことで作品に対しての熱量と、心の純度が高く、とても信頼しているプロデューサーさんです。そんな山本さんが、今回発端となってくださり実現したお話なのでここに感謝を述べさせていただきます。

また監督、そして脚本の小寺さんも学生時代を京都で過ごされており、意図的か偶然かわかりませんが作品舞台となった京都にゆかりのある方ばかりになりました。今回のドラマは私も脚本協力で参加しており、ドラマ用に新キャラが登場する長期プロットを書き、その上で小寺さんがより衝撃的な脚本にしてくださいました。

AIと結婚したものの一方通行のコミュニケーションに虚しさを感じてくる主人公、共感能力が全くないエキセントリックなAI開発者女性、片思いをしている男友達そっくりのAIを作って密かに同棲する同性愛者の医学博士、人間同士の恋愛にこだわる女性上司など、小説のメインキャラに加え、「汎用AIも社会形成する一員になった世界」での様々なキャラクターが出てきます。

ロケ現場にもお邪魔させていただいたのですが、キャストの皆さんがキャラクターイメージにぴったりでそれぞれが持つ個性や魅力を演じてくださっていました。もっといろんな感想を持つかと思ったのですが大勢の方でつくられてる現場に圧倒されてしまって、ぴったり以外に感想が出てきませんでした。

今回映像化という大きなお話にしていただいて、もっと焦りやプレッシャーも入り混じり心がざわつくかと思ったのですが、それとは逆で心が大分静かになったように思います。少し込み入った話になりますが、ここ最近の自分は商業作家であることを意識しすぎていたように思います。自分が興味があって出来そうな中でよりマスを意識したものを作らなくてはいけないというプレッシャーがあり、息を吐くことを忘れるような緊張感を自ら漂わせていたように思います。一生作家としてやって行くためにはその意識はとても大切なことだという自己保存的な考えから、生まれたプレッシャーですが、うまく結果が出ない時は、こんなに戦略を考えてやっているのに何を改善すればいいのかと落ち込む、というトライ&エラーの繰り返しでした。この二つの考えのバランスを取ることは難しく、兼業作家だったらもう少し気楽にできていたかもしれませんが、自身は専業なのでミスをしたらもう席を与えてもらえないかもしれない、築城十年落城一日の精神が大きくなりすぎていたように思います。ですが、最近商業作家であるということを意識した結果、自分が得意とすることと乖離してしまうこともあるのではないかと考えるようになりました。

資本主義の中での価値は、資本を築くこと一択になりがちですが、そもそも本の価値は資本主義だけでは語り得ないものがあるということにようやくきちんと意識を向けられるようになりました。ですがこの二つは二項対立するものではなく、比重の問題だと思います。何に目を向けるか、ということを変えると切り口も変わってくるように思います。「AI」を題材とした作品はたくさんありますが、どこを切り取り、何を配置するかによって作品が大きく変わるように、視点の先にあるものを変えていこうと思います。

ちなみにぴぷるは「AI設定」を大切にした作品です。AIは感情を持たない、欲望を持たない、自我を持たない、ただ最高スコアを目指すのみ。その設定を大切にした上で「人間側の意識」を描きました。5月からお楽しみに!原作もお楽しみいただけたら幸いです。帯もそのうち変わる予定です。

■AIとの結婚生活を描いた京都SFコメディ

「ぴぷる」

イラスト:田中将賀 AI監修:東京大学松尾豊研究室

梶裕貴さん八代拓さんによるWEBドラマはこちら

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その他書籍

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■第五回京都本大賞受賞。一度きりの人生について考える、哲学エンタテイメント小説 「ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。」

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「WeTuber おっさんと男子高校生で動画の頂点狙ってみた」

■LINE漫画連載中。(コミック)第三回カクヨムWEB小説コンテス大賞受賞作品

「アラフォーリーマンのシンデレラ転生」

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