コーヒートップ_明るい

世界一美味しい焙煎コーヒーを作る Daddy Cafe Beans*代表 日村功さん

かつて1年の2/3を海上で過ごしていた日村功さん。世界を巡り、日本の海を長年守っていました。「世界一美味しい焙煎珈琲を作る!」と自負する日村さんの秘密はどこにあったのか。どんな思いで生きてきたのか。これからをどう思うのか。気になる日村さんの全貌をお伺いしました。

*プロフィール*
お名前:日村功(ひむら いさお) 珈琲焙煎人
出身地:
北海道黒松内町
経歴:高校生からアフリカに行きたいと思い、20代から航海しながら世界中を行き来する。海上保安庁にも勤務。無類のコーヒー好きで世界中で様々なコーヒーを味わううちに自家焙煎を開始。美味しいコーヒーを作るために5年以上の歳月をかけて焙煎機を研究。現在の活動に至る。
現在の活動:有機認定の世界一美味しい焙煎コーヒーをネット販売するDaddy Cafe Beans*を北海道札幌市で娘さんとともに経営。
座右の銘:頭が悪いから努力する

質問:なぜ1年の2/3も海の上の生活をされていたんですか?

日村功さん(以下敬称略):色々やりながら自分にぴったりだと思ったんですよ。
高校生の時、新聞でアフリカ大陸の北西沿岸にある当時スペイン領だったカナリア諸島に、漁業基地があるっていうのを読んで、興味を持ちました。

若い頃に船に関する資格をたくさん取りましてね。大型船に乗れる資格を取って念願のアフリカ行きを成し遂げました。

アフリカでは乗組員が黒人ばっかりで、すごく楽しかったですよ。自分に合ってると思いました。上司とか、部下とか関係ないんです。

彼らは基本的に悩まないし、ストレスがないし、明るいんですよ。しょっちゅう大笑いして、しかものんびりしている。人を怒らないし、悔しいって思うこともほとんどない。済んでしまったことを悔やまないんです。

今思えば船の仕事をしてた頃は色々ありました。拿捕(外国船に捕まること)されたり、マラリアにかかったり。船の油を補給中に電気が破裂して、仲間が死んだこともありました。その火が鎮火したと思ったら、爆発して、 次の日に船は沈没したました。

その時自分は船で最後に避難したんですよ。「たいしたことないだろう」くらいに思ってたので。でも今思えばかなり危険な状態だったんだと思います。でもそのおかげで会社からお金もらえたんで、カナダ旅行に使いました。

質問:これから先の夢やビジョンはなんですか?
日村:楽しくやれることが一番ですね。ダカール(アフリカ セネガルの首都)に住んでて子供達を見ても、靴片っぽ履いてない子供たちがいました。でも楽しそうなんですね、すごく。ダカールは首都だけど、日本の水や木の資源とかもそんなにないです。すぐ近くは砂漠だし、気候が違うから生えている木っていってもバオバブ(サバンナ地方の樹木)とかだけなんですよね。

珈琲はずっと好きで、世界中回っていろんな珈琲を味わいました。2011年1月から7000回以上焙煎しました。量にして4.1トンくらい。

美味しいコーヒーを飲みたくて飲みたくて、焙煎機まで自分で作っちゃいました。 鍋も土鍋とかいろいろ、いろいろ試して、今の焙煎機が完成しました。
鮮度が大事だから、焙煎しておいたものを売るんじゃなくて、注文が来たら焙煎するんです。楽しくね。
豆の選別も自分が納得したものだけを出すようにしています。

質問:これからは AIが活躍する時代と言われていますが、AIが活躍する時代に必要とされるニーズは何だと思いますか

日村:難しいなあ。あんまり考えてないし、想像もつかないです。

でも、農業も無人のトラクターが全てやってくれる時代だし、職を無くす人も増えるかもしれない。その時どうするのか考えなきゃダメじゃないかと思います。

ドローンで1m四方を撮影して、肥料をどこにまくかとかまで、機械でできてしまう。均一性農作物が出てくるし、生産効率がさらに上がる

そんな時代だから、オーガニックも広がってほしいと思っています。有機マークを取得した日本の農家は1%もない。だけど、ヨーロッパは約10%もあります。うちの珈琲はもちろん有機認定のものです。

質問:どんな美しい時代を創っていきたいですか?
日村:もっと交流できる場や子どもの遊び場、自由に楽しい場を増やしたいですね。かつて、人口がすごく多かった時代は、いじめもなかったしもっと楽しかった。1クラス50人もいて。

人が交流できる場を公的にやっているところがあるけど参加者が少ないんです。子供だけじゃなく、独居老人も多くて、茶話会なんかにも人が集まらない。

疎通できる、交流できるネットワークが増えたらと思っています。

質問:最後に、世の中の読者に伝えたいことは何ですか?

日村:コーヒーの入れ方にルールなし、だね。「おいしく入れるにはどうしたらいいですか?」ってよく聞かれるんですが、でもそうじゃなくて、入れ方にルールがないのは大原則なんです。だって、 豆とお湯しかないんだからね。

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日村さんのお店(注文もこちらから)
http://daddy-cafe-beans.com 

*編集後記*
取材を担当した原田です。子供の頃に夢見たアフリカ行きはすでに達成され、あらたな夢に向かって挑戦する日村さん。「やりたいこと、好きなことをやる」そんなシンプルなことがなかなか難しくなっている今の時代。日村さんのような、経験豊富で先見性のある人だからこそ、美味しく安全な焙煎珈琲が作れることを実感しました。これからもどんどん活躍していただきたいと思います。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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