パパの血液は一体どうなっちゃってるのか

私のパパは料理ができない。


アラウンド還暦、ひとむかし前の言葉でいうとアラカン。

家では女性陣が何でもやってくれて、

女子が調理実習してる間に木工をして、

結婚すれば嫁が「ヘイsiri」のスピードで動いてくれちゃう…とされていた世代だ。(語弊)


ところがどっこい、

女性の社会進出と男性の草食化乙女化はものすごいサプライズスピードでやってきて、パパは結果として「家の事何もできない役立たず」になってしまったのである。

どっこいどっこい、

パパは約15年間、1人暮らし独身ライフ・アットマークトウキョウをしていたのである。


娘のわたし、周りの男子、1人暮らし実家問わず、男子を見渡してふと思う。

みんな料理ができる。すっごくクオリティの高い料理ができる。

男子大学生のみんな)まあ、必要だからね。

NA)父よ。あなたは15年間どうやって生きてきたのですか。


ヒントは

独身時代のアパートの写真において謎の観葉植物に占拠されていたキッチンのシンク

にありそうだ。


さて、

そんなパパが唯一作れる料理がある。


冷凍チャーハンである。


これがむちゃくちゃ美味しい。まるで味の素の人が作ったみたいに。


幼い頃。パパと2人で留守番をすると、料理長はパパだった。

あ、もちろん私はパパの娘なので昔も今も料理に関心はない。


「今日のランチは、何にする?」

冷凍庫を開いて、キラキラと聞いてくるけど選択肢は全部チャーハンだ。


私が小さい頃、パパは仕事が忙しかった。

だからパパとの2人きりは、いつもチャーハンを食べる時だった。


そして多分、独身時代はもっと忙しかった。


パパは野菜が嫌いだ。米が嫌いだ。魚は食べない。

お菓子が好きで、甘いお酒が好きで、それから冷凍チャーハンが好きだ。

でもって血圧やら諸々を気にしている。ママに呆れられている。


「明日も仕事を頑張るためには必要なんだよ」

深夜のキッチン、寝言のように繰り返す。

パパの好きなものは、お腹と心を満たすものだ。


独身時代のパパは何を食べていたんだろう。

パパの血液は一体どうなっちゃってるんだろう。


年月を経て、パパは残業が少なくなった。

今度は私が家にいない。


深夜のキッチンで、冷凍庫を開く。

明日の私達を支える冷凍チャーハンが、ぎっしりと並んでいる。






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ぎしちゃん

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