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#16 古民家再生思案中 浸水編その4

DAY 30 6月6日

10時前に家を開けた。
家はだいぶんすっきりしてるかと思えば
そうでもなかった。
かえって、要らないものが目立って見えてきて、綺麗とは言い難い。
これは今日も片付けやらないといけないという自分なりのセンサーなのだなと思う。

今回の浸水で何人かから床下浸水だと分かった途端
「ものごとをやりすぎる傾向があるから、休みながらやらないとだめですよ!」と注意喚起をされる。何年も会ってない人からも。
だはは〜!見抜かれてますな!
今、思いっきりそのモード入ってます!!

朝、今ちゃん、アスキーちゃんがそれぞれ来てくれる。
アスキーちゃんは昨日ふうちゃんが紹介してくれた人だ。
2015年から日本全国でパートナーのトムさんと災害が起こった地域で必要なことを行政と打ち合わせして動くことをされてるという。
彼女が畳と床板をはがして下の土を見てくれた。
少し湿っぽいけど、大丈夫そうですね。
そう言いながら、小さな機械を出した。水分計というのだそうだ。

床下は土
先に4本の針のようなものがあってそれを計りたいものに突き刺して水分を測るらしい
興奮して写真がブレている!


それで見た柱の水分量の結果は24.もう少し下は38という数字が出た。
薪にするようなカラカラに乾いた木は20以下だそう。
土曜に水が引いたばっかりだし、この家の普段の状態がわからないからなんとも言えないけど、なんなら少し畳を返して少し置いてみたらどうかと言う。

一面に新聞紙が敷いてある
湿気とりにも有効なのかな


敷いてある新聞の年代を見る。
1番古いもので昭和62年発行だった。
50年以上住んでないとはいえ、この家は14、5年前まで仏様があったので、年に何回かはお坊さんが来たりして人が集まったりしていたのだ。

アスキーちゃん曰く、昔の家は土間といい、この床下の土といい、水が来ても再生可能にできていて本当に素晴らしい。今の建材は、暮らしてる分には暖かくて軽くて扱いやすいが、木と木を貼り付けている間に入れた断熱材のような綿が濡れてしまうと、中まで水分が伝わって膨らんで結局全て取り替える事になるので難しいのだと言う。

なるほどなぁ。
この70年前に建てられた家は気候に適してるのかー。

そういえば、この家は玄関と応接室部分を後に建て増ししている。今、その部分の傷みだけが激しい。
その前に建てた所の方がしっかりしてるのだ。

雨が伝ってカビになっている
今回は下の線の所まで水がきたようだ
穴が空いているので、石を詰める

玄関は土壁で、雨水の漏れもひどく、なおかつ浸水も酷かったため、土壁の穴が大きくなってしまった。
これではせっかく天井裏のハクビシンを追い出したのに、ネズミが入ってくるではないか!
でもどうしたらいいかわからないから、内側から拾ってきた石を詰めてみた。
こんなことしかできないのが情けない。

玄関は水がここまできてしまった

アスキーちゃんは、みるべきものを見て、畳を返してくれたらまた有田の方へ風のように引き返して行った。
ありがたい人だー。
そしてアスキーちゃんは「明日希(あすき)」というお名前だったことがわかった。
明日への希望を運んでくる
ほんと、名は体を表すね。
ありがとうございました!
心強かった。

アスキーちゃんが帰ったあとは今ちゃんと今回浸水がひどかった納屋を整理する。土日に母とやったもののまだまだきれいに整理するまでいかず。
今日も捨てるものが出てきそうなので、あおぎしに捨てに行くため、3時を目処に解散しようということになる。

前述したように、この土地はよく浸水するため、昔に置いたものは全てブロックに板を渡して床より20センチくらい上に置いてあった。
今回浸水してしまったものたちは、今年3月以降に置いた荷物たち。
自分が残しておきたいものは、やはりかさあげして置こうということになる。

まずは今ちゃんと捨てるものをどんどん外へ出していく。
3時までにご飯も食べないといけないので、とりあえずご飯の用意もする。
今日のおかずは今ちゃんが作ってきてくれたのでわたしはご飯を炊けばいいだけ。
よし、この間乾かした薪がどれだけ使えるか様子をみよう、と片付けを今ちゃんに任せて、薪を準備する。

今回の最初の焚き付けは、何枚もあるじいちゃんの封筒にした。
裏面に住所やじいちゃんの名前が印刷してあるため、使えない。
100枚以上あるこの封筒の使い道が、銀杏入れて電子レンジにかけるときにしか、思い浮かばない。
ならば焚き付けにしようと思った。

ところが、、、。
火がつかない!ベラベラの茶封筒なんてすぐ燃えるだろうと思ったのに、なかなか燃え広がらない。封筒だからなのか、昭和の紙だからなのか。
仕方ないので納屋から出てきた新聞紙に変えてみたら、あっというまに薪に火がついた!
さすが新聞紙!しかし今までの新聞と燃えかたが違うような気がする。
と思って年号を見たら昭和のだった。
今まで使っていた令和の新聞はもう少しじんわり燃える。この新聞は乾いてるからなのか、紙の違いなのか、カラッとぱっと燃え広がった!

そういえば友人が、京都に住んでいる紙漉き職人が、今の紙では風あいが出ないのでわざわざ昔の紙をバラバラにしてミキサーにかけて混ぜ込むのだと言っていた。
わざわざメルカリとかで買ってまで、集めるらしいよ。
とのこと。コウゾやガンピの配合が違うのかもしれないな。

あっという間にご飯が炊けた。
今ちゃんはというと、あっという間に捨てるものをきっちりと車に詰め込んでくれていた。
私だとうまく入らなくてはみ出していたのに・・・。

濡れて困るものは全てかさあげしてみた



さて、ご飯だ。
お米は本当に要領がわかってきた!
水加減ばっちり!
今日は今ちゃん作のカレースープと自作のピクルス2種。
わたしは糠漬けと、野菜炒めと、ほねくを持ってきた。
ほねくは魚肉と骨のねりもの。他の県でもあるのかな?
美味しくいただいた。
今ちゃん、ありがとう!

美味しかった〜!



全てのものを車に詰め込み、さあ、出発というところで今ちゃんの車の鍵がない。
今ちゃん、お料理上手、片付けもきっちりさんなのに、鍵をどこに入れたか覚えがないとあちこち探し回っている。
わかる、わかるよ〜!
わたしも、鍵がどこにあるか持ったまま探したりしてるからさ。

無事あって今日はもう終了。
今晩からまた雨が降ったり止んだりはっきりしないお天気らしい。
水に浸かってしまった友人も含め、どうか、これ以上の被害が出ませんように。

ばあちゃんが描いた赤富士をちりめんの風呂敷にしたもの