見出し画像

事業計画書を公開します【D2C立ち上げのほぼ全部】

こんにちは、がぱけん(@gapaken335)です。
家電メーカーでマーケティングとして働く傍らD2C企業の代表を務めています。
このnoteは、シリーズ「D2C企業立ち上げのほぼ全部」のひとつ。

このシリーズは会社員が会社に勤めながら起業するプロセスを、気持ちや戦略策定、事務処理まで細かくまとめて行こうという企画です。

各記事へのリンクを整理したまとめ記事はこちらなのでよかったらみていってください。

今回のテーマは、ビジネスを立ち上げようと思った時の最初の壁「事業計画書」です。

「まずは事業計画書を書けと言われたけど何を書けばいいかわからない」といった方の力になれればと思っています。

私自身、まだまだ起業家1年生。完璧とは言えないかもしれませんが、コンサルや商品企画、事業開発の立場での経験が5年以上はありますので、少しばかりの参考にはなるものと信じてほぼマスキングなしの事業計画書をそのまま公開します

今回も赤裸々に書いて行きますので是非フォローやシェアしていただけると嬉しいです。

それでは本題に入りましょう。


事業計画書の目的は?

何をするにしても最初にするべきは目的の確認です。

事業計画書の目的は大きく二つあります。

 ①社内外に向けた事業の説明
 ②事業計画の妥当性と課題の確認

事業計画書はコミュニケーションツールであり、事業の問診票なのです。

①の一番ベーシックな使い道としては資金調達。
融資、投資、どちらにせよ、お金を出す側は「このビジネスは本当に成功して自分に利益をもたらすのか?」というたった一つの問いを考えています。

そこに対してこう叫ぶための資料が事業計画書です。

画像1

(進撃の巨人より抜粋)

ほかにも、共同創業者や、外部パートナー、従業員などがいる場合、会社の方向性を示す上でも便利に使うことができるでしょう。

コミュニケーションにおいて資料は柱の役割を果たします。
言いたいことを明確にして、ブラさず、共通認識を作り上げる。
ゴールと戦略の目線合わせは、スムーズな協働に非常に重要な要素です。

(もちろん、過度な作りこみは禁物なのでほどほどに。)


一方で、融資や投資を受ける予定のない経営者にも、事業計画書を作る価値はあります。

頭の中の事業コンセプトや計画を言語化し落とし込むことで、「本当に事業はうまくいきそうか?」「計画に穴はないか?」という部分が見えてきます。

資金はこれで足りるのだろうか?
顧客はどこから何人つれてくるのか?
なぜ顧客は自分の商品をかってくれるのだろうか?
この業務を回すためには人員はどれくらい必要だろうか?

などなど経営のためには、本当に様々な分野に神経をいきわたらせる必要があります。

こういった様々な論点をほかの人に伝える形でまとめることで、矛盾や論理の飛躍を明らかにしていくのが事業計画書作成のプロセスです。

「本当に学びたければ誰かに教えるのが一番早い」ということはどんな分野でも共通していますね。

しっかりと計画を立てて、市場の荒波を、どっしりとした足腰で渡り、ばっちりお客さまに価値を届けましょう。


事業計画書の構成は?


今回は百聞は一見に如かずということで、私の書いた事業計画書を公開します。

マスキングしたのはコスト情報くらいで、ほぼほぼすべて、丸っとそのまま撮って出しです。

全然関係ない他人の計画書をのぞき見できるのも、なかなか面白い気がするので遠慮なく見ていってください。

また、「これはイケていない」というところなどありましたらどしどしご連絡ください。もちろん逆も大歓迎です。

まずは表紙とご挨拶。
会社の登記申請を終えたので、これを機に顔出ししてみます。
アルパカ、結構似ているとおもうんですよね。
(横長パワポ失礼します。スマホの方見えづらくてすみません。。。)

画像27
画像27

次にアジェンダです。

画像27

この事業計画書は

 ・何を売るのか?
 ・誰のどんな課題を解決するのか?
 ・どうやって具現化するのか?
 ・具現化するための課題は何か?
 ・いくら儲かるのか?

という要素を寄せ合わせたものとして書いています。


さあ、次はそれぞれについて少しずつ触れていきましょう。


事業コンセプト


何を売るのか?に当たる部分ですね。

コンセプトは商品企画を行う上で最も重要といっても過言ではありません。コンセプトは製品仕様、コミュニケーション、パッケージ、製品名、価格などなど製品を形作るすべてに影響を与える柱となります。

なのでここは最初期に頭がパンクするまで練りましょう

商品開発は

①よいコンセプトを作れるかどうか?
②コンセプトを商品が実現できるかどうか?
③商品の良さをしっかり伝えられるかどうか?

の三段階の壁がありますが、最も重要なのは間違いなく①です。

いつだって価値が高いのはHowよりもWhatなのです。

ということで、本事業のコンセプトは以下の通りです。
(2021/8/25加筆修正しました!初期におけるコンセプトは常に移ろうものなのです。。。笑)


画像27
画像27
画像27
画像27
画像27
画像27
画像27
画像27
画像27
画像27
画像27

はい。こんな感じです。

今回は「いつでもどこでも食べられる、とびきりのごちそう」を基本コンセプトに据えています。

読書や仕事、映画鑑賞などをしながら片手間で食べれる食事「Nagara(ナガラ)」。基本の発想はいにしえのサンドイッチ伯爵と一緒ですね。

片手間で食べられるような食事だけれども、「抜群のおいしさ」と「野菜接種の健康面」も含め「素敵な食事」にまで昇華できたら価値が高いのではないか?という仮説のもと動いています。

どうでしょう?ほしいと思ってくれる人がいたらとてもうれしいです。
以下のnoteを書いたときよりは少しアップデートしています。

これが実際にイケてるものかどうか確かめるために、この資料と試作品を携えていろんな人間にぶつけて反応を見ていこうとおもっています。


解決する課題と顧客ターゲット


誰のどんな課題を解決するのか?に当たる部分です。

まずは何を解決するのか?コンセプトの根本にあるものをしっかりと言語化しておきます。

ひとまず資料をどうぞ。

画像27
画像27
画像28
画像27


今回は「手軽さと、美味しさ、健康の三つを顧客は求めているのに、現状それを満足させる製品がないのではないか?」というのが仮説です。


そして、現状市場にある製品の分析を行い、ポジションが空いていることを確認しています。

そして、最後にターゲット像を明確にしておきます。

ターゲット像の明確化に関しては、製品の仕様というよりもどちらかというとコミュニケーション施策に活用するのがよいでしょう。

ちなみに、時間重視高級サラリーマンはほぼ二年前の僕です。


ビジネスモデル


どうやって具現化するのか?の部分です。

モノはどう作るのか?お客とはどうつながるのか?どこに付加価値があり、どこが利益の源泉なのか?そういった問いにしっかり答えていけるように組みましょう。

こちらが資料です。

画像27
画像27

今回はベタなD2Cモデル。

企画・開発・マーケティング部分を自社が担い、製造・物流などは外注します。ここでの密かな意思決定は「Amazonや楽天のようなECモールには出さない」ということです。

理由は二つ。

①類似品がない(もしくは名指しで買われるようなもの)ので、顕在化顧客がほぼいない。よって知名度がなければECモールでの来訪は望めない
②「最小オペレーションでの運営」というのがひそかなテーマであり、それを考えると販路はミニマムで始めたかった

というあたりです。

この辺は商材によっても事情が異なってくるとは思いますのでしっかりと考えましょう。


事業分析と経営戦略

どんな骨組みでビジネスを展開するのかが明確になったら、いったん状況整理が必要です。

ここではベタにSWOT分析を行っています。
分析をしてての気づきの一つは「副業スタートがゆえに、ファーストキャッシュが遅くても死なない」というのは十分強みになりうるというものでした。

お金をつぎ込むことや、瞬間最大的に時間をつぎ込むことは難しいですが、期間をかけて(あんまりかけすぎてもダメですが、、、)しっかりと土壌を整える戦略はありなのかも。

そしてじつはこのnoteもその一環だったりします。笑

あとは課題とそれを乗り越える方針出しをしていきます。

課題とは、あるべき姿と現状のギャップを指します。

なので、課題をあぶり出すためにまず重要なのは、目標の設定です。
ここは個人の感情も踏まえて自由に設定しましょう。

私の場合は、「月次売上500万円、営業利益率20%」を掲げました。ここに上る勢いが見えてくれば、喜んで本業を退職することができます。

詳細は次項ですが、目標といままでの条件を踏まえて未来のP/Lをデザインします。

「単価はこのくらいだから月にxx個売れる必要がある」
「リピートを確保しないと成長路線に確保するのは難しい。xx%のリピート率が必要」
「そもそもこれだけの利益率を出すためには物流費はxxまでおさえなければならないし、単価も上げざるを得ない」
「高い単価でも売れるように製品のバリューを出せるようにしなければならない」

などなどパズルのように課題が出てくるはずです。
重要なのは夢と現実の間の階段をどう組むか、です。

僕が書いた階段が登れるものだったかは、きっと来年にはわかっていることでしょう。笑


画像27
画像27
画像27


収支計算

前項のもととなったデータです。
手順的にはこちらが先ですが、ストーリー的には細かい費用の話なども含むので後に回しています。

将来的なP/Lをシミュレーションすることで「何にいくらかかり、どれを増やしたら勝てるビジネスなのか?」を数字の面からしっかり押さえておくことができるなと思いました。

ここでの個人の気づきは「LTV > CPAの状態で広告投下しても、回収までの期間は結構かかるのでリピーターが育つまでは赤字続きになってしまう」というところでしょうか?

冷静に考えれば当たり前なのですが、私は組んでいて初めて気づきました。

そりゃVCが主流になるのもわかるってものです。
ちなみに僕は会社立ち上げの動機が「好き勝手やりたい」なので投資はあまり検討しない予定です。

以下、資料です。さすがに費用部分はマスキングしてしまいました。

まあ、割と常識の範囲の値付けをしているので見せてもよいのですが、この辺は自分たちの問題だけじゃなかったりしますしね。

画像27
画像27
画像27

23年6月時点で、しっかりと伸ばせていれば累積赤字解消の上、1月100万円の営業利益。小規模事業者てきにはなかなか捗る数字ですねー。頑張ろう。

ただ、いろいろ計算すると発売間際でほぼ自己資本が底をつく可能性が見えています。補助金などは申請するつもりですが、このギャップをどうするかはしっかりと検討する必要がありますね。



結びとして、

ということで一通り今回の事業計画を話してみました。
つくってみてしみじみ感じるのはゼロからの立ち上げ、甘くないなーという部分です。

今までは既存の強いブランドの中でのビジネスをやってきました。

知名度も信頼も高いから、よいものを作って既存のチャネルにのせればある程度売れる世界です。

しかし今回それがない。
発売までにそこのギャップをちょっとずつ埋めていくのがこれからの僕のリソースの使いどころ。それが分かっただけでも大きな収穫です。

何事も、言葉と数字して整理すると見える世界の解像度がぐっと増しますね。

さて、計画を立てて満足してしまうのは一番よくないので、絵にかいた餅を美味しく頂けるように、これからも頑張っていきたいと思います。

ではまた。

Twitterもやっているのでよろしければフォローください!
(目指せフォロワー3,000人!)


さて、ここで宣伝です。

そんなこんなで出来上がったのがこのNagaraハンディスープです。

[こんな感じでそのまま飲めるのです。常温保存で2か月持つし調理は一切不要なのでらくちん]

「忙しくても、美味しさをあきらめない」をスローガンとして、ウィダーインゼリー的に飲める容器に、有名ホテル出身のシェフ岡嶋伸忠さんと作ったとろみの強い本格冷製スープを詰めました。

発売して1週間と少しですが、お客様からの評価は上々です。

こんな声や

こんな声が!ありがたい限りです!

50%オフ(送料込み550円)で買える初回限定お試しセットもございますので、是非覗いてみてください!


ではまた!




































お気に召していただけたら、サポートをお願いします。 私が家で小躍りいたします。