毎年フレッドとジョージの誕生日に思うこと

※ゴリゴリにネタバレあります。

ハリー・ポッターに登場するフレッドとジョージが好きだ。

怖いもの知らずで向こう見ず、不真面目で成績はそこそこだけど悪知恵は働いて、悪戯のためなら高度な魔法も使いこなしちゃう、ユーモアがあって周囲を明るくしてくれるムードメーカー、寮の代表選手に選抜されるくらいクィディッチも得意で、お互いがいれば無敵の双子。
これで好きにならないオタクがいるか?いねぇよなぁ!!?

ちょっと興奮しちゃったけど、今日は2人の誕生日なのでこのまま語らせてください。
(悪戯大好きな2人の誕生日が4月1日のエイプリルフールって時点でもう最高。)

フレッドとジョージって、洒落にならないレベルの悪戯をすることもあるけど、基本的には優しいんだよね。

出会ってすぐにハリーのトランク運ぶのを手伝ってくれたり(1巻)、ダーズリー家によって部屋に閉じ込めらたハリーをロンと一緒に危険を犯して助けに来てくれたり(2巻)、悪戯するのにこれ以上無いくらい便利な忍びの地図をハリーにくれたり(3巻)……ハリーから見ると気のいい優しい兄貴分。

とはいえロンに対してだけでも、酸っぱいペロペロ酸飴で舌に穴を開ける、破れぬ誓いを結ぼうとする、テディベアを蜘蛛に変える等マジで洒落にならんレベルの悪戯もしてる。ロンとフィルチは怒っていい。

優秀な兄が3人もいることによって、周りから同じような成績や立ち振る舞いを期待されることもあるだろうに、そういったものには一切振り回されず、自分達のやりたい事を自分たちの力でやってのける彼らはとても眩しい。

常に一緒に行動する一心同体の双子ってのもオタク心に響くんだよなぁ。映画アズカバンの囚人で忍びの地図について細かく交互に説明するシーンみんなめっちゃ好きでしょ。私も大好き!

※以下、ネタバレ要注意。






フレッドとジョージって、物語がどんどん重く苦しくなっていく中でも、張り詰めた緊張を緩和してくれる存在だったんだよね。
ハリーだって、これからどんどん暗くなっていく世の中には笑いが必要で、それをフレッドとジョージならもたらしてくれると思ったから三校対抗試合の優勝賞金1000ガリオンをそっくりそのまま二人に託した訳で。

7巻の冒頭でジョージが怪我をした時はショックだったけど、そんな時でもまず第一にいつもの調子で冗談を飛ばそうとする(けどいつものキレはない)ジョージにホッとしたし、あ〜双子らしいなと思った。
(余談だけどこの時のフレッドの狼狽えようがまた堪んないよね。フレッドにとってジョージは本当にかけがえのない半身なんだね!)

ただ、これまで二人で一つだった2人に、傍目からわかる明確な違いが生まれてしまったのがちょっと切ないね…。

な〜んて思ってたら…思ってたらよ!
ホグワーツの戦いで……ねぇ!!!!
そんな…そんな悲しいことがあるかよ…!!


フレッドが死んだ時、ジョージは中々理解できなかったと思う。
生まれてこの方ずーーーーーーっと離れたことなんてないんだもん。

ウィーズリー家の子たちはホグワーツに入学するまでの期間マグルの学校には通ったりせず、家でモリーに勉強を教えてもらう方針だから、プライマリースクールでクラスが別れるとかの経験もなく、家でも外でもずっと一緒。
ホグワーツに入学してからは私たちも知る通り。同じグリフィンドール寮で寝るときも起きてる時も授業中もクィディッチの練習中も一緒。
退学してからも起業してWWWを共同経営して、店でもアパートでも隠れ穴でも一緒。
二人の道が別れたことなんてないし、別れるという選択肢すらない。

それが突然、フレッドが、自分の片割れが、この世からパタっといなくなるって、そんな訳なくない??


(↓↓↓ここから妄想↓↓↓)
「おいおい冗談だろ相棒つまんないジョークかますなよ」って、まず現実だと理解できない。
葬儀の際、当然ながらフレッドは自分の隣じゃなくて棺の中にいる。
家に帰っても寝ても起きてもフレッドはいない。そこで初めてどうしようもない消失感に襲われる。
フレッドがいない人生なんて経験したことなくて、二人一緒にいて初めて物事が始まって完結するのが当たり前だったのに、その当たり前が消えてしまった。
色んな感情がごちゃまぜになって、思考も情緒もめちゃくちゃなのに、誰よりも気持ちを共有できる相手がいなくなって。
フレッドがいないのに簡単にお店の再開なんかもできないよね。だってあれは二人の店なんだから。
(↑↑↑ここまで妄想↑↑↑)


ってドン底の時期があったと思うんですよ。
でもリーや家族やアンジェリーナ達に支えられて、徐々に立ち上がっていったんだろうな。ロンがWWWの共同経営者になったのも、ジョージを支えるためだろうし。

ここまで散々フレッドとジョージは一心同体
だという話ばかりしてきたけど、もちろん双子とは言え別の人間なんだから、それぞれ違う所もある。
フレッドの方が怖いもの知らずで無鉄砲で、ジョージはフレッドより思慮深く慎重な性格の印象。
フレッドがジョークを飛ばして場を和ませるタイプだとしたら、ジョージは家族や周りを割と気遣うタイプ。

グリフィンドールらしい勇ましさの中に思慮深さも併せ持つジョージは、闇の陣営の復活を知って騎士団に参加するようになって、自分が死ぬ可能性について考えたこともあったんだろうな。
5巻の最初らへんの「とにかく戦いに参加したい」って時期は、思春期の無鉄砲さも合わさって、危険が伴うことを頭では理解しつつも、死はどこか他人事だったかもしれない。
でも、アーサーが死の間際を彷徨ったり、ムーディが亡くなった場面に直面した以上、ホグワーツの戦い時点ではその甘さは捨てていると思う。
フレッドに「おれがいなくなっても後追いなんてしてくれるなよ相棒」とか冗談めかして言ったこともあったりして…。

フレッドを失い、「こんなことなら戦いに参加しなければ」と頭をよぎったことはあれど、本当の意味で後悔したことはないと思う。世界であんなことが起こってるのに、自分たちは戦いに参加しないなんて選択、フレッドもジョージも持ち合わせていないだろうから。


7巻ってヘドウィグとの別れやムーディーの死から始まり、ドビーを失い、最後のホグワーツの戦いではルーピン先生やトンクスの遺体を目の当たりにするなど、あまりにもシリアスで悲しい場面が多い。
ルーピン先生のこともトンクスのことも全部悲しいんだけど、その中でもやっぱり私はフレッドのショックがデカい。
それはハリーの目の前で起きたことや、死ぬその瞬間まで冗談飛ばして笑ってたのに、という面も勿論あるけど、「ジョージは片割れを失った悲しみを抱えたままこの先の人生を生きていかねばならない」という取り残された側のダメージも想像してしまうから。(その観点で言うと、自身も拷問された上、家族のほとんどを失ってしまったアンドロメダも相当辛いと思う。)

原作後はジョージも結婚して子供が産まれて、喜びの多い人生を歩むと信じているんだけど、彼の悲しみが本当の意味で癒えることはない。

今日は二人の誕生日だけど、フレッドを失って以降のジョージは、もう二度と純粋な気持ちで誕生日を喜ぶことができないと思うと辛くて辛くて…。


(↓↓↓以下妄想↓↓↓↓)
平和な頃の二人の誕生日を想像すると
毎日がお祭り騒ぎの二人にとっても、誕生日は特別楽しみな日で、朝起きると顔を見合わせてニンマリと「おめでとう相棒」って言い合う。
まずふくろう便で届いてるモリーからのプレゼントをラッピングをビリビリ破いて確認した後、「起きろよリー、今日は一年で一番スペシャルな日だぜ」ってリーを叩き起す。そしていつも以上に朝から騒ぐので監督生のパーシーが部屋まで来て叱られる。
反省の色なく「朝からそんなカッカッしなさんな」「おいおいパース、誕生日を迎えた弟に対しての第一声がそれか?」とか言って余計パーシーをイライラさせた後、朝食では「今日は何の日か知ってるか?」「可愛い弟からおめでとうのキスはもらえないのか?」ってロンをからかう。
ロンの隣にいるハリーとハーマイオニーからも「おめでとう」って言ってもらった後、ジニーにも同じ様に絡んで軽くあしらわれる。
ムードーメーカで人気者だから友達からはもちろん、他の寮の女子とかからもすれ違い様に「ハッピーバースデー」って言ってもらえる。
イースター休暇は暦によって変動するらしいけど(にわか知識)、年によってはイースター休暇と誕生日が被って、隠れ穴で家族に囲まれながらモリーが腕によりをかけた料理を食べて誕生日のお祝いをすることもあったんだろうな。(ロンはハリーと一緒に寮に残りがちだけど。)


大人になってからも朝起きたらアンジェリーナとフレッド(息子)がハッピーバースデーってキスしてくれて、なんならロンとハーマイオニー夫婦やハリーとジニー夫婦も店や家を訪ねて祝ってくれるけど、やっぱりジョージやウィーズリー家のみんなにとって4/1は「二人の誕生日」だし、ジョージにおいては否が応でも、同じ日に生まれ毎年互いに祝い祝われてきたフレッドのことを思いだしてしまう複雑な日。
(↑↑↑↑以上、妄想↑↑↑↑)

な〜んてことを毎年この時期になると考えてしまう。あまりにも悲しい。ジョージにはそんな悲しみを吹っ飛ばすくらい自分でハッピーを作り出す力があると信じたいけど、フレッドがいないとその力すら半減なので…。



フレッドくんジョージくん、オバサンはね、二人のことを考えるだけでもう心がめちゃくちゃに掻き乱されちゃうんだ。


【蛇足】
クィディッチ今昔って冒頭に貸出票がついてて、そこにフレッドの名前はあるけどジョージの名前はないんですよ。つまりフレッドの名義で借りたクィディッチ今昔を二人は仲良く一緒に読んでる…ってコト!?

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