長坂_祥子さんの_Kindle_for_Mac_2_-_銃_病原菌_鉄_下巻

「銃・病原菌・鉄」を簡単にまとめてみた。

こんにちは、ハジメです。今回はあの名著として名高い「銃・病原菌・鉄」を簡単にまとめてみました。結構挫折する人が多いと思うので、まずは概論だけでもつかみたいという方は、このnoteを読んでみてください。

本著では「どうしてこのユーラシア大陸にいる民族が他の大陸に比べて、高い文明を持つようになったのか」という、大きな疑問に対して、1つの解を提示しました。それが「たまたま住み着いた生息環境のおかげ」という解にたどり着きました。

まず、多くの人が考えるであろう、個体間の遺伝子的な違いですが、遺伝的な違いというより人類の起源が皆同じ、アフリカからだと考えると、その後、人類が移動した後の生息環境による違いだと筆者は述べています。

そこで、環境がどのようなちがいがあり、それが人類にどのような影響を与えたのかについて考えていきましょう。まず、ヨーロッパ人が現在生息するユーラシア大陸が他の大陸に比べて発展する要因は3つあると考えられます。

それは、「大陸が横つながり(緯度の違いがない)」「家畜化し易い動物がいた」「栽培しやすい植物があった」の3つです。

・「大陸が横つながり(緯度が同じ地域が横に続く)」

まずは「大陸が横つながり」についてですが、これは大陸が横つながりであったことによって進んだ技術の浸透が早かったという利点あります。

例えば、もしユーラシア大陸内である植物を栽培化に成功した地域があるとします。そして、その作物を見た他の地域の民族が真似してみようと考え、そのまま栽培に成功した植物が、その地域に定着する確率はとても高いと推察されます。

なぜなら、緯度がほぼおなじため、気候条件が隣同士で似通っているためです。ですが、もしその植物を緯度がかなり違う場所で栽培しようとすることはかなり難易度が上がります。

例えば、大陸から、日本に稲作が持ち込まれた時、すぐに稲作をすることができたのは、この中国などと、環境が非常に似通っていることが上げられます。もし、当時の技術のまま大陸から稲作がカナダに伝えられていたとしても、稲作は浸透せずに、そのまま狩猟生活が続けられたことは想像に容易いです。

なぜなら、ある植物が入ってきたとしても、その植物の環境に適応した種が出てくるまで、その植物を観察、採取し続ける労力があまりにも手間だったからです。いつ出てくるかもわからない突然変異種を、明日の食料すらも手に入るか怪しい人たちは待つことができないからです。

また、このように、ユーラシア大陸に、急速に農作が広がることによって、農作を始めた地域の、人数が増え、それを支えるための、政治機構が生まれたのではないかと考えられます。

さらに、ある発明品が発明された時も、同じように伝わったのではと考えられます。例えば「文字」。そして、それらが伝わった地域はさらに発展し、他の大陸の人種とは文明的に差をつけていきます

・「家畜化しやすい動物が多かった」

続いて、「家畜化し易い動物がいた」についてです。我々人類がいま家畜化している動物の数はかなり限りられています例えば思いつくものでも「馬」「鶏」「豚」が上げられますね。

そもそも野生動物が家畜化される条件として幾つかあげると、「雑食性」「群居性」「多産」「繁殖の習性が簡易」などが上げられますが、特に「鶏」「豚」などはこれらの条件を多く満たしていました。

今でも南米に生息する、ビクーニャなどは、捕獲されると繁殖しないという習性があるため、家畜化されず、アフリカに生息する、シマウマなども家畜化が試みられたものの、凶暴過ぎたり、パニックに陥りやすいなどという問題があり、家畜化できませんでした。

しかし、ユーラシア大陸には、もともと生息する動物の母体数が多いこともさることながら、このように家畜化可能な動物も多かったため、農耕とともに、家畜化が成功することで、人口の増加をすることができました。


・「栽培化しやすい植物が多かった」

では、ユーラシア大陸の人類がここまで発展することができた理由の最後の1つである、「栽培化が容易な作物がおおかった」という理由について説明しますね。

下記の表をみてもらうと分かる通り、人類が食べることができる良質なイネ科植物は56種あると言われていて、そのうちの33が北アフリカを含む、ユーラシア大陸にあるみたいなんです。

中南米にある、とうもろこしなどは炭水化物を多く含む、良質な穀物のひとつですが、栽培化が非常に難しいらしく、とうもろこしの栽培が始まったのは紀元前3500年ころになってからであったため、

紀元前6000年ころにはすでに定住化が進み、食料を農作と、家畜だけで生活していた社会がユーラシア大陸などにはあったにもかかわらず、中南米の民族が定住化を始めたのは紀元前1500年頃であったと言われています。

このような栽培化が容易な作物があったという理由に加えて、先程指摘した「大陸が横続き」という要素が組み合わさって、ユーラシア大陸では文明の発展速度が他の大陸に比べると早かったのです。


・ちょっとした小話

以上で、「銃・病原菌・鉄」の簡単なまとめは終わりです。いかがでしたでしょうか。ちょっと分かりづらかったかもしれません。

そんな人には、高須賀さんという方が書いた、こちらのまとめが役に立つので、ぜひ読んでみてください。

https://togetter.com/li/190962

で、少しぼくの感想をば。この概論の後、どうして中国はユーラシア大陸にあったにもかかわらず、ヨーロッパのような覇権を手に入れることができなかったのかという疑問が書かれていて、そのへんから筆者の推測がうーんという感じになってきます。

その辺は実際に読んでみてからのお楽しみになるので、読んでみてください。

あと、筆者は文明の差異は遺伝子の差によるものではなく、地域の環境差であるというのを裏付けようとしていますが、少し違うのかなと。なぜなら、その地域の環境は遺伝子に確実に影響を与えます。

最近は、後天的な獲得形質なども子供に遺伝するという論文も出たくらいですし。

なので、環境によって変異した遺伝子による作用で、さらに文明化の差異の広がりが加速したのではないかなとは思います。

今度は、利己的な遺伝子とかも読んでみようと思うので、皆さんぜひ一緒に読みましょー。

では、おやすみなさいっす。最後リンク貼っておくので、もし「お、面白かったな」と思ったら、このリンクから買ってもらえるとうれしいです。そうすれば、僕に紹介料が入ってきて、次回また、皆さんに面白い本を紹介することができるからです。

http://amzn.to/2yB68bb

http://amzn.to/2zv1ybg

参考資料(図表引用):「銃・病原菌・鉄(上下)」・ジャレド・ダイアモンド

参考URL:「イノシシが豚になるまで」・東京農業大学教授/黒澤 弥悦    http://www.nodai.ac.jp/teacher/203448/2011/1.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?