サンタクロースの正体を知った日

先ほど夫に聞いた話。


夫「今日〇〇(長男)が、『パパ、サンタさんって実はお父さんとお母さんって俺知っちゃった〜!』って言ってきたわ。」と一言。

私「え、そうなん?で、なんて答えたの?」と聞いたところ、

夫「『そっかー。誰に聞いたん?』って言ったよ。」

私「で、なんて答えたん?」

夫「Eくんから聞いたんだって。『〇〇(次男)には内緒やで。』って言っておいた。」

・・・あっさり認めたんかい!サンタ=親だということを!

Eくんは3人兄弟の末っ子。
こういう子は上の兄弟経由でなんでも情報が早いのです。
そっか、Eくんから漏れたか。
拍子抜けするほど、あっさりその日はやってきてしまいました。

私「えええ、そんなすぐに認めたの?あの子まだ小2(8歳)なのに。」と言ったところ、

夫「俺もそれくらいだった気がするで。っていうかじゃあ何歳だったら納得できるの?」

と言い返されて、言葉に詰まりました。
いつまでサンタクロースを信じていたか?の相場なんてありませんもんね。
きっと自分を基準にしていたのでしょう。



驚くことに、私は多分小6か中1になっても信じていたのです。
サンタクロースの存在を!

一度怪しいと思ったことがあり、その時の出来事は鮮明に覚えています。
小学5年生かな?確か。
おもちゃだけど、毛糸の編み物ができる機械をクリスマスプレゼントに頼んでいたのですよ。(手芸苦手なのになぜ頼んだのだろう・・・不思議。)
で、これ人気があったのか、クリスマスの夜までに手配するのが間に合わなかったようなんです。だからイブの翌朝、謝罪の手紙がおいてありました。
まさかまさかの、サンタクロースからの手紙です。

確かこんな感じでした。

あやちゃんへ

クリスマスプレゼントの「らくらくあみあみマシーン(ちょっと名前違うと思うけど、こんなんだった。)だけど、人気があるから、もう少し待ってもらえるかな?必ずプレゼントするからね。
ごめんね。

サンタクロースより。

一字一句この通りじゃないんだけど、こういう趣旨だったことは覚えています。
小5ですし、私ませた子供だったので、さすがになんか変な感じはしていました。(ませているのに、サンタクロースのことはわかってなかったのですがね(笑))
存在が怪しいというよりは、サンタの力についてです。
「サンタクロースの力はその程度だったのか!」当時の私の心の声です。
だってサンタクロースがサンタクロースである所以は、世界中の全ての子供にクリスマスの夜プレゼントを配る偉業を成し遂げるからである。私はそう思っていました。
だけど「遅れるんかい!なんだそりゃ!あかんやん!」ってね。
まぁ疑うポイントが、少々ずれているんですが。

だけど結局私は、この手紙を信じました。
理由は単純。筆跡です。
母は昔からサスペンスドラマファンで、私も隣で見ていることが多かったので「筆跡がどうこう〜」というサスペンスの大定番である筆跡については十二分に理解していました。人にはそれぞれ書き癖があって、これを筆跡と呼ぶ。この筆跡は、ちょっとやそっと書き方を変えたって結局はバレてしまうものだ、ということを。

加えて以前noteに書いたように、我が家は家族で交換日記をしていました。
だから父と母の筆跡は知っていました。
さてこの手紙の筆跡ですが、父のとも母のとも違ったのです。
普通に綺麗な字で、どちらのでもない。
という一応自分の中の推理があったので、この時私はサンタクロースの存在を信じました。あほ、いやいや、可愛い5年生だと思ってあげたい。

ではいつ、サンタクロースの真実を知ったのか。
はっきりは覚えていないのだけど、周りにいた友達の記憶から察するに中学1〜2年生。
友達とのふとした会話の中で「っていうか、サンタって親やんか〜」みたいな流れになって、「えええええええええええ!」ってものすごい動揺したのに、ポーカーフェイスを装った記憶があります。

遅いと遅いなりに恥というか、「みんな知っていたのに、私は知らなかった。みんなどこで知ったの??」こういう気分になりました。だから遅すぎるのもあまりよくないのかもしれませんね。

大人になり、ふとしたタイミングで母に例の手紙の件について聞いたことがあります。すると「ああ、あれはお隣の〜さんに書いてもらったの。うまいことやったでしょ、ふふ。」ってな感じでした。
なかなか手の込んだことをしていたのね、母よ。



ちなみに今日サンタクロースの真実を知った長男は、なんだかとっても嬉しそうでした。
「なんで大人にはサンタさんからプレゼントがないのかって、俺はずーっと気になってた。だけど理由がわかったわ。自分で自分にはプレゼントしないもんなぁ。ははーん、そういうことやったんやな。」って、にやにやしながら言っておりました。
彼の場合、子供扱いされたくないタイプなんですよ。
だからこれでよかったのかもしれない。
自分も大人の仲間入りできた気分になれて、嬉しかったのかもしれません。
大人の階段を一歩登ったとも言えますしね。

でもねぇ、親としては「サンタさんいつくるのかなぁ〜。」って目を輝かせている顔が可愛いので、少しでも長く見ていたい、そういう気分になってしまうのですよ。うちの母もわざわざ手紙を細工するだなんて真似までしたのは、そういう気持ちがあったのかもしれませんね。

願わくば、あと数年は次男がサンタクロースの真実に気がつきませんように。

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浜田 綾(コトバノ):ライター
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