「ズケズケ座談会」Vol.2-ツールに騙されるな!デジタルイラストについて。-

問題提起として意見を発信するマガジン「ズケズケ」。
先日更新予告をしたとおり、豪華ゲストお二人を招いてチャット座談会を行いました。

ホメオパスの世良純子さん

アートディレクターの前田高志さん

進行、編集は私、ライターの浜田綾。3人で話をしていきます。


今回の座談会のお題は3つあります。

1【肩書きについて】

公開済みです。ぜひ読んでみてください。
「ズケズケ座談会」Vol.1-肩書きとは志だ!-

2【デジタル絵について】
デジタル絵=ペンタブ一択じゃなくてもいいと思う。
ペンタブはアナログよりも逆に難しい!?

3【SNSについて】
SNSの付き合い方について。
本音でやりとりしよう。
信用が大事。
「いいね」の意味ってなんだろう?


上記3つのお題は前田さんからの提案だったので、前田さんの発言多めです。未定ですが、同じように世良さん発案、浜田発案の座談会も開催できたらいいなと思っています。

いずれも白熱議論でそれなりのボリュームになったので、
3回に分けてお届けします。
今回は2回目、デジタルイラストについての問題提起です。

ーーー

浜田 
前田さんはデザイナーさんなので、まぁわかるんですが、世良さんも美大を卒業されているんですよね。その後印刷会社に就職して、ガラス工芸作家活動を経たのちに、化粧品会社へ転職し、兼業ホメオパスとして活動してから、ホメオパシー1本で独立されたという経歴がおありなんですよね。

というわけで、デジタルイラストについては、美大を卒業されたお二人の意見をじっくり聞きたいです。



「手で描くこと」を大事に。


世良

偉そうにいいますが、デッサンを死ぬほど描いて美大にいきましたし、工芸では有名な学校だったので、まわりは「手で作れる職人集団」でした。
描けて当然と思って就職したら、専門学校から来ているまったく手では描けない人がデザイナーをやってて、イラスト依頼したら手で描いた下書きは、正直うまくないわけです。

その後Macがもっと普及して、もはや手では描けなくてもデザインできてしまう時代になりました。


浜田
やっぱり基礎が大事ってことなんですね。


世良
チラシやパンフのデザインはできても、イラストやロゴって手で描けないとできない仕事だと思うんですよ。


浜田
 
あーなるほど。そういうことでしたか。


世良
いまだ憶えているエピソードがあるんですがね。
海外でいっぱい賞を獲っている当時40代だったかのデザイナーさんがいました。彼は自分で描いて、Macを使える子に指示して、画面の前で言うとおりにオペレーターやってもらって作品しあげてました。
部下にこう教えていたようです。
「最初は手描きでアイデアをつくりなさい。Macからやるな。」

つまりね、紙は正確にいうと0.00000000000ミリの世界なわけだけど、Macになるとカーソルだし画面もぶれてるからそのミリ単位の世界ではないので、感覚が鈍くなるんですよ。


浜田
なるほど、最初はやっぱり手書きなんですね。Macではない、と。
ペンタブがアナログで描いて、デジタル化する時に使うものって意外でした。


世良

手で描けるデザイナーさんは、すごくうまいですよ。
松井桂三さんからもらった三角の招待状の三角の形なんて、完璧すぎでしたもん。


浜田

松井桂三さん、前世良さんがブログで記事にしていましたよね。


世良

そうです。


前田

デジタルっぽさって、僕の中でクオリティが低いんですよ。
だから、僕はいかにデジタル臭を消すか、みたいなところをやるんです。
初心者がいきなりデジタルやるってことは、ヘタ×ヘタでヘタの掛け算。
アナログなら、それが味になるんですけどね。


浜田

「ヘタ×ヘタでヘタの掛け算。」(笑)
わ、すごい名言でました!!


世良

手で描いてデジタル化って発想がないのかもしれないね。
それとツールのかっこよさもあるのでは?
「ペンタブかっこいいぞ!」みたいな。

趣味で描く分にはそれでいいんだけど、前田くんが言ったように、ペンタブって決して簡単なものではありません。
以前WEBの学校行ってたときにね、実は美大に行きたかった絵が大好きな男の子がいたんです。

ペンタブ使える子で彼が言うには「いいペンタブだと勝手に描いてくれるから”絵がうまくなった感覚”になる」だそうです。


前田

それは上手くなった感覚だけでしょうね。


世良

でも、そもそもの発想とかはペンタブはサポートしてくれないよね。


前田

そうです。
僕からしたら、ペンタブってめっちゃ難しいですからね。
散々デッサンしてきたのに。


世良

あ、私も挫折したままです(笑)


前田

僕も挫折して、液タブに変えましたもん。


世良

手の感覚と違うから、むしろ機械にあわせなければいけなくなって耐えられない。


浜田

えきたぶ??言葉からわからないです。すみません。


前田

液晶タブレットです。モニターに直接描けるやつです。


浜田

ああ、そういう機材なんですね。
ーーー
*補足*
ペンタブには通称「板タブ」と「液タブ」2種類ある。
板タブはパソコンの画面を見ながら描くツール。
比較的安価だが、手元とのズレを感じるという人もいるらしい。

液タブは画像の上に直接描けるツール。
板タブよりは高価だが、アナログに慣れている人にはこちらの方が使いやすいようです。
ーーー


世良

液タブ!それなら私も欲しいかも!
それでも・・・・私は実はペンタブ好きな人が言う「間違ったら消せる」っていうのがそもそも嫌なんです。
実際は油絵ならともかく、水彩なら間違うと消せないわけですから。


浜田
いつでも消せるって、甘えが出ちゃいそうですもんね。


世良
うん、それある。


前田

消せるのはうれしいですけど、手描きの時の集中力はたしかにすごいものがありますね。


世良

わかるーーーーーー!!!
工芸も一発で終わりだから集中する。


前田

消せる、喜びを感じれるから、やっぱりアナログ経験があったほうがペンタブは生きますよ。


浜田

そういうものなんですね。美大出身のお二人が言うから重みがあります。
ではデザインを志す人であれば、やっぱり手書きを軽視しない方がいいということですね。


デジタルイラスト=ペンタブだけじゃない。


浜田

アナログを軽視しない方がいい、ということはよくわかりました。
でも例えば趣味でイラストを描く場合であれば、ペンタブを導入してみたほうが簡単じゃないんですかね?
私は絵が下手すぎるので、自分で絵を描くこと自体に興味がありませんが(笑)

何かアドバイスとかありませんか?


前田

アドバイスは別にないです(笑)
多分そんなにクオリティを求めてないと思うので。


浜田

えええ、アドバイスなしって(笑)


前田

アドバイス…しいていうなら、アナログっぽさを出したほうがいいと思います。


世良

デザインだけでなくネット業界全般に言えることですが、「何を表現するの?」ということを考えたり、そのための基礎的努力よりも、ツールに目がいきがちだと感じます。

また新しいものが次々出るから、ツールにのっかって使いこなせることに目がいきがちなんじゃないでしょうか?
どんどん本質からずれている気がする。


浜田

ああ、なるほど。
そもそも何でわざわざペンタブ買ってまでイラストが必要なのか、を最初に考えてもいいのかもしれませんね。


前田

そうそう。
だって紙とボールペンの方が、絶対いい味出ますよ。


浜田

アナログっぽさが大事ということですかー。
じゃあ紙とボールペンで書いたのを写真でとって、アップするってのもありってことですかね?


前田

そうです。
あと、そもそも絵が上手くなる必要なんてないんです。
下手な人が半端に上手くなったら寒いだけです。


浜田
なるほど(笑)
差別化するという意味では、ブログにデジタルイラストっていいのかもって発想はわかります。私は下手なので、できませんけどね。
個人的には差別化したいなら、文章力をあげた方が効果があると思いますし。


世良

その通りだと思いますよ。
ちなみに今って写真でも「写ルンです」がはやってらしいね。
つまり、アナログってもはや基礎ではなく”流行り”なんですよ。

同様にホメオパシーの世界でもね、レメディーを選ぶのにすさまじい値段の「レメディー検索pcソフト」があるんです。
クライアントの症状を全部いれたら、レメディーが出てくるんですよ。
でもってみんなこぞってお高いソフトにいっぱいアプリをいれるんです。

わたしはこの手のソフトは一切使いません。
仕事超アナログですよ。
いっぱい買う暇あったら「勉強しろ」と言いたい。


浜田

えーーー、そんなソフトまであるんですか恐ろしい!


前田
 
それって、信頼できるソフトなんですか?


世良

どーですかねー?役には立つでしょうが、出やすいレメディーがあるから間違いやすいかもしれない。
そのソフトを使ってレメディーを外しまくり、私に相談されることもあるからどうとも言えません。


浜田

口に含むものなのに機械に頼るって、恐ろしいですね。


前田

無知な人がそういうソフトを信用して使ってたら怖いですね。


デジタルイラストを手軽に行う方法を教えてもらった。


前田

あ、アドバイスなしというのもあれなので。
ちょっとしたコツを。

ボールペンで書いたのをiphoneで写真を撮って、2階調に変換して使えばいいんですよ。polcaのお返しのイラストは全部その方法です。

浜田
2階調ってどういうことですか?


世良

前田さん、2階調解説よろしく。

でもね、2階調だとしてもそこにもセンスが問われると思います。
シンプルほどセンスや基礎が問われますからね。


前田

これが手書きで描いたイラストを、写真撮っただけのものです。


浜田
はい、世良さんですね!


前田
これが2階調。


つまり、白と黒の2階調ってことです。
ーーー
*補足*
階調とは…?

色や明るさの濃淡の段階数。ディスプレーやプリンターなどの画質を決める要素のひとつで、色や明るさの表現力の単位として使われる。階調が多ければ多いほど、色や明るさの変化をなめらかなグラデーションで表現でき、自然に近い描画ができる。階調は数で表され、2階調や16階調、256階調というように表現する。白黒の2階調では、濃淡を白と黒への2段階で表現する。
コトバンクより

ーーー

浜田
へー、この工程をペンタブでするってことですか?


前田 
そうです。
僕はマウスで微調整しますが、アプリの一発変換でもできます。


浜田

そうなんですね。
そんな方法もあるんですね。
じゃあペンタブなくても、デジタル絵にする方法ってあるんですね。


世良

ありますよ、たくさん。
アプリ一発変換の人が多いかも。
ただ私は、アプリ一発変換もなんか納得いかないんですけどね(笑)


浜田

ペンタブなくても、これで十分ですよね。


前田

そう。Adobe Capture というアプリで、できますよ。
他のアプリ、例えばインスタでもコントラストと明度をいじればできます。


これはインスタで白黒フィルタに、コントラストをMAXにしただけですよ。


浜田

そうなんですね!いい感じに仕上がってますよね。
有益な情報をありがとうございます!


世良

わーほんまや。
前田くん、今度会った時その話詳しく聞きたいわ。


浜田
この回、デジタルイラストをやりたい方にはすごくいい情報になった気がします。では、デジタルイラストの話、この辺でしめますね。


世良

結論はツールにだまされるなですかね?


浜田

そうですね(笑)



まとめ:ツールに騙されるな!


きっかけはペンタブでしたが、何事も基礎って大事だと思うんです。
基礎がないまま便利なツールを過信するのがいかがなものか?という問題提起でした。

もちろん趣味でやるものにまで、そこまでストイックになる必要はないのかもしれません。
だとしても、なぜ自分はそれをやるのか?周りに流されているだけではないか?そういう自問自答はあったほうがいいのかもしれない。

私も新しい便利な何かに飛びつきそうになった時は、自問自答してみようと思います。
「それってただ流行りに乗っかっているだけじゃないか?」と。


さて、3回目は【SNSについて】です。
こちらも編集泣かせのかなりの激論になったので、お楽しみに。
1週間後の月曜日に更新します。

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浜田 綾(コトバノ):ライター
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浜田 綾

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