母の心、子知らず。

下の子(4歳、年少さん)の同級生の男の子で、少し体が弱い子がいるんです。その子は週に1回は体調不良でおやすみしているかも。熱が出やすく、一旦発熱すると高熱になりやすくて、場合によってはそのまま入院することもしばしばなんだとか。その子のお母さんがそんな風に言っていました。

だからでしょうね。
彼女は息子くんの着る服装にものすごく気を使っているんです。
例えば、
「今日は寒いからもう一枚ベストを着せればよかったかなぁ。」とか、
「幼稚園の教室は暖房入ってるなら、今日の服装暑すぎないかな。」とか。
そういう風に気を揉んでいる話をよく聞くのです。

体調を崩すのが当たり前だから、家族旅行にもなかなか行けない、というけ行けていない。そんな話も聞きました。
だから彼女は健康や食べ物について詳しくて、とにかくどうすれば息子が健康でいられるかについて一生懸命なんです。

そうだよね、私もうちの子が同じように体が弱かったら、同じように絶対心配する。いや、気にしだすと時に狂気じみる私の性格ならもっともっと大変なことになっていそう。彼女と話をしていると、そんな気分になることがあります。



この一連の話を母にしたところ、”ちょっと一言いいですか?”とでも言わんばかりの表情で(いや実際には言わないんだけど、そういう顔してた!)
「綾もそうだったんだけど、覚えてないの?私大変だったんだからー。」と話はじめました。

私は私の世代にしては珍しく、3年の私立の幼稚園に通っていたんですよ。ちょうど今の次男と同じ年齢の4歳の時、私はとにかく病弱でした。
肺炎に4回かかっていずれも入院していたらしいです。
風邪ひいて高熱出して病院行ったら即入院。退院した〜って思ったらまた同じような風邪をひいて・・・入院。これを繰り返していたらしい。だから私年少さんの1年は、ほとんど幼稚園には行っていなかったらしいのです。

そっかそっか、そうだった。
この話何度か母から聞かされていたけど、そんなに記憶には残ってないのですよ。だって私今普通に健康だし、これだけ病弱だったのもこの1年だけだったので。喉元過ぎれば熱さを忘れるではないけど、そんな大変だったことなんてすっかり忘れていた。



子供としての大変さはもうすっかり忘れてしまったけど、自分が親になって、かつての母と同じような状況のママ友を見て改めて思う。本当に大変だったんだね。あの頃の母も。

うちの母はずーっと過保護の過干渉で、今も多少その気がある。
だけどこうして私も親になって、かつての母と同じような思いをした人を目の当たりにすると「過保護やねん!」と簡単には切り捨てられない。もちろん4歳の時の心配を36歳になってもしている母はどうかと思うけど。でもやっぱり母になって同じような経験もしくは経験をしている人を目の当たりにすると、考え方って変わってきますね。

母は母でがんばってくれて、その結果今の私がいる。
母のこと、なんか別の方法で大事にしてあげないといけないよなって、当たり前すぎることに今更気づいた36歳でした。

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浜田 綾(コトバノ):ライター
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