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On the Townへの道 12

自分のパートを全体の響きの中で明確に感じるために、アルバムを聴きそれに合わせた演奏を繰り返す。表や裏が逆に聴こえてしまったり、休符を音楽的に感じることが難しい場所などで悪戦苦闘中だ。

ジャズでは、リズムが律動する場面においてはひとりひとりがそれぞれのダウンビート(表拍)を強く感じながらグルーヴを生み出す。アンサンブルでそれら個々のグルーヴ間のズレは矛盾することにはならず密に関係し合うことでむしろ微妙なうねりが生まれてバンドがグルーヴする。またバラードなどに登場するルバートの様な場面でもハーモニックリズムによる流れの中でやはり同じくミュージシャンそれぞれの主体的な音楽同士の合奏がうねりを生み出し深みのある世界を作り出す。・・・この様に私は考えている。

ジャズミュージシャンの視点からOn the Townを眺めると、そういう意味でとても複雑だ。流れが細かく速くそれを掴むのが相当難しいと感じてしまう。もちろん無責任に自分の持っている(自覚している)感覚だけで理解し表現してしまうことは無謀で愚かだと思う。かといって流れに身を任せ全体の動きに神経を配り、ただ調和を保つことに終始するのもきっと違うと思う。アートにとって大切な、自由でクリエイティブな感覚で臨むためにもう数段、階段を登らなくてはならないのだ。きっと。。。


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