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On the Townへの道 3

楽譜から様々な情報を読み込み、自分の音楽に変換するという能力は長年の音楽経験によって取り敢えず身に付いていると思う。

ただ、その先の「楽曲に深く沈んでいき、作曲者の心に触れる」という本当の理解への道のりは今回は特に果てしなく遠く、今はまだその兆しさえも見えない。

「楽曲を自分のものにする」というのはメロディ、ハーモニーの流れ、リズムの流れ、そしてトータルな音楽を理解するところから始まり、やがてその曲の深いところにある本質的な美しさ、作曲者の心象風景的な世界に辿り着いていくことだと思う。その後、初めて自分自身の歌や世界観と結び付いた「うた」としてあらためて内側で制作され、それが外に出てきたものこそ素晴らしい音楽だと私は思っている。

自分がジャズで楽曲に取り組むときはどのような時でも必ずその姿勢で臨み、その状態にない人とは極力一緒に演奏しないことにしている。

ロンドンでの厳しいオーディションを勝ち抜いてきたキャストたちをサポーティブに音楽で包み込むためには、想像を超える努力が必要なのだ。

時間をかけてコツコツとやるしかない。


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