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チャレンジに寄り添い、応援し合える場所を。地域密着型クラウドファンディング「晴れフレ岡山」誕生


「新しいモノをつくりたい」「こんな場をつくりたい」「もっと広めたい」

––––「でも、できるかな」「お金ないな」「誰が使ってくれるかな......」
何かを始めようとする時はいつも、不安な気持ちと隣り合わせ。

だからこそ、同じ地域に思いを寄せる人たちが手を取り合って、応援し合える文化を広げたい。岡山の誰かがやりたいことを、岡山のみんなで応援できる場所をつくりたい。

そんな想いから、7月22日、地域密着型クラウドファンディング 「晴れフレ岡山」は生まれました。

岡山に広く深いネットワークを持つ山陽新聞社と中国銀行。全国で多くの夢の実現に伴走してきたREADYFOR。3社だからこそ出せる価値とは何なのか。各社は何を担い、どこを目指しているのか。立ち上げメンバーの3人に話を聞きました。

写真左から、READYFORの富澤、中国銀行 藤井、山陽新聞社 綾野。

この地域に住んでいて良かったと思えるように。挑戦できる場を提供したい。

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── まずは、晴れフレを立ち上げた理由を教えてください。

綾野 人口減少や少子高齢化が進み、地域を取り巻く状況はいま、非常に厳しくなっています。新聞社の使命は、報道を通して地域を良くすることですが、それに加えてさまざまな地域貢献事業を行っています。

岡山に住む人たちが「住んでてよかった」と思える地域をつくる。
そのためには、地域活性化や西日本豪雨災害からの復興など地域の抱える課題を一つひとつ解決していかなくてはなりません。その大きな力にクラウドファンディングはなると考えました。

── クラウドファンディングが地域に活力をもたらすきっかけになる、と。

藤井 私たちとしても、クラウドファンディングは、やりたいことをカタチにする有効な手段だと捉えています。
銀行が融資する際には、ある程度きっちりとした計画が必要ですが、数字には落としきれないような創業の種ってたくさんあるんですよね。「こういう商品を作ってみたいけど、会社からはたぶん反対されるよな」とか、個人でも「こういうビジネスを考えているんだけど、受け入れられるだろうか」とか。

まだアイデア段階のものでも、クラウドファンディングであれば、実際にはどれだけの応援を受けられるのかを知ることができる。そうすれば、ひょっとしたら今までは諦めていたものが、事業化されるかもしれないじゃないですか。

融資ではサポートできなかったような想いのある人たちが、どんどん挑戦できる場所を作ることができる。そう思って、晴れフレを始めました。


── この3社でパートナーシップを組んだのは、どうしてですか?

綾野 新聞社も銀行も、地域との繋がりを広く深く持っています。そこにクラウドファンディングのプロであるREADYFORさんが入ることで、地域から全国を幅広くカバーでき、より良いものを生み出せると感じています。

藤井 地域と向き合う基本姿勢と基本理念を共有できているのも良いですね。地域企業に全てを委ねるのではなく、プロジェクトが実現するために徹底的に伴走する。READYFORさんも共にコミットしようとする姿勢に共感しました。何より、富澤さんの熱意に動かされましたね(笑)。

富澤 ありがとうございます(笑)


地域密着型だからこそ、人間味のあるサービスへ。

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── 3社では、どのような役割分担をしているんでしょうか?

藤井 銀行は各地の本支店ネットワークを活かして、岡山にあるチャレンジの種を発掘していきます。

富澤 READYFORは、今まで10,800件以上のサポートをしてきたノウハウを活かして、クラウドファンディングの達成までをサポートしていきます。

綾野 新聞社では自社媒体を通して、プロジェクトを行う方々の想いを伝え、共感を広げるお手伝いをさせてもらいます。プロジェクトを立ち上げたときの記事はもちろん、その後に達成した人たちを特集面などで取り上げていく予定です。

── クラウドファンディングサービスって、色々とありますよね。どういう違いがあるんでしょうか?

富澤 晴れフレは、地域に根ざしたサービスを受けながらも、最新のノウハウを活用してクラウドファンディングに挑戦できる場所になることができると思っています。

藤井 クラウドファンディングってすごく今風でデジタルな感じを受けますが、晴れフレはもっとアナログな、地域愛とか絆とか、人間的な温かみを感じられるものにしていきたいんです。

綾野 例えば、中国銀行と山陽新聞社には、地域に根を張っている行員や記者がたくさんいます。そのネットワークをフルに活かすことで、もう一歩、より深く地域に踏み込んだサービスをしていきたいですね。


── メディアにプロジェクトを取り上げられることは、どんなメリットがあるんでしょうか?

富澤 クラウドファンディングに挑戦する人の多くは、まだ実績のない人たちです。チャレンジには不安はつきもの。そんな時に、第三者がプロジェクトを伝えてくれることは、支援だけでなく、自信にもつながるんですよね。心の支えになる。自分たちがやってることは間違ってないんだ、と。

綾野 新聞社としては、政治や経済、事件、事故のニュースばかり取り上げたいわけではないんです。読んでくださった方が、「岡山でこんなことやってる人がいるんだ」と知って、勇気付けられたり、ホッとしたり、共感を覚えたりするような、そんな温かい人間味のある記事も出していきたい。クラウドファンディングの記事はそれにふさわしいと思っています。

── でも、全てのプロジェクトを記事として取り上げていくのは難しいのでは......。

綾野 可能な限り、全部のプロジェクトを取り上げていきたいと思っています。記事化するかどうかは、目標金額の規模ではありません。実行者の熱い想いや志をきちんと伝えたい。ただ、プロジェクトの件数が増えてきたり、大きなニュースが多かったりする場合には、新たな工夫や対応も必要でしょうね。

富澤 年間300件ぐらい出てくるようになったら、毎日、晴れフレのプロジェクトが掲載されることになりますね!楽しみです!!

綾野 頑張りましょう(笑)。

岡山の新たな可能性を発掘し、地域とともに育んでいく。

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── 晴れフレでは、どんなプロジェクトを生み出していきたいですか?

綾野 地域資源を新たに発見して、地域の特産とか名産とか、岡山ならではのものがある、というところまで育てたいですね。

地域の資源って、新聞社も銀行も知らないことがいっぱいあるんですよね。実際に活動している人や資源を持っている人たちも、本当に価値があるのかが分からない。分かっても、どう展開していいかわからない。そんな状況があります。

藤井 たとえば岡山城や後楽園の歴史を知らない人は、岡山市民でもたくさんいると思うんですよね。そんな有名なものでさえそうなんで、地元にいるからこそ身近すぎて気づいていない、いいところってたくさんあって。

でも、晴れフレに来たら、今までは知らなかった岡山を知ることができる。「岡山って、こんなに面白いんだ」「こんなに良いものあったんだ」という気づきを生み出せる場所になりたいなと思います。

── 岡山の面白いものが集まる場所、いいですね。

藤井 やはり、地域密着型であり、岡山特化である一番のメリットは、地域の中での絆だと思うんですよね。岡山に関係しているだけで自分ゴトになっていく人はたくさんいるはず。

岡山にある「良いもの」をPRできて、縁のある人が覗きにきて、「これだったら応援してみよう」「買ってみよう」と思ってもらう。そういう状況を作っていきたいし、それはこのプラットフォームでないとできないかな、と思うんです。

富澤 いわゆる特産や名産などの「モノ」だけではなく、自分がやりたいことを実現しようとしている人たちのことも、晴れフレを通して知ってもらいたいです。

たとえ地域のためと謳っていなくても、一人ひとりが、大切にしたいものを大切にできている状態って素敵だと思うんです。「こんな面白い人たちがいたんだ!」と岡山に新しい可能性を感じてもらえるきっかけになる。

藤井 この仕組みをしっかりと作り切って、「晴れフレがあるから、岡山で挑戦したい」という人を増やしていきたいですね。

チャレンジに寄り添い、互いに応援し合える場所へ。

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── 今後はどのようなサービスを拡充させていく予定ですか?

綾野 晴れフレで行われるプロジェクトを、できるだけ広く伝えていけるようにしていきたいと思っています。やはり映像の力は偉大なので、こうしたメディアも巻き込んで、クラウドファンディングの一層の周知を図りたいですね。

さらに、もっともっと地域への密着度合いも高めていきたいです。たとえば、山陽新聞社の記者やカメラマンがプロジェクトのページ作成を支援することで、安心してチャレンジしやすい環境を整えていければと思っています。

藤井 クラウドファンディングで資金を集めて終わりではなく、商品を磨き上げて付加価値がついた結果、たとえば次の商品開発につながったとか、生産量が何倍になったとか、商売に還元できるようにしていきたいですね。

そのためにも、晴れフレだけで終わるのではなくて、他の取り組みともマッチングさせていきたいです。銀行として、創業支援・ベンチャー支援など、いろいろと役に立てることがあると思うんです。

── クラウドファンディングの先まで、長期的にサポートしていきたい、と。

藤井 そうですね。あとは、将来的には晴れフレを使った人たちの集まる場があればいいなと思います。リアルに集まれるような場所がだんだん増えて、広がっていくのが理想ですね。顔が見える応援にしたい。直接会って話すことって、大事だと思っているので。

綾野 晴れフレに掲載されるプロジェクトが「オール岡山」で応援される状態を作っていくこともやりたいことのひとつです。個人・法人問わず、「岡山を盛り上げたい」という想いに共鳴してくれた方々と一緒に、岡山で生まれるチャレンジを応援していきたいです。

藤井 まず最初のパートナーとしては、岡山経済同友会さんと岡山大学さんが仲間になってくださいました。

富澤 やろうかなと悩んでいる人たちに、「ここでならチャレンジできそう!」と一歩踏み出すきっかけになれるような、そっと背中を押せるようなサポート体制を作っていきたいですね。

── 岡山の中でも、いろんなサービスが生まれていると思います。晴れフレは、どういう存在になっていきたいですか?

富澤 私としては、やりたいことがある人の頭の中に常に思い浮かんで、「ちょっと相談してみようかな」と思える存在になりたいです。何かをやりたい人たちみんなに寄り添っていきたい。

藤井 まさに。人に応援してもらうことで、いろんなことを思い切ってできるようになると思うんですよね。

チャレンジする文化と、応援する文化が岡山中に浸透して、晴れフレ岡山が、自分がやりたいことをできる「よりどころ」のような場所になれたらと思います。

綾野 晴れフレがあったから、地域に新しい魅力が生まれた、新しい商品やサービスができた、地域課題の解決に取り組む人が増えた、地域づくりを担う人材が育った。こう言ってもらえるようになったら、素晴らしいことではないでしょうか。晴れフレによって、地域が未来に向けて、良い方向に変わっていくのを実感したいですね。


空き家対策、観光振興、伝統行事継承、商品開発、幼児教育、高齢者対策、環境保護、社会的弱者支援…。

ありとあらゆる地域課題がクラウドファンディングのテーマになり得ます。そして、行政や企業ではできないことも果敢に挑戦できる環境が、晴れフレにはあります。

クラウドファンディングを通して、実行者と支援者の熱い想いがつながり、強くしなやかな輪が広がる。それは、地域を変えていく力になるはずです。

いずれ、県外、国外へと届けられることがあれば、さらに地域の絆が深まって、ふるさとを再発見することになるでしょう。

「この地域に住んで良かった」。

岡山に住む人がシンプルにそう思い続けられるように、次世代までその思いが紡がれるように。

晴れフレは、岡山でチャレンジする人に寄り添い、応援し合える場所を目指していきます。



text / photo by 吉野なこ


--------------<  お知らせ  >--------------

(1) リリース記念!説明会 in 岡山市 開催
8月末にリリース記念イベントを行います。
サービスの詳細や実行者の体験談などをコンテンツとして用意しています。
ぜひ、皆さまお誘い合わせの上、ご参加ください!


(2) プロジェクト募集中!
クラウドファンディングにチャレンジしてくれる実行者を募集中です。
まずはお気軽にご相談ください。


(3) 一緒に盛り上げてくれる仲間、募集中!

岡山で走り回る担当、ライターさん、カメラマンさんなどなど、晴れフレ岡山を一緒に盛り上げてくれる仲間も募集中です。

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晴れフレ岡山は、まだまだ始まったばかり。
一緒に盛り上げていっていただけると嬉しいです。
スキやシェアも大きな力になります。
これから、よろしくお願いいたします!

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