思い出を胸に生きていく

 亡くなったおじいちゃんの形見を、帰ってきたお母さんから預かった。

記憶の中では3ヶ月の間しか見たことない人。

だけど、とても優しくて孫達のことが大好きな人だった。

成人した姿を見せたかった。

そんなことを思いながらも、そう簡単には行けない距離だった。

今、手元にある形見を手に考える。

"もう、その声で私の名前が呼ばれるのは聞けないんだな"

時間が経つと思い出は褪せていく。

特に、その人の声は思い出せなくなっていく。

私が会ったのは10年ほど前。

おじいちゃん……

最後に一目、会いたかったよ……

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