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私的(INFJ)のオススメ作品3選と感想


今回は、私、INFJによるオススメの作品をご紹介して、感想を書いていきたいと思います。

私基準になるので、どちらかと言えば哲学的で暗い話が多いと思いますが、最後までお付きあいください。


①ハーモニー


作家 伊藤計劃原作による、"ハーモニー"です。映画化、漫画化もされています。
全人類が身体にウォッチミーという、機械を埋め込み、完璧な秩序が保たれた近未来の社会の話です。身体の代謝や調節は全てウォッチミーによって管理され、病気になる事もありません。未だに老いは残されており、死ぬのは老衰のみです。
それも近い将来、無くなるというくらいに技術が発達しています。また、人々は道徳的であり、見ず知らずの他人にも優しく、全ての人が隣人を愛している様な感じです。
そんなとても優しい社会で、息苦しさを感じている、霧彗トァンが主人公として物語は進んでいきます。そんな彼女はこの社会に嫌気が刺し、螺旋監察官という戦場に赴く職業につき、ウォッチミーを騙しながら既に違法であるお酒やタバコを楽しむ生活に明け暮れています。そして、突如として、テロ声明が全世界へ流れます。世界はパニックに陥り、上級螺旋監察官のトァンは世界を救う為、かつての友人ミァハやキアンに思いを馳せながら犯人を追うという内容になります。

感想


この作品の醍醐味は、とても優しく、幸せな世界のはずなのに、世界に居場所が無いとして自殺する人がいたり、トァン自身も真綿で首を絞められている。と表現している所でしょうか。また、人を人たらしめている意識はどこから来るのか、なぜ意識だけ特別視されるのであろうか。という問いかけもあります。
生きたい、痛みを感じたく無い、と願いながら、痛みを感じる事で最も生を実感できる。まぁ刺激が無さすぎる世界なのでしょう。元来、人間も動物なので、こんなに危険が無く、攻撃性も全く感じられない世界に生きていたら、本能的に潜めている防御反応やらが軟化しすぎて、毎日に張りが無く、ボンヤリしてくる気持ちも分からなくもないです。だからこそ、現代にもホラーや絶叫マシンの需要が大いにあるんですし。お寿司🍣恐らくこの世界における自殺者を減らすには、ワンチャン絶叫マシンを作る…なのかもしれません…そう思うと今の世界ではあり得ない異常なユートピアでありディストピアですね。
正直、こんな世界はあり得ないと思いますね。どんなに時代が進んでも、お酒やタバコを嗜む人はいますし(特に酒)、この世界はカフェインすらも危険とされています。この世界は少し前に大戦争が起こり、核による影響で世界中の人々が癌に怯えました。そして、この秩序ある世界へと移ったのですが、人間とは忘れる生き物なので、きっとこの社会は長続きしないでしょう。もしもの世界、としては面白く、幸せとは?という少し表し難いテーマを読みやすく物語に落とし込んでいます。原作と映画では結果は同じですが、そこに至るまでの経緯が微妙に違うので、ぜひ両方見てほしいです。ちなみに、私は原作の方が好きでした。伊藤計劃さんの作品で虐殺器官や屍者の帝国(これはほぼご友人が執筆されたそうですけど)よりもharmonyがダントツで好きですね。伊藤計劃さんは若くして既に亡くなっておられるので他の作品が読めない事が残念です。ご冥福をお祈りします。

②新世界より


お次は、作家 貴志祐介さんによる"新世界より"です。アニメ化もされており、割と有名だと思います。
主人公 渡辺早季は、呪力という超能力を持った人々が平和に暮らしている社会で穏やかに過ごしています。友人たちと語らい何不自由無い社会に思えますが、早季達は言いつけを破り町の外に出てしまいます。そこで様々な歴史を知り…

感想

2回読みました。1回目が10年前だったので、今読み返したら何か捉え方が変わるかと思ったのですが、その通りメッセージ性に気付けた気がします。新世界よりは、強い力の欠陥と人間の愚かさや人間も所詮は動物だという事がよく分かってとても考えさせられますね。
上・中・下に別れているのですが、下巻の最後のページに"想像力こそがすべてを変える"という文があります。1度目は呪力を表している(呪力は想像する事で力を使います。ガラス割れろ〜割れるんだ〜なんて念じても出来ません。例えば、見えないボールを目の前のガラスに向かって思い切り投げる…イメージでしょうか。実際やると中々難しい…これを瞬時に難なくこなせる早季達は流石)
だけと思っていたのですが、2度目で、人が考えた事や口に出した言葉(よく噂をすれば…とも言いますね)が周りに影響を与えるという考え方を表しているという事に気付きました。恐らく、呪力もこの考え方から来ているのでしょう。この世界の呪力なんて、あり得ない事の様に感じますがそれは違います。想像や考えた事、口に出した事が自分の周りの環境や物事に影響し未来が変わっていく…それはまるで超能力、呪力の様だと思いました。"想像力こそがすべてを変える"これは、未来への希望の言葉なのかもしれません。
偽りの神に抗え。このキャッチコピー、カッコよくて一文で新世界よりの内容を説明してますよね…スタッフGJ

③亜獣譚


最後は、漫画家 江野スミさんによる"亜獣譚"です。人を獣に変える害獣病が蔓延した社会で、害獣病にかかり害獣化したモノ達を駆除する害獣駆除兵アキミア・ツキヒコと衛生兵ホシ・ソウが出会い…

感想

凄く愛を感じられる作品だと思います。
ソウさんが人に優しくする理由が"自分は持っている人間だから、持たない相手に優しくする。自分が持っていると自覚していないと他人に優しくできないから"という事(人を愛す前に自分を愛すのが先決って事でしょうか?)なのですが、ここまでキッパリ言い切ると、何だかこの優しさって凄く傲慢で尊大だと思いました笑笑でも、それ以上に凄く優しく無償の愛というか…損得勘定抜きの優しさだと思うんです。なんと言いますか。相手に優しくする事での自己満足感やそうする事が常識だからという感じが無いんです。何だかこの優しさはある意味相手を使っている感じがしてあまり好きになれません(人の優しさにこう思って少し悲しくなります。多少なりともこう感じる人が多いのではないか、と思う私は捻くれていますね。だからこそ、私は純粋な優しさを保ちたいです)ですが、それが人間らしさ人間のあるべき弱さだとも感じて、難しく思います。私はこのソウさんの優しさが凄く好きです。単純で純粋な優しさだと思います。このソウさんの優しさと愛に触れて、アキミアの昔犯した罪の意識"自分は幸せになってはいけない"が薄れていきます。というか、自分は幸せになってはいけない…罪を感じ続けなくては…と言いながら、最も優しいソウさんを自分から離れられない様にするとか、矛盾が過ぎます!羨ましい!!私もソウさんと仲良くしたい!!まぁそんな人間味のあるアキミアやその他、濃い面々が連ねた漫画となっています。また、なぜ人は人を殺してはいけないのか、などの話も少し出てきたりして。だからこそ愛を感じられると言いますか。残虐性の中の美しさや神秘性?があると思います(そういうの好き)
マンガワンというアプリで読めるので、ぜひおすすめです。

どうでしたでしょうか?ぜひ見てみてください。
実は10選にしようと思ったのですが、収集がつかないのと私の趣味に寄りすぎてるなぁと思って面白くテーマ性も深いと思ったこの3選に絞りました。
今度は、新世界よりに出てきたユング心理学についても書きたいですね…
ではでは、また次の機会に。お読みいただいてありがとうございます。


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