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スケールモデル新旧の課題の話

前回の記事にも書きましたが、プラモデル(特にスケールモデル)は、新旧のキットが並列に売られているなかなかカオスな商材です。


裾野を広げるには良くないのでは?

模型市場の裾野を広げたいって思うのならば、これはちょっと良くないよなってずっと思っています。

初心者がふと思いついてプラモデルを買ってみる。
古いキットはちょっと安かったりするので手に取りやすい。
知らないで買ったらそれが50年前の年季の入ったキットだった。
パーツの精度も甘く作りづらいし、出来も悪い。説明書も不親切。

ってなったら

「スケールモデルってイマイチだな…」

って感想になりませんか?

また、驚異的な進化をしているガンプラと比較されちゃうこともあるでしょう。
わりと保守的な業界ではありますが、そうはいっても設計や金型の精度など、50年前とは格段に違うわけです。
それなのに、最新のキットと50年前のキットが同じ棚に普通に並んでいます。

説明書の解説や塗装指示なども、ネットなどで情報の入手手段が増えていろいろアップデートされている時代ですが、そのまま改訂もされていなかったりします。
何の予備知識もなければ、50年前の情報を今のものと受け取ってしまうわけです。


新しければよいというわけでもない

と言ってもこれがさらに混乱する点ではあるのですが、初心者目線で言うと新しければ何でもいいってわけでもないところがミソです。
設計や金型と精度が良くなった分、パーツの解像度が上がって細かくなりパーツが増えたり、より精密さを求めて加工の難しい金属パーツを使うようになったりということがあります。
当然現在の物価水準で新規開発のコストが乗る分、製品の価格も高くなります。


メーカーも努力しようよ

メーカーさんもプラモの裾野を広げるのに手を抜いてるとは申しません。いろいろやってると思います。
ただ、「売れてるんなら別にそのままでいいでしょ」って言う考えが一部メーカーにもあるらしいのですよね。(※あくまで伝聞ですが)

とはいえ、金型を作り直してリニューアル新製品を作るとなると相当のコストがかかるのも理解できます。
古いままでも収益が上がっているのならそのまま作った方が得だというのは、商売・経営としてみたらよくわかる話です。

ガンプラ(バンダイ)とは市場規模がそれこそ桁違いですし、中小メーカーでは体力的に無理って問題もあると思います。

でもせめて説明書の訂正や解説・塗装図のアップデートくらいはしてもいいんじゃないの?って常々思います。
改訂版として紙1枚を追加するだけでもだいぶ違うと思うのです。


判別できるようにしてはどう?

前回も述べたように古いキットなりの存在意義があるものもあります。なので一概に排除するのもよろしくはないですね。

ある程度古いキットや、リニューアル版と旧版を併売しているような場合は何か判別できる表記をするのが良いのではないかと思います。

エアフィックス(Airfix)というイギリスの模型メーカーがあります。
ここは1960~70年代くらいの古いキットに「VINTAGE CLASSICS」と表記して販売しています。よく見ないとわかりにくい表記ではありますが、このキットは古いよ!という目安はつけてくれています。


国内でもアオシマは一部古いキットの再販時に「古いので上級者向けです」の趣旨の注意書きを追加しているようです。
こういった取り組みはとても評価できますね!

一番いいのは初版が発売された年を「since 1975」みたいにでっかく箱に書いてもらうことですが、商売の都合で考えたらわざわざ「古臭いです」ってアピールをするわけですからメーカーは嫌でしょうね。

自分から能動的に見に行かないといけませんが、一応タミヤのウェブカタログでは一部のキットに【 初回発売月 】を表記していてくれていたりはします。


現状の最善策は

初心者がちょうどいいキットを購入するのなら、SNS等などで「xxxを作りたいんだけどオススメは?」って聞くのが一番かもしれません。

スキルも併せて書くと的確に教えてもらえると思います。
・プラモに全く触ったことがない
・HGくらいのガンプラは作ったことがある
・戦車は作ってるけど飛行機は初めて
.etc

モデラーは教えたがりが多いので答えはすぐもらえると思います。

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