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フランス ニース 紺碧海岸

モン・サン・ミッシェルに続き、フランス編。

私の友達の一人は、とても詳細に旅行を計画する人だ。
そんな彼女から『ホテルも各地への行き方も全部調べたから、Ditoと一緒にニースに行きたいの』と誘われた。
大好きな友達の誘いなら、どこにでも行く。
私は迷う事なく、友達と一緒にニースへ旅立った。

珍しく、あまり下調べをしないまま出かけたので、その街の美しさに驚いてしまった。

ニース。
ここは、コート・ダジュール Côte d'Azur 紺碧海岸と呼ばれている。

プロムナード・デ・ザングレ Promenade des Anglais

イギリス人の遊歩道という意味だそうだ。
長い弓のように湾曲した海岸のうち、中央部分の海岸。
ホテルは友達が予約してくれていたが、このプロムナード・デ・ザングレが目の前の場所だった。

砂浜ではなく、小石が敷き詰められている海岸で、裸足になると健康マットの上を歩いているようで痛かった。
痛い、痛いと騒ぎながらも、これで健康になれるかしら?と冗談を言いながら、私達は波打ち際で水遊びを楽しんだ。
別の場所には、プライベートビーチもあるそうだ。

アルベール1世公園

ホテルから散歩をし、アルベール1世公園へ。
アルベール1世はベルギー国王なので、何故この名前が付いているのかと疑問だった。
なんと、ニース市民がアルベール1世を称えて命名したものなのだそうだ。
第一次世界大戦開戦時、ベルギーを守ろうとした勇敢な行いがニース市民の心を打ったそうだ。

こちらの湾曲したオブジェは、ベルナール・ブレの作品。

噴水や緑に囲まれた公園は、ニースで一番古いものの一つだそうだ。
水のある風景は、ひときわ美しい。

城跡  Le Château

アルベール1世公園から移動し、街小高い丘の上にある城跡まで足を伸ばす。

ここからは、美しい海岸線が一望できる。
先程まで私達がいたのはどこかな?と、ホテルの場所を探してみる。
美しい景色が、パノラマのように広がっている。
間違いなく、ここがニースで一番美しい場所だ。

ニース港

ただ写真を撮るだけで絵葉書になりそうな、港の様子。
中型のヨットや船が、綺麗に並んで停泊している。

エズ植物園 Jardin botanique d’Èze

滞在中の一日を使い、エズという村にある植物園を訪れた。

大きなサボテンと、その後ろの絶景が見事だ。

ここは高台にあり、海岸線とその奥にはサン=ジャン=カップ=フェラ半島も見える。

街の中の、小さな路地まで絵葉書のよう。

海側だけでなく、山側の街も緑がとても綺麗だった。

旅の計画が好きな私の友達。
飛行機の中では、ニースに着いたらあれをしよう、これをしようと、楽しそうに私にプレゼンをしてくれていた。
しかし着いてからは、あまりの海の美しさに、何もしない事が一番の贅沢だと言い始めた。
思わずクスっと笑ってしまったけれど、私もその意見に賛成した。

ニースに滞在中、私達は何もせず、ただ絶景や海を見て楽しむことが多かった。
暑すぎる日は、程良くクーラーの効いたホテルの部屋で、海を見ながら本を読んだりもした。
そして、何もしない贅沢を味わった。

時々、サレヤ広場の市場に出かけて、新鮮な野菜や果物や綺麗なお花に歓喜し、南仏らしいお土産を探した。
美味しい料理を食べに出かけ、海辺を散歩し熱い太陽を浴びた。
南仏の太陽は、ドイツのそれとは違い、強くて刺激のある光だ。
普段、太陽を恋しく思うことの多い私達は、これでもかというほど太陽を浴びた。

話は脱線するが、私はどちらかと言うと肌が白いせいか、小さな頃から、鼻の辺りの小さなソバカスが目立ちやすかった。
あの頃、テレビで見ていたアニメのキャンディ・キャンディ。
私は鏡でソバカスを見つける度に、キャンディと同じだ!と喜び、アニメの歌を気持ち良く歌っていたものだ。
♫ソバカスなんて、気にしないわ♫

私の頬には今、昔は無かった薄いシミが出てきている。
同じ年頃の友達は、レーザー治療をしたり、シミ取りクリームを使っていると言う。
この頬のシミの一部は、ニースでたくさん浴びた太陽が原因かもしれない。

こんな事を話したら、美容に力を入れている友達には怒られてしまいそうだが、この薄くボヤけた小さな模様は、私達の楽しい旅が作ってくれた思い出の一つのような気がして、むしろ嬉しくさえあるのだ。
大好きな友達を思い出しながら、そっとシミを撫でてみる。

こんな理由があり、ソバカスもシミも、私をマイナスの気持ちにする事は、まだ一度も成功していない。

あの日の私達は、将来こんな事を思い出すとは知らずに、太陽の下でたくさんアイスを食べた。
太陽を浴びながら食べるアイスは、なんと美味しいのだろう!
そして、二人でいつまでも、取り留めのない話をした。

私達が、その美しい景色に飽きることは、一度もなかった。

昔から貴族に愛されたというニース。
この場所に来て、この街が愛される理由が分かったような気がする。

コート・ダジュール 紺碧海岸 

紺と碧で表現されるこの海岸は、見る者の心を捉えて離さないのだ。

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