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[魔法同盟] 登場人物を総おさらい

はじめに

アプリゲーム「ハリー・ポッター:魔法同盟」では、プレイ方法の説明(チュートリアル)やストーリーの進行、訓練のフレーバーテキストなどに、ハリー・ポッターをはじめとする多くのキャラクターが登場します。この記事では、ゲームの登場人物にスポットを当て、彼らのバックグラウンドやストーリーにどう関わってきたかを紹介します。

機密保持法特別部隊

プレイヤーは機密保持法特別部隊(Statute of Secrecy Task Force)という組織のメンバーに志願するという形でゲームが始まります。

機密保持法特別部隊は、ゲーム内ストーリーの発端となる大災厄(The Calamity)に対応するためにイギリス魔法省(British Ministry of Magic)と国際魔法使い連盟(International Confederation of Wizards)の提携によってできた組織です。特別部隊の指揮は基本的にイギリス魔法省が執っています。

特別部隊は魔法大臣の特命を帯びた、部署横断的な性格を持った組織として登場します。したがって魔法大臣であるハーマイオニー・グレンジャーと、大臣の下級次官であるコンスタンス・ピッカーリングが頻繁に登場します。また、大災厄より前に起こった「消えたロンドンの5人(London Five)」事件との関連が強く疑われることから、事件を捜査していた闇祓いのトップであるハリー・ポッターも頻繁に登場することになります。

小説・映画に登場する人物

ハリーやハーマイオニー、そしてロン・ウィーズリーは『ハリー・ポッター』シリーズの言わずと知れた主人公トリオです。

(7作目『死の秘宝』で描かれた)ホグワーツの戦いの後、3人は魔法省に就職しますが、ハーマイオニーが魔法大臣に、ハリーが闇祓い局の局長に昇進したのに対して、ロンは数年で退職しています。

ハリー・ポッター(Harry Potter)
「消えたロンドンの5人」の捜査で成果を出せなかったことが、グリム・フォウリーが大災厄を引き起こすことにつながったと考えています。ハリーが特別部隊の前線に立つことで大災厄が彼に注目し、ハリーに関する活性化(≒光り輝くものイベント)が起こるようになります。

ハリーは大災厄についての研究を深め、大災厄に介入してメモを送ったり、自分の力で活性化を起こすことができるようになります。

一方で、ハリーの仇敵であった魔法使いたちがボス(Adversary)として出現するようになると、精神が不安定になって周囲に当たり散らすといった弱さも見せています。

また、グリムの才能を高く評価しており、彼のために失踪したペネロピ―を見つけようと捜査の継続を強く訴えていました。自分と同じく幼くして両親を失ったグリムに、ハリーが肩入れしていた面もあったのではないかと思います。

ハーマイオニー・グレンジャー(Hermione Granger)
ロンと結婚した後もグレンジャー姓を名乗っているハーマイオニーは、キングズリー・シャックルボルトの後任として魔法大臣に就任しています。持ち前の聡明さで大災厄のふるまいを究明したり、時には真実薬を使ってでも省内に潜む「許されざる者」の仲間を暴いたりします。

また、ハリーより後ではありますが、ハーマイオニーも大災厄に介入する術を身につけています。

ロン・ウィーズリー(Ron Weasley)
ロンはWWWの経営者という立場ですが、ハリーやハーマイオニーに協力するために特別部隊に出入りしています。またグリムの若い頃のことも知っているようです(ロンの魔法省在職時、グリムはまだ学生だったはずですが)。

ロンと妹のジニーは「許されざる者」に身柄を狙われ、ロンが拉致されてしまいます。

その後、ロンはハリーによって救出されたものの、記憶を失っていました。失った記憶は大災厄の活性化によって取り戻せることが分かり、徐々に回復が進んでいます。


この他に、光り輝くものイベントなどのストーリーにはミネルバ・マクゴナガルルビウス・ハグリッドの2人が登場しています。この2人は『賢者の石』から登場していて馴染み深いだけでなく、ゲーム内の職業(教授、魔法動物学者)を象徴する人物としても扱われています。

また、訓練のフレーバーテキストには、ジニー、ネビル、ルーナをはじめとした多くのキャラクターについての言及があります。

他のWB Games作品からの続投キャラクター

魔法同盟には、同じくWarner Bros. Gamesが手がけたゲームである『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの事件簿』(以下、ファンタビ事件簿と言います)のキャラクターも登場しています。

ファンタビ事件簿はHarry Potter Wikiの記事によると2016年11月にリリースされ、2020年1月にサービス終了したスマートフォン用ゲームです(筆者はリリース直後に短期間プレイしていました)。映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(1作目)の公開と同時期ということになりますが、ゲームの舞台は1920年代ではなく現代となっています。

ファンタビ事件簿は、魔法動物が起こす奇怪な事件をプレイヤーが解明していくという筋書きで、それを手助けしてくれる魔法使いたちがいました。彼らのうち何人かが、魔法同盟では主に「謎」のストーリーに登場しました。

マティルダ・グリンブルホーク(Mathilda Grimblehawk)
ファンタビ事件簿ではプレイヤーの相棒として活躍したマティルダは、魔法同盟でも変わらず魔法生物規制管理部に所属しています。

ゲッセマネ・プリックル(Gethsemane Prickle)
薬草学や魔法薬学に長けているゲッセマネは、魔法同盟では魔法生物規制管理部の部長となっています。省内の要職にあり、年長者でもあるということで(彼女の性格もあるでしょうが)ハリーたちに対して歯に衣着せぬ物言いをする場面が度々あります。

セージ・ブラグナム(Sage Bragnam)
ファンタビ事件簿では歴史学者として、魔法同盟では魔法製品部の主任学芸員として登場します。そのため、大災厄のもとになったと思われる「古の呪文」のくだりで何度か登場します。

※魔法製品部(Department of Magical Artefacts)という部署は、『不死鳥の騎士団』で言及される魔法省の7つの部には入っていません。他の部とは規模が異なるように思われます。またセージが所属していることを考えると、「製品」から得られるニュアンスとは異なり、歴史的な物品や骨董を扱っているようです。

マイラ・キュリオ(Myra Curio)
ファンタビ事件簿では魔法事故惨事部のマグル連絡室に勤務していましたが、魔法同盟では魔法法執行部のマグル製品不正使用取締局に異動しています。かつてはアーサー・ウィーズリーがいた部署ですので、マイラは彼の後任ということかもしれません。

なお、訓練のフレーバーテキストに出てくるケルベロス・ランガーム(Cerberus Langarm)もファンタビ事件簿からの続投キャラクターです。

彼らのようなキャラクターが魔法同盟に登場することは、ゲームによって描かれる物語がつながっていて、魔法ワールドを拡張していることを感じさせるものでした。彼らが魔法同盟においてどんな活躍を見せるのかが楽しみでしたが、今となってみれば「客演」に過ぎなかったと言えるでしょう。

そう、物語の核心はオリジナル・キャラクターが握っていたのです。

魔法同盟のオリジナル・キャラクター

グリム・フォウリー(Grim Fawley)
ハリーたちの5学年下に当たり、ホグワーツ寮はハッフルパフでした。彼が2年生のときにホグワーツの戦いが起き、そこで両親を亡くしています。NEWT試験でも優秀な成績を収めたグリムは魔法省へ就職。闇祓い局の調査助手として働き、そこでペネロピーと出会い、結婚。その後上司たちのお墨付きを得て神秘部へ異動しました。

しかし「消えたロンドンの5人」でペネロピーが失踪し、神秘部内の「愛の間」に入り浸るようになったり(同僚のレジーナ・ロウルに目撃されています)、海外の古い呪文の本を手に入れようとしたりします。そして彼は姿を消し、大災厄が始まりました。

愛する妻を助けるためとはいえ、グリムが非凡な才能を持っていたからこそ、大災厄が引き起こされたのだというのが妥当な見方でしょう。大災厄が始まってからは、ファウンダブルにメモを添えてハリーたちに連絡を寄越し、なお「ペネロピ―を助けてほしい」と要求しています。

ペネロピー・フォウリー(Penelope Fawley)
グリムの妻で、旧姓はパジェット(Padget)。スリザリン出身で、彼女の親はヴォルデモートの支持者だったそうです。魔法省で闇祓いとして働いていて、グリムと結婚して2人の子どもをもうけました。

しかし、「消えたロンドンの5人」事件が起こり、ペネロピーは失踪してしまい今も行方が分かりません。なお、残る4人は闇祓いのリヤ・パテル、日刊予言者新聞の記者キット・ジェラルド(後に一時的に救出されるが記憶を失っていた)、魔法省の記録担当官ティモシー・ヘイル、魔法製品部の責任者ジェネヴィーヴ・ブラットです。

コンスタンス・ピッカーリング(Constance Pickering)
魔法大臣の下級次官(Junior Undersecretary)という役職(かつてパーシー・ウィーズリーがファッジ大臣の下級次官だったことがありました)に就いていて、特別部隊の指揮を執っています。おそらく日本の官僚組織で言うところの「対策本部の事務局長」みたいなポジションでしょう。その立場から、ゲーム内の要素についてプレイヤーに助言する場面が多くあります。

コンスタンスの年齢は不明ですが、ハリーたちより10歳ほど若いようです(30歳くらい)。家族構成についてもある程度分かっており、祖父のマティアス・ピッカーリング(Matthias Pickering)の名前が出ているほか、弟がスクイブであることも語られています。また恋人のルーカス・スパローヴェイル(Lucas Sparrowvale)も特別部隊のために働いています。

コンスタンスはハッフルパフ出身で、ホグワーツでは監督生も務めていました。ハリーやハーマイオニーを非常に尊敬している一方、ストーリー終盤では隠されていた一面が明らかになります。

※下記『光り輝くもの:三大魔法学校対抗試合の秘密 第1部』におけるコンスタンスの台詞には、彼女の思想につながる伏線と思われる箇所がありました。

ギャレス・グリーングラス(Gareth Greengrass)
魔法省、神秘部の上級無言者(Senior Unspeakable)。おそらく神秘部のトップか、それに近い役職です。グリムの上司に当たります。

グリーングラス家は「聖28一族」にも数えられている純血の家系で、明言されてはいないもののギャレスはスリザリン出身である可能性が高いです。妻のアクィラ(Aquila)は既に亡くなっていて、一人娘のセレウス(Cereus)は血の呪い(blood malediction)という病に侵されています。

(余談ですが、同じくグリーングラス家出身でドラコ・マルフォイと結婚したアストリアも血の呪いにより若くして亡くなっています。血の呪いはグリーングラス家に濃い影を落としているようです。なおcereusはラテン語で蝋燭の意味だそうです。そしてSiriusと発音がかなり近いです(イの音が少し違うだけ))

省内に「許されざる者(The Unforgivable)」の内通者がいることを疑うハーマイオニーは真実薬を使って同僚たちに聞き込みを行い、ついにギャレスが「許されざる者」のメンバーそのものであることを自白します。

ギャレスは拘留されてから無実を主張しますが、脱走を試みて捕まり、ロンの拉致に加担したことなどを認めます。一方で「許されざる者」については話そうとしませんでしたが、「セレウスの治療に尽力する代わりに知っていることを伝える」という「破れぬ誓い」をハリーとの間で交わします。そして、「許されざる者」のことを記した手紙をハリーに託すと、「『許されざる者』について他言しない」という誓いを破った代償として命を落とします。

ギャレスはスリザリン的な特徴を備えた、いかにも怪しい人物として描かれていましたが、愛娘を救いたいという動機のもとで悪事に手を染め、最後はハリーに希望を託して死を選ぶという、ハリウッド映画の悪役によくある末路を迎えました。

エドワード・スコット(Edward Scot)
魔法省、国際魔法協力部の首席連絡担当大臣(Lead Liaison Minister)であり、諸外国の魔法省と連携するときの窓口になっていました。

しかし実際には、ギャレスがケンジントン・ミルボトム(Kensington Millbottom)というマグルの外見を使って変身していたことが、ギャレスの拘留後に判明します。

フラビウス・フリント(Flavius Flint)
「許されざる者」のメンバーで、情報提供することを条件に魔法省の保護下に入りました。しかし、ロンの身柄を引き渡すことの交換条件として指名され、ハーマイオニーたちがフラビウスに変身するという替え玉作戦もむなしく、「許されざる者」に拉致されてしまいます。

フラビウスの人物設定はあまり明らかになっていませんが、フリント姓であることからスリザリン出身の可能性が高いです(マーカス・フリントの親戚でしょう)。


おわりに

この記事を書いている時点ではストーリー(光り輝くものイベント、ボスイベント)の最終盤がまだ残されていますが、魔法同盟のストーリーの全貌、つまり大災厄が起きた経緯がだいたい明らかになりました(ごく最近に明らかになったことに関してはあえて書いていませんが……)。

「許されざる者」という組織があり、「最も強く望むものを見つけ出す古の呪文」を求めていました。「消えたロンドンの5人」の事件が起きた理由は明らかでないものの、探究の邪魔になったために拉致したのではないでしょうか。同時にグリムの優秀さに目を付け、古の呪文を使うことに成功させ、それが大災厄となったのです。

今後のストーリーでは、ロンの記憶が完全に回復することが予想できるほか、ペネロピー・フォウリーが救出されるでしょう。そのうえで、大災厄は終結を迎えるのか、所在が不明のグリムはどうなるのか……といった点がポイントになってきそうです。

魔法同盟を楽しめるのものあとわずかの期間ですが、ゲームを彩るキャラクターとストーリーにもしっかり注目していきましょう。

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