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#テレビドラマ感想文 春になったら 1話

今期完走予想本命にした「春になったら」がようやく始まりました!

期待以上のドラマの予感
絶妙に泣き笑いを表現する、脚本と映像が特に良いです

元旦から働くということ

主役の瞳は助産師で、父とおせちを食べながら、3ヶ月後の告白をした後、
普段どおり仕事にゆく

お産は盆暮正月関係なく、予定どおりやってくるし、さらにコストの問題で助産師を選択する夫婦は何らかの理由で親の援助もなく二人で出産に臨む
助産師は相当な責任感と寄り添うきもちと、ある意味家族関係なく個人化した平和さがなければ、勤めきれない仕事だろう

さらに、瞳が相談するおばさんは、スーパーの特売の初売りデコレーションを、元旦の夜に設営している

その特売設営されたスーパーで、父は1/2から実演販売
ちなみに、許されない婚約者も正月から獅子舞バイト

毎日大変だが、何もない平和なお正月を冒頭に持ってくるあたりは、
身近な事を共感させるシナリオ

家族は独立して緩やかに繋がりながら日々生きている、それはこのドラマを観ている私も含めた視聴者も同じ

ただ、時間軸の変化で、3ヶ月後には二度と戻ってこない平和かもしない
おせちの値段で掛け合いした親子のシーンとともに、心理的なスリラーにも近い不安感を底におきながら、
一気に3ヶ月の物語がはじまる

生きるとか死ぬとか

とにかくセリフのセンテンスが印象的
実際、私が経験した言葉がそのまま使われており、驚くほどの既視感

「来年の桜が見れるかどうか」
13年前、父が亡くなる前に主治医の先生から聞いた言葉だった
毎日一緒にいた母は隣で泣き、
たまにしか会わない私はうまく反応できないでいた
亡き父本人が聞けば、どうだっただろう

「自分の死に方ぐらい、自分で決める」
というノリ父の言葉は、つい先日予行演習的に私も使った言葉だ
「残される人の気持ちにもなって」
と、かえってきたところも同じ
ノリ父の微妙に歪む表情がすばらしい

家族のために生きた還暦あたりの男が
やってくる死の時を前に、子離れ、嫁離れするためにシミュレーション的に考えた先に行き着いたことば
死ぬのは怖いが騒いでもどうにもならないし、そうありたい的なダンディズム
実際、余命宣告されてどこまで冷静でいられるかはわからないが、反応を決めておくことは重要だ
ノリ父はどこまで決めていたのだろうか?

シナリオとマッチした絵作り

ドラマを見始めると結末を予想しにかかるのは悪い癖だが、この作品は毎回そのまま楽しみたい
そう思わせてくれるほど映像がよい

親子が会話するダイニングテーブル
光量の低いオレンジ色がかった独特の色味と陰影は、どこか寒い日の朝焼けのようだし、
瞳が通勤途中、鳥居でお辞儀
おだやかな朝の風に揺れる髪はぽかぽかと暖かい
テレ東「かしましめし」「きのうなに食べた2」で包み込むような優しい映像を作った松本監督のセンスだろう

趣味の写真、笑えないお笑い芸人、婚約者の連れ子(ファーストペンギンの息子!)
などなど
全て回収し切れるのか?ぐらいにネタが散りばめてある第1話

大切な3ヶ月、拝見させていただきます

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