#テレビドラマ感想文 アンナチュラる 塚原節はテンポよくエモく
「下剋上球児」の影響で塚原作品が見たくなり
手近のアマプラで「アンナチュラル」を視聴
何周かしているが、こちらも計算された佳作
変幻自在の野木脚本
UDIという自由で自活の不思議な検死機関で法医学者として事件を解決するミステリーということになっているが、
野木亜紀子脚本で変幻自在なドラマ
多少のやりすぎもドラマとして成立させてしまうところがスキ
毎回おこる検死対象の事件は表面上のミステリーで、全編通して主要キャラクターに悩みにも似た思考のミステリアスな側面があり、多層的に描かれる脚本だ
ホームコメディ的なモチーフの法医学モノとしては、女性の群像劇で「きらきらひかる」があるが、
検死のために、巨大な肉を刺す、海水をクレンザー?で分解する
変な実験まで入れてシリアスにしすぎず、実験室コメディ的にストーリーをつくる、さすがの野木脚本
テンポよくエモい塚原節
映像的には柔らかくロケも多い
白黒のトメ絵を入れるなど、早いカット割に、切れ味よく専門用語の補足を入れていく編集が特徴的でテンポが良い
セリフに合わせたBGM、ラストテーマ曲の重ね方も上手い
映像、音、演出で、経験したことがないがどこかノスタルジックな風合いを出すのが塚原節だ
石原さとみの加点能力
今のところ、この作品が石原さとみのピークだろう
シン・ゴジラで優秀?奇天烈?な制作陣と組み、
演技やパーソナリティを委ねきることで
ラブコメ主演を脱して、
「悩み考えつつも前へ進む力強い女性」のキャラクターを手に入れた
残念ながらその期間は短く、このアンナチュラルがピークで
半年後高嶺の花で一気に失速
そのままコロナ、結婚、出産でお休み中
同年代の長澤まさみがどんな作品でも自力でカラーを作ってしまうのとは逆
80点のドラマを90点ぐらいまで引き上げる加点能力が異常に高く、
濃いキャラクターの群像劇でこそ活きる
有能な制作側からすれば、絵にしやすい素材だろう
組む制作陣、作品の完成度によって、
デキにブレが出てしまうところはギャンブル的で彼女らしく、視聴者として毎回興味が湧くところだが、
息の長い役者になるためにも、
山田洋次-男はつらいよ-倍賞千恵子的に
組むべき制作陣をある程度固め、
変わらないキャラクター像で作品を選ぶほうが良さそうだがどうだろう?
そんな意味で、数年後石原さとみの復帰作として、アンナチュラルの続編が制作されれば素晴らしい
韓国版とクロスオーバーさせるスペシャルとかどうでしょう?
amazonは韓国にないから、厳しいかな?
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