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地方の企業は疲弊してる?求人倍率から見る人材不足

最近、考えているのは地域メディアに求人記事を入れ込んだらどんな化学反応を起こすのかである。予備知識として知っててほしいのだけれども、地方の求人倍率はここ数年高止まり状態が続いていて、全国平均の統計データを見ると軒並み1倍以上。一人1件は職につける計算だが、完全失業率は2.38%。完全失業率は労働人口から計算した数値なので求職中の人口からの比率のため実数はこれよりももう少し多い。求人倍率がこれだけの高水準、アベノミクスのおかげで上がってるのかと思われている方も多いかもしれないが、実はもっと複雑な事情が地方にはあるのだ。それは完全失業率をみてみるとわかる計算値になる。

今日は実際地方の企業をみてきた筆者の体験談を交えたお話。人を雇いたい人と雇われて働きたい人のギャップから実際にみてきたことを交えてお伝えしたい。

地方の企業は疲弊してる?

地方の企業はハッキリ言って疲弊している。技術立国だとか、ものづくり大国だとか言われているが、実のところは疑問である。
なぜなら、中国は今や自国で生産し消費できるだけの経済力を持ち、東南アジア諸国は日本の所得の1/3ほどになった。中国のGDPがウソだとか、統計データを操作してるとかマスコミは垂れ流しているが、中国・深センやタイ、ベトナムに行ってみると日本にはない活気にあふれている。

では日本はどうなのか?
地方の中小企業はかなり疲弊していると感じている。明日の仕事を守ることで精一杯なのだ。
実情をみたり、実務から会社の様子を伺うことが多い筆者なのだが、ここ数年、中国や東南アジアと取引していない国内産業だけに頼っている中小企業は軒並み元気がない。

有効求人倍率の統計データからみても、ここまで上げ止まりしているのは何かしら可怪しいと思わないだろうか?軒並み高い数値が出ているということは「経験値が必要な職業」か「未経験でも所得が低い職業」のどちらかになる。
また、何ヶ月も求人を出しているが定職しないで雇った人の入れ替わりが激しいと、とある中小企業の経営者から声が出ている。

地方の企業で光る事業展開をされているところは実は稀。特に愛知、岐阜、三重のように自動車産業に頼っていたり、航空産業に頼ろうとしている地域は実のところ職人仕事であることが多く、多くの若者が毛嫌いする職種でもある。

筆者自身「職人気質」という気質は好きだ。しかし既存事業をただ守るだけの地方中小は体系や考え方を変えていかないと今後10年苦しい。
10年どころか来年のオリンピックが終わった瞬間に事業継続が困難になる。職人気質を会社の社風にしてしまうこと自体、若年の労働人口には伝わらないのだ。

アベノミクスは誰を幸せにしたのか?

アベノミクスは成功している!と称賛しているが、実のところ成功しているのは一部の大企業だ。
新しい事業展開が出来るだけの体力のある企業がアベノミクスを勝ち残ったと言っていい。
つまりは実態のない好景気なので、庶民の中には生活が良くなった実感はわかない。

08年、09年のリーマンショック、11年の東日本大震災を経て日本の産業形態はガラリと変わらなければならなかった。
リスクを分散して、利益を最大限に上げることを考えて攻め続けないと立ち行かない経済に変わったのだ。

企業でいいモノを安く作り給料をもらって安定する時代は終わり、今はどこの誰から買うのか?が重要視される時代になったのだ。
アベノミクスは悪いことではなく、実はリーマンショック前より個人の活躍できる世の中が広がったのだ。このことは経団連の会長やトヨタ自動車社長の言葉からもわかるように、終身雇用の時代が終焉した事とリンクする。企業のトップが個人の雇用まで保証できませんと言い切った。

アベノミクスは単純に競争原理が働く社会で、競争に負けるようなら取り残される仕組み。株式会社だろうが個人経営者だろうが日本に住んでいる以上その仕組に嫌でも乗っかっているのである。
つまり、現状維持でこの先、生き残れるようなお人好しな世の中ではない。

求人倍率が軒並み上昇しているのはこの競争原理が働いているためだと推察される。
実際に職業安定所へ行くとわかるのだが、職業を選り好みしなければ誰でも職につける、がそれが生活を豊かにされる保証はどこにもない。
庶民すらアベノミクスの仕組みの上に成り立っていると言っても過言ではないのだ。

今後働く人をどう確保するのか?

職人を育てたい企業は職人になりたいと思う人を探さなければいけない。が、公共の安定所ではその様な人材は残念ながら少ない。
なぜ少ないかはそこが無料で誰でも求めることが出来るからだ。悪いことではないが、タダほど高い買い物はない。
人を雇う事を買い物と比較してはいけないが、タダで利用できる公共施設は荒れていることが多い。

最近ではリクルートを代表とする転職エージェントを利用する手段もある。職業安定所以外で転職といえばエージェントに任せて理想(と思われる)企業とマッチングしてもらい、転職する人も増えている。
そのためかWebメディアの広告に転職サイトの登録を促すバナーをよく見かける。

転職サイトも高収入案件なら信用できるが、未経験高収入を謳うサイトやとにかく登録を促すサイトはどうにも信用できない。
すなわち人を確保して、本人の意思を確認した上で転職先を斡旋しているに過ぎない。その目的はエージェント自身の収入に他ならない。親身になって相談を受けるのは彼や彼女の仕事だからだ。(悪い意味ではない)

では、地方の企業が光り輝くような人材をどう集めるのか?
これは課題というか経営者が仕組みを作らないと奇跡に近い。雇うとは何ヶ月か働いてもらって、その仕事が好きになってくれないとなかなか続かない。
先に職人気質の話をしたが、職人とは続けることこそ才能で、20年、30年その仕事を続けた者が得られる称号みたいなものだ。

しかしながら表面のほんと上っ面をすくって「ものづくり大国」だの「日本製は世界最高峰」と勘違いしている政府がいる。
国の仕組みを作る側がその程度なので国内で頑張ろうにも体力的にも財政的にも疲弊する。
東京の墨田区や江戸川区など、町工場が多く残る地域ですら人不足の状況なのだ。しかも雇っても続かないというジレンマを抱えている。

もし、ものづくりを標榜して人材を確保するなら、その企業は職安やエージェントに頼ることなく、企業の魅力を伝える人を探し求めることからスタートではないだろうか?
人を確保することに注力するのではなく自社の魅力を磨いて、それを伝わるように発信する事が地方の中小企業がこの先100年続く秘訣に思える。

実験的ではあるが、実際に愛知の企業さんから求人の記事を書いてくれと依頼があった。どんな仕事をするのか?とか、職種、条件などのありきたりな話ではなくて、その会社の魅力を見聞きして記事にしてみたい。経営者の人柄も、その仕事の社会的意義もすべての魅力をとにかく詰め込んでみたらどんな人が興味を持ってくれるのか?今から楽しみだ。

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岩田 武

サラリーマン在職中に難関資格である中小企業診断士の資格を取得。2017年よりフリーランスに転身、2018年、クリエイターの力で地区、地域の問題解決を図る団体「Creators re:Public」を設立。フリーライターとして活躍する傍ら、経営者向けの勉強会を運営中!
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