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人口3,000人の街でビジネスする

あけましておめでとうございます。新年から金の話です、すみません。

数年前より日本人鍼灸師に対して豪華客船での仕事セミナー講師をやらせてもらっています。

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幸いなことに多くの方に今までお話する機会を得ました。ただ残念な事に乗船後多くの鍼灸師から

“先生やっぱりだめです。全然ゲストが買ってくれません。”

“ほんとに仕事が暇すぎて船を今下船しようかと考えています。”

等のメールをいただくようになりました。


これはまず大前提として自分の力が至らなかった事を反省すると共に、逆にセミナーでは避けていた心理的な内容をもっと切り込んで深く話さなくてはいけないのではと筆をとりました。

以下に記す内容は基本的に悩める乗船中の鍼灸師の方々に対して、個人で返していた内容をまとめたものです。

僕の数少ないモチベーションは効率化というものに捧げられるため、今後そういった類の相談をされた時に、このnoteを紹介するという手順でいこうと思っています。

僕も最初から船で月商300万円という額を1人でコンスタントにあげれた訳ではありません。多くの挫折や実践を繰り返しながら今のやり方、考え方、哲学に落ち着きました。

もちろん話し方や、所作など売るためには技術的なものも必要ですが一番大事なのは

自分が自信を持って勧めたものにゲストが価値があると思えば買う。

というシンプルな法則です

そのために我々日本人が取り払うべき障壁は2つあると思っています。



人口3,000人の街でビジネスする。


1、 値段に対する抵抗感を捨てる

 豪華客船の鍼治療代、チップ込み約2万円というのは決して安い金額では無いと思います。

2万円あれば美味しい焼肉を彼女に奢る事が出来ます。2万円あればそこそこの服が買えます。2万円あればハーゲンダッツを67個買う事が出来ます。

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(2万円あれば何ができますか?)


しかし高いという認識を捨てる事がまず大事です。

人にとってお金の価値などみんな違います。

年収2,000万ある人にとっての1万円は、その5分の1の平均年収にあたる年収400万の人の2,000円にしか相当しません。

船の鍼治療代、2万円という価格は4,000円くらいになるので彼らにとってそんなに高くないです。


また価値というものは環境によっても変化します。砂漠でのどが渇いて死にそうな時の水と、10万円。どっちかしか選べない状況ならほとんどの人は水を選択すると思います。

水は普段の生活ではタダで手に入るものであるのにも関わらずです。


豪華客船の中はさながら小さな街です。

その人口3,000人の街の中には病院があり、ブティックがあり、レストランがあり、映画館があります。

そしてあなたはその街で今鍼灸院(Acupuncture Clinic)を開業しています。その街でたった一つしかない鍼灸院です。

病院に行ったけど痛み止めを処方されるだけで治らなかった人、前の街から痛みを抱えてやってきた人。そんな人たちにとってあなたは砂漠で見つけた水のようなものです。


砂漠の水売りとなってください。


あなたは今豪華客船に立ち、1人しかいない鍼灸師としてそのポジションを得ています。

もっと自信を持ってください。もっと水を売ってください。もっとのどが渇いてる人がいないか探して下さい。そして助けてあげてください。

なぜならほとんどのゲストはその街を観光で訪れていて、あなたの鍼灸院のドアを叩くチャンスはないのですから。



2、 自分の技術、接遇を高める

 先程水を売るという例えを出しましたが、のどが渇いている人を見つけたとはいえ泥水を売っても良い事にはなりません。

自分の治療技術や接遇に価値があり、他の街(陸)の鍼灸師と比較して優れたものを提供できるという自負がない限り、ゲストは豪華客船での貴重な時間を割いてまで自分に会いにきてはくれません。

例えばあなたがIPhoneの新型を10万円で買って、それを2万円で友達や誰かに売ろうとする時、しんどさを感じるでしょうか?

きっとこんなに良いものを2万円で買えるなんてとってもお得ですよ。

という心の底からの想いがあなたの表情を変え、あなたの言葉を変え、その“想い”はきっとゲストに伝わるはずです。

もしあなたがゲストを得るのに苦労しているというのなら残念ながらそういった“想い”に欠けている可能性が高いです。


自分の技術には絶対自信がある!でもゲストが取れないんですよ!“

こういった声も聞きます。

そういった場合はあなたのプレゼン技術、外見を磨きましょう。

少し前に伝え方が9割という本が流行りましたがゲストのメリットを専門用語など使わずにわかりやすく伝えましょう。

定価10万円のIPhoneを2万円で売れなかった場合の責任はあなたのプレゼン方法にあります。

IPhoneのインターフェイスがどれだけ他より優れていて使いやすいか、ジョブスがどういった想いでその製品を作ったのかそういった事を自分の言葉でプレゼンしましょう。


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服装に関しては減点方式です。

高いモノを身に着けているだけで凄いカリスマ性を誇示できプラス評価になりえるのは、手っ取り早くお金が稼げる類の自己啓発系のセミナーの講師くらいです。

ほとんどの人は減点方式で外見をチエックしています。

安物を身に着ていたり、ラフな格好でいると一部の人たちからは減点をくらう事があります。

ジャージよりはカジュアル着、カジュアルよりシャツ、シャツよりはスーツのような感じです。

豪華客船のような世界なら尚更ちゃんとしていた方が良いです。


最後に

それでも最後には“想い”というものが一番大事だということを、もう一度言わせてください。

僕が豪華客船で働き始めた時、救えるはずだったゲストを自分の英語力が足りなかった為、救えませんでした。

その悔しい想いが自分の英語力を向上させました。

自分は自分という人格と最も多くの時間を費やすため、自分を騙す事は多くのリスクが伴います。

自分の想いを騙してゲストに買わせる事も多少技術があれば出来るでしょう。

しかし自分を騙すという行為は想像以上に、無自覚な深いキズを自分自身に残します。

あーこの治療は陸だったら5,000円くらいなのになー

とか

こんなに頻繁に治療しても意味ないよー

という気持ちが1ミリでも自分の中に存在する場合、おそらく船でビジネスを成功させる事は難しいでしょう。

ゲストもそれを見極めれないほどバカではありません。

自分の中で論理的にも技術的にも完全に“1治療2万円”という価格が腑に落ちた時、あなたは船という名の、人口3,000人の街でのビジネスに困る事は無いはずです。

では今日はこの辺でBon Voyage!

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