小里博栄

神戸生、ロンドン大学、オックスフォード大学院卒(修士課程) アーサー・アンダーセン(英…

小里博栄

神戸生、ロンドン大学、オックスフォード大学院卒(修士課程) アーサー・アンダーセン(英国)にて英税理士。ヴァージン・グループ、ダイソンのマーケティング職を経て、2006年9月19日(株)LA DITTAを創業。小里博栄

最近の記事

G20で女性のエンパワーメントムーブメントが注目

G20で「女性のエンパワーメントに関する首脳特別イベント」が注目を集めた。マキシマ王妃(オランダ王妃・国連特使)とイバンカ米大統領補佐官のリーダーシップのもと、大阪でのG20で女性のエンパワーメントが大きく進歩する期待感を感じた。 各世界で女性エンパワーメント活動に貢献する国連(UN Women)、OECD、IMFなどの団体がG20に集まり、G20と協力して今後活動して行く提言書が提供された。 これに先立って東京で3月に開催された「Women 20 (W20、目黒依子と吉

    • インドのキャッシュレス決済事情

      日本では増税を前にして、政府主導でキャッシュレス決済の大キャンペーンが始まっている。既にキャッシュレスが当たり前になっている国は多いため、日本にもやっと来たか、という感じだ。 最近中国へ出張で行くと「WeChatPay (ウィーチャットペイ)」が無いととても不便だ。WeChatは中国のコミュニケーションツールで日本でいえばLine。もうすでにこのキャッシュレスシステムは深く浸透していて、大きな店だけではなく、タクシーや屋台のような小さな店でも、生活全般でWeChatなどのキ

      • スリランカの高級レストラン「Ministry of Crab」

        ムンバイでにスリランカ発の高級レストラン「Ministry of Crab」が開店した。インドではムンバイが初めての出店。各地で飲食業を営むインド財閥Bharti Groupがパートナーとなりスタート。高級シーフードを提供する業態である。 このMinistry of Crabは世界のトップ50レストランにも選ばれているスリランカを代表する飲食店だ。 ムンバイの安心な地区にあり、店舗は荘厳な雰囲気が漂うアール・デコのバンガロー。 毎日、ミニから数キロ大まであらゆるサイズの

        • 「したつもり」と「謝る」事

          最近インドで過ごす時間が増えた。 ある日の朝、インドの東に位置するコルカタのショッピングモールにある珈琲店の前を歩いていた。開店の時間の頃、おしゃべりをしながら母と娘だろう、二人のサリーを着た女性がこの珈琲店に入ろうとした。手動のガラスのドアがあった。押すと内側に開くタイプのドアだ。右のドアを推して娘の方が中に入る。前後して左のドアから年配の女性が入ろうとした瞬間、彼女は頭を強くぶつけた。 左のドアはインドにしてはめずらしくとても綺麗に磨かれていて見えずらかった上、なぜか

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          G20大阪サミットが終わって早一ヶ月

          G20大阪サミットが終わって早一ヶ月。 すでに思い出になるが、当時の様子をもう少し。 初めての日本開催G20。大阪では、徹底した警備体制と交通規制の中、世界のリーダーや世界国際機関の代表など軽く3万人が大阪へ到着した。学校も商売も臨時休業となった。 メイン会場となった「インテックス大阪」には、世界41か国、約6000人の報道関係者が集結。センター中心の「共用ワークングスペース」の広いフロア一面には、記者たちが作業するための1200席が用意された。このスペースは期間中24

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          クリケット選手は32億円以上稼いでいるという

          2019年クリケット・ワールドカップの「インド・パキスタン戦」が無事終わった。勝ったのはインドだ。インドはワールドカップで過去パキスタンに負けたことがない。 今年のワールドカップは英国で開催。因縁のライバル、インド・パキスタン戦は、定住インド人が多く住むマンチェスターで行われた。そのためパキスタンにとってはアウェイの環境であった。 クリケットは英国発祥のジェントルマンのスポーツ。英国連邦コモンウェルスの国々を中心にラグビーやサッカーと共に絶大な人気を誇る。 クリケットの

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          インドはマンゴーの国

          アルフォンゾマンゴーをご存知だろうか。世界一美味しい「キング・オブ・マンゴー」とも言われる。 インドは世界で最もマンゴーを生産している国だ。インド人はマンゴーを愛している。インドのマンゴーの約9割はインド人富裕層が多く住む英国に輸出されると言う。 ベストシーズンはモンスーン前、1年で最も暑い時期。6月中旬に始まる雨季の数ヶ月前に数日間降る雨を「マンゴーレイン」と呼び、この雨でマンゴーは最高に熟する。そして雨季の始まりと共にマンゴーのシーズンは終わる。 収穫されたマンゴー

          インドはマンゴーの国

          G20サミット

          日本がG20サミットの議長国を務めるのは初めてである。今回で14回目、2008年から世界各地で開催されてきたこの会議、日本開催は初めてだ。 来る6月28と29日大阪で開催。G20メンバーとはG7(仏,米,英,独,日,伊,加,EU),とアルゼンチン,豪,ブラジル,中,印,インドネシア,メキシコ,韓,露,サウジアラビア,南ア,トルコ。他に招待国及び国際機関が一同に集まる。 G20首脳会議は大阪市住之江区の「インテックス大阪」を主会場に行われる。トランプ米大統領ら37の国・地域

          G20サミット

          1000億円のお賽銭が集まる寺

          インド南東部、アーンドラ・プラデーシュ州にある「ティルマラ・ヴェンカツワラ寺」には、毎年1000億円ものお賽銭やお布施が集まる。資産額ではインドで2番目に「リッチ」な寺と言われている。ちなみに、ずば抜けてナンバーワンの寺は「パドマナーバ・スワーミー寺院 (Padmanabhaswamy Temple)」といい、ケララ州にある。なんとその資産額は約2兆円。 ただしティルマラ・ヴェンカツワラ寺は、お賽銭の額ではヴァチカンに次いで世界2位だという。 そして、このティルマラ・ヴェン

          1000億円のお賽銭が集まる寺

          インドは暑い 50度を突破

          今インドにいる。暑い。ラジャスタン州チュルー(Churu, Rajasthan)では6月10日に50.6度。ニューデリーでもこの日、6月の過去最高気温48度を記録。インドは平年この時期が最も暑いのだが、とにかくこの気温は尋常ではない。大変な状況が続いている。深刻な水不足の影響で、町に人の影がない。井戸の水もなくなり、ある2000人の小さな町には十数人の病人のみが残っている状況だという。過去最悪の熱波だ。 私コルカタ移動するムンバイでも今年は平均温度より7度も高い40度を記録

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          会員制クラブオープンラッシュのインド

          インドでのソーシャルクラブのオープンが相次いでいる。その中から2つご紹介。 まず、デリー郊外グルガオンにオープンした独自系クラブの「The Quorum」、そしてムンバイにオープンしたばかりのロンドン発「Soho House」。 The Quorumはインド人オーナーがオープン。ここにはインドユニコーン企業OYOなどの経営層やクリエイターが多く集う。入居するビルには高級食材を販売する小売店「Food Hall」や世界的なIT企業SAMSUNGらがオフィスを構える。 また

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          グルメサイト「ZOMATO」

          評価額が10億ドル以上で未上場の企業を「ユニコーン企業」という。インドには今13社のユニコーン企業が存在し、その一つで急成長をとげているのが「ZOMATO」だ。 ZOMATOはインド発のグルメサイト。レストラン検索のほか、オンラインデリバリーサービス、サイト上でのメニューの提供や予約も行っている。 2008年にサービスを開始、インドでは2019年に200都市で展開中。登録された10万のレストランは、一ヶ月のみで約180,000代のバイクが3300万回の宅配を行ったという。

          グルメサイト「ZOMATO」

          ビスタラ航空 (Vistara Airlines) がインドでリード

          最近インドのビジネスマンは、国内出張でVistara Airlinesを選ぶ人が多いようだ。シンガポール航空とインド財閥大手タタ・グループとの合弁のデリーを本拠地とするエアラインだ。 先月最大手ジェット・エアウェイズ (Jet Airways) が経営難から運行を停止、また数年前にミニスカートで有名だったキング・フィッシャー (Kingfisher Airlines)もインドの空から姿を消した。そんな中Vistara Airlinesは健在な経営を続けており、最新機体も導入

          ビスタラ航空 (Vistara Airlines) がインドでリード

          富裕層のトレンド 南極大陸への旅

          「A2A Journeys- Your Journeys Of A Lifetime」は2002年に香港で開業された富裕層向けの旅行代理店。もともとアフリカのサファリツアーからスタートした。Victor Dizon氏とJose Cortes氏が創業メンバー。2013年にシンガポール事務所をオープンし、2014年から南米と南極大陸旅行をスタート。現在はマニラ、ニューヨークにもオフィスを構え、シンガポールには日本人のサファリ・コンサルタントも駐在している。 一泊平均500ドルの

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          インドで鍼灸治療とマッサージ 日本人女性二人のチャレンジ

          インドのビジネス都市、グルガオンにある「ありあけ堂 鍼灸治療院 (Ariake-do Acupuncture Clinic)」は、日本人向けに作られた「ダイヤパーク・プレミアホテル (Dia Park Premier)」の地下にある。インド初の、日本人による鍼灸治療とマッサージの専門院。中島早苗院長が大川淳子さんと共に、2017年にこの事業を起こした。 「インドは大変」と言う意見をよく聞く。単に「違う」と言う方が正しいかもしれない。インド人から見ると「日本は大変」らしい。お

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          仏教徒の街・ナグプール学校の設立と貧困の課題

          インド全体で1%ほどと言われる仏教徒が多く住むナグプールは、また他の街とは違う趣がある 昨年マハラシュトラ州第二の都市・ナグプールを訪問した。ムンバイから飛行機で1時間半、そこから車でさらに1時間。そこで活動する日本人の僧侶の方に会い、農村の小さい村で一泊お世話になった。前日のムンバイの5つ星ホテルとはある意味、天と地の違いである。水洗トイレがない古民家。シャワーもなく、熱湯入りのバケツと冷たい水のバケツを両方使ったのも初めての経験だった。ただしこれは、インド人の大半が毎日

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