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昼間だけど夜逃げ計画・12

手の震えが止まらない

引っ越し決行!つづき

夫に鉢合わせることなく
15時半には家を出ることができました。

極度の緊張が続いたことで
私の精神状態は少しおかしくなっていました。
鼓動はずっと早いママで
手は震えが止まりません。

引っ越し先にたどり着いた時には
安堵から膝のガクガクも加わりました。
頭がボーっとしてしまい
話しかけられてもまともな返事ができません。

弟が一緒にいてくれたことが救いでした。
使い物にならない私の代わりに
ガスや水道、
ケーブルテレビなど業者対応もしてくれました。

荷物の運び入れは30分くらいで終了しました。

その頃には息子たちも帰宅し、
片付けに加わったことで
私も落ち着きを取り戻すことができました。

夫からの着信

ちょうどガスの開栓をしていた時、
夫から着信がありました。

自分の鼓動で倒れるのではないか?と感じるくらい
心臓がドックンドックン響いて
一瞬で口の中が渇きました。

体が固まり、電話には出ることができませんでした。

すると、すぐに
横にいた息子の携帯が鳴ったので
出ないようにと言いました。

その後も
私の携帯に夫から何度か着信がありましたが結局出れないまま、
恐ろしくて、終いには電源を切ってしまいました。

疲れと安堵の夜

翌朝のお弁当作りに備え
台所を使える状態にして、寝床を作ったら、
その日の作業は終了にしました。

居間になる六畳間に布団を敷き詰め、
弟も含めみんなで並んで寝ました。

ようやく訪れた安心して眠れる場所
もう怯えたり不安になる要因はない。

疲れた
40年の人生で一番疲れた

猫たちの心配が残るけど

こんなにきちんと呼吸できるのは
いつぶりだろう

布団に横になり
大きく空気を鼻から吸って
吐き出すと

そのまま眠ってしまいました。

13へつづく

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