メディアは簡単な仕事じゃない

noteというプラットフォームを使っておきながら、この件に触れないというのも気持ちが悪く、とりあえず書いてみる。

noteはいい場所だと思う。私は全く知られていない人間。ただつらつらとメモのように感想文なんかを書いているだけ。それでも、何人かは見てくれて、スキをしてくれる。広告目的やフォロー目的のスキばかりだけど、本当にたまに、ちゃんと読んでスキってしてくれたのかな、っていう人がいる。こんな全然スキされない私でも。

cakesは、どうだろう。課金しているけれど。正直、メディアだと思ったことがない。メディアとは発信者と受信者を繋ぐコミュニケーションを担当しているものである。だからこそ、姿勢が問われる。何を伝えるために、どうコミュニケーションを形成していくのか、がメディアの役割なのだ。cakesにはそれがない。ただ、ネットで人気の人たちのプラットフォームでしかない。

まきむぅさんの連載好きだし、幡野さんの連載も炎上はしたけどその後の対応とかそういうのからまた読みたいとも思った。(謝罪内容としてもやる部分はあるけど、それは個人の感性の問題だし、100%同意しかできない記事ばかり読んでいてもつまらない)漫画連載なんかはほっこりと光るものがあって好きだ。エッセイなんかも面白かったりするし。

でも、メディアとしての柱は全然感じたことがない。責任は発信者に100%あるような態度だし、「自由!」「性の開放!」みたいな連載の横に「女性にモテるテク」みたいな連載もあるし。(どっちも好きですよ)それじゃあ、ダイバーシティに全振りなのかといえば、そうでもないように見える。だから、ホームレスの件のような記事も載せるのだろうと思った。

ホームレスの記事は、文体がnot for meすぎて序盤でギブアップした。燃えた後にもう一度読んで、分析されている人たちのコメントも読んで、一番納得したのがこの記事。

そう、編集が機能していないから、メディアになれなくて、こういう記事をそのままに載せることになってしまう。

私はライターや作家ではないけれど、仕事の半分くらいは文章を書いたり校正することで、よく雑誌や新聞の人たちともやり取りをする。彼らは、ちゃんと文章や掲載されるものにプライドや指針を持っている。マスメディアは中傷されることも多いけど、話題や数字を天秤にかけながら「本当にうちで扱うべきか」を吟味する。でも、cakesにはない。でもそれは、メディアとして未熟だからではない。メディアですらないからだ。それなのに炎上を恐れて編集ごっこをはじめてしまった。

指針もコアもないから、センシティブだからやめる、という発想に飛びつく。でもそれって、文章が敗北してる。「クリエイターと読者をつなぐサイト」を標榜しておきながら、クリエイターをバカにして、クリエイティブを敗北させている。なんだったら読者も馬鹿にしている。センシティブな発信をうまく伝えられないなら、もうそんなのはメディアじゃない。

もう文章を信じていないから「フィクションということにできませんか」と言える。文章に対する愛情もプライドも一切ないから、こんなことが言える。そんな軽々しく言葉を使ってはならないよ。少なくとも、文章のプラットフォームを作っているのなら。本当にメディアになりたいなら。

cakesの購読を悩んでいる。なんだったら、noteを利用し続けることも悩んでいる。購読者が一人消えたって、無名のメモ書きが一人消えたって、cakesもnoteも困らない。だから、これは私の指針の問題だ。悩んでいる。そして祈っている。あさのますみさんの文章が、きっと多くの人に読まれることを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?