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ヴェルディサポのベレーザ観戦記〜第1章・衝撃〜

ヴェルディサポのベレーザ観戦記シリーズを始めてみたいと思います!笑
しかし、この後更新されるかは分かりません。笑
とりあえず第1章ということで、本日のなでしこリーグ開幕戦のレビューをお試しで書きたいと思います。

※注→試合をネットで見返す時間がなく、現地観戦の記憶のみを頼りに書いているため、選手の動きの記述で若干の誤りがある可能性がありますので、そこはご了承ください。

なでしこリーグ第1節 vsジェフユナイテッド市原・千葉レディース(H) @AGFフィールド
前半0-0/後半3-1 合計3-1⚪️

ついに開幕したなでしこリーグ。史上初の5連覇をかけたシーズンとなる日テレ・ベレーザ。次の日本代表欧州遠征には10人の選手が選ばれ、他の選手もA代表、年代別代表を経験している選手が多く、いわばオールスターと言った所だろうか。
対するジェフユナイテッド市原・千葉レディースは昨年度はリーグ戦6位(10チーム中)。皇后杯もベスト4と、今年は何としてでもタイトルが欲しいだろう。

そして両チームのスターティングメンバーと基本フォーメーションを下図で紹介しておく。
〈日テレ・ベレーザ〉
基本フォーメーション→4-1-4-1

〈ジェフユナイテッド市原・千葉レディース〉
基本フォーメーション→4-4-2

今回もヴェルディのレビューと同じようにベレーザの攻撃と守備の2局面を分けて書きたいと思う。

攻撃

前半、ベレーザはビルドアップ時に4-1-4-1もしくは長谷川が下がって受ける4-2-3-1を使っていた。ジェフはアンカーに2トップの1枚を付けてプレッシングをしていた為、逆サイドに展開されると前進されるシーンが多かった。チャンネルに三浦が降りて宮川がハーフスペースを駆け上がり宮川のマークに付いていた相手のSHを押し込みスペースを作り出していく攻撃を主としていた。(下図参照)

そして試合が落ち着いてくると下図のようなマーク関係になっていく。

赤線で囲まれた選手同士がマークで青線が中盤のラインである。ディフェンスラインはCB2枚で田中、SBがシャドー2枚を主に見てベレーザSHも見る形になっていた為かなり曖昧になり、シャドーへの縦パスも容易に通せる状況だった。中盤ラインはシャドーへの縦パスを防ぐため、かなりコンパクトになり大外レーンへのマークはやはり曖昧だった。また大外レーンでSHもしくはIHにボールが渡った際にはSBの選手がチャンネルランを頻繁に行い、マークのズレをさらに引き起こしゴールエリア横への侵入やPA外からのクロスボールを供給するシーンが多かった。またシンプルな田中などの裏抜けもあり、配置で殴るもあり、質で殴るもあり、かなり良い印象を持った。

さらにSBとSHの間には同レーンに入らないというルールも垣間見えた。SHが大外ならSBがハーフスペースを位置取り、インナーラップを果敢に仕掛けてSBの裏を突く。またその逆もあり、しっかりと基本を大事にしていた。これは昨年からも読み取れたのでもはやベレーザのスタンダードになっているのだろう。

ただ決定機が前半さほどない状況も続いていた。これはロティーナヴェルディでも散見された、ボール保持へのコストがかかったり、ポジションを守るプレーが多くゴールの目の前にパワーがかからないシーンも多かった。ポジショナルプレーと言われるような志向のサッカーをした時に払う犠牲のようなモノかもしれない。

ここで昨年度の後半戦にはロティーナがカウンターの磨きをかけていきたいと言っていた時があった。自分もカウンターが決まるチームなのであればこのサッカーは優勝に繋がっていくだろうと考えていた。

そこで後半を振り返っていきたい。後半はジェフがアンカーの三浦へのプレッシングのスタイルを変更。前半は2トップが1枚付きもう1人がCBへのプレッシャーに行っていた。後半からはボランチの片方の選手がアンカーにマークをして2トップを両CBにぶつけて、前半ベレーザが前進の術にしていたチャンネルに三浦が落ちる形をなくしていた。それが下図だ。

恐らく向かい風によってロングボールをCBからうまくシャドーの選手には蹴れないだろうという見込みもあっただろう。かなり後ろでベレーザが回す時間が多くなっていた。しかし、ベレーザはSBに繋ぎそこからの攻撃にシフト。田中のポストプレーを多く使うようになる。ジェフボランチの背後にシャドーがいる場面が多く、田中に預けて落としをシャドーが受けたり、ライン間でシャドーが受けてチャンスメイクする事も前半同様行なっていた。

しかしそれをしてでもジェフの守備は最後までしっかり仕事をしてくる。サイドまで打開されるもPA付近または内でしっかり対応してシャットアウトしており、1番有効打だったのは中央の裏抜けだったと感じている。

そして先制点。左サイドから右へパスを回す途中で岩清水が相手のスライドベクトルを逆に突いた田中へのロングパス。田中が胸で後ろにそらし、突破すると後ろから倒されてファール。まあヴェルディの栃木SC戦での1失点目と原理は同じだろう。ベクトルの逆を突いた攻撃は強いのだ。PKをしっかり自身で決めて先制。

その後ジェフの左CKから高く上がったヘディングが風でゴールに入りオウンゴールで同点とされる。しかし、後半多用していた田中のポストプレーから田中が引きつけたCBのスペースに小林が走り込んで相手DFと競り合いながらも決めてすぐさま勝ち越す。田中のポストプレーは正直強すぎるくらい。上手すぎる。その後攻めるしかないジェフの前がかりになったところからルーキーの遠藤が裏に抜けてからキーパーとの1v1を落ち着いて決めて3-1とした。

先程カウンターが決まれば優勝に繋がると書いたが、このチームはカウンターを決められる。今年も強いベレーザが見れるなと確信した。ヴェルディに無かったものを既に持ち合わせているからだ。このようなサッカーを仕込める監督もいれば、遂行できる選手もいて本当に素晴らしいと思った。

しかし、縦に速い攻撃(カウンター含む)だけでなくボール保持の流れからのゴールが増えていくと楽に勝利が見えてくるだろう。それは完成度が高まっていく今後に期待したい。

守備

守備は4-1-4-1で前に枚数が多いため、前から嵌めてサイドに追い込むか下げさせて蹴らせる事が多かった。サイドでは植木と宮澤が1v1で負けずにボールを取り切る場面もありサイドへの追い込みでは良かったと思う。

しかし課題を感じたのは下げさせてジェフのCFに蹴られた時だ。ジェフのCFは競り合いに強く落とす技術と周りの選手(主に中盤全員)の距離感も良かった上に、ベレーザはアンカーシステムかつサイズで負けてしまう事も相まってアンカー脇に落とされてからの攻撃を何度も受けており、かなり相手に再現性を持ってやられていたなという印象がある。しかし、前で奪い切る場面もあったので、そこは仕方ないリスクなのかなという印象も受けた。

また後半には後ろに2-3ブロックを作った状態での攻撃もできておりネガティブトランジションへの繋がりもあり構造もしっかりしてるなと感じた。

今日の試合では守備の時間は少なかったものの、構造やボール奪取地点など読み取れるものも多く、かなりハッキリとコンセプトを持ったチームなんだなと思った。ハッキリした分の弱点も晒されたので、そこの修正をしていくのかどうかも注目していきたい。

まとめ

今日は新シリーズ(継続するかは不透明)をやってみたのですがいかがだったでしょうか。正直、自分の実力不足であんまり表現できないところもあったので、これじゃ物足りない!という方は是非試合を観に行っていただけると、ヴェルディファミリーとしても嬉しいです笑

ベレーザは整理されたサッカーでとても楽しく、そして強い。本当に衝撃を受けたし、戦術的な凄さを感じたのと、自分は女子サッカー舐めてたなと思わされました。そして今年も期待できるなという内容でした。ただジェフも守備はかなり固く、攻撃に磨きがかかってくればリーグ戦でも皇后杯でもチャンスは大いにあるのではないかなと感じました。特に後半の守備の修正はベレーザのビルドアップを妨害し形の変更を強制したりと監督の采配にもとても具体性があり良い監督なんじゃないかなと印象を受けました。

とにかく!皆さんもJリーグだけでなく、ネット放送でも現地でも女子サッカーに目を向けてもらえたら嬉しいですし、面白いので観て欲しいと今日とても思いました。

とても長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました😊

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