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アメリカ人の姿勢がいいのは自己肯定感が高いからかな?

そういえば、アメリカに来て、腰を曲げて杖をついて歩いているようなご老人をあまりあ見かけないな~と思っています。
もしかして、出会ってないだけ、気づいていないだけなのかもしれませんが。
いずれにしても、老若男女、姿勢のいい方が多い気がします。胸を張って堂々と歩いている方が。

息子の通っている小学校には日本人は私たちだけ、アジア人家族もおそらく4組ほどしかおらず、私はもうそれは当然目立っているに違いありません。話したことのない人にも「日本人だよね?」なんて急に声をかけられたりしています。それでもつい、毎日の送り迎えであまり目立ちたくないと下を向いて端っこを歩いてしまいます。
なぜなら私、圧倒的に自信がないのです。


自己肯定感を高めるには6歳くらいがポイントらしい

息子の通う小学校では、特にキンダーガーテン(日本で言えば幼稚園の年長さんから小学校1年生の子供たちが通う、小学校に附属した幼稚園のようなもの)から1年生にかけて、

〇自己肯定感を高める
〇他人をリスペクトする
〇怒りの気持ちを自分で抑える

ということをよく教育されていたように感じました。

成績による序列を一切意識させず、誰にでもいいところがあって、望めば何にでもなれますよ。
今日とても褒められた人が明日は怒られちゃうかもしれないし、その逆ももちろんありますね。チャンスはみんなにあるのです。
人それぞれに様々な違いはあるけれど、みんな認め合って、受け入れて、人のいいところを探しましょう。困っている人がいたら助けてあげましょう。
もしもうまくいかないことがあったら、深呼吸して気持ちを落ち着けましょう...
といった具合です。

その効果なのでしょうか?子供たちの間に、無用な争いが少ないように感じています。
自分に自信があり、人と比べて自分はどうか?ということをあまり意識していない分、劣等感で腹を立てることが少ないのかもしれません。
なによりも、自分と違う意見もあっさり認めて素直に人を褒めるという印象があります。
主張は強いのですが、無駄に自分を押し付けることもありません。

これが自己肯定感が高いってことなのかな。
なんだか素敵です。
子供たちがのびのびして見えます。
そして、大人になっても堂々と胸を張って歩くことができれば、腰にもいいに違いありません。


エピソード1 みんなそこにいるだけで特別

息子のキンダーガーテン最後のプロジェクトは、「Why am I so special?」というテーマでポスターを作ろうというものでした。

日本で生まれ育った私は「え?どうしよう?何書くの?スペシャルなものないじゃん!」と焦ってしまいました。
しかし、同じく日本育ちの日本人でありながらアメリカに住んで20年になる主人は「そんなのスペシャルじゃなくても書けばいいんだよ」と。
かくして息子のポスターは、サッカーずっと習ってるよ~とか、日本語のご本が読めるよ~(実際文字をちゃんと読むことはできないのですけど)とか、自分でお寿司作れるよ~(ごはんにのりを巻いていくら乗せただけなんですけど)とか、そんなことを書いて落着させたのでした。

さて、他のお友達の作品発表の場に行ってみると、みなさん息子と同程度の感じ。むしろ、こうやって生まれて育ってきたからスペシャルなんだよと、私的に見れば生い立ちを書いただけのようなものも散見されました。

なるほどー。

特別人より秀でたものがある必要なんて何もない。
あなたは、そこに生まれて生きているだけでスペシャルなんだ!

それを確認するための宿題だったのですね。
そして、どこのご家庭でもそんなことご存知なのですね。
自己肯定感を高める教育なんて一切受けてこなかった私には、目から鱗だったのでした。


エピソード2 全員表彰される

キンダーガーテンの卒業式の日には、担任の先生によって、全員が「〇〇で賞」的な表彰状をもらいました。

「よく授業の内容を覚えていたね」とか、「将来イラストレーターになれるね」とか、「お友達がたくさんいるね」とか、その内容は様々でした。
先生、1人1人にタイトルをつけられるなんてさすがだなー!と感心しました。

それを、1人ずつ全員の前に呼んで、こうだったね、ああだったね、この子のいいところはこんなところだよねとみんなに語りかけながら渡してくださるのです。
子供たちにとってはなんとも誇らしい時間だっただろうなと思うのです。


エピソード3 自分で自分を褒めちゃう

息子のお友達のお誕生日のことです。
ちょうどお母さんに会ったので、「息子くんのお誕生日おめでとう!」と声をかけました。
すると、「いえーい!やったわ!信じられる?7年よ!私、7年も母親を無事にやってきたのよ!すごいわ!私!すごいでしょー!」と大興奮で言われました。

何言っちゃってるんだ?この人??

正直最初はびっくりしてしまいました。
彼女は働いていることもあり、送り迎えのほとんどはお父さんです。公園で子供たちを遊ばせるのもお父さん。いつもひっちゃかめっちゃかしていて、決して完璧なお母さんではありません。

でも、よく考えてみたら、彼女の言う通りですよね。
働きながらこんなに大変な”母親業”を7年もやってきたのです。それ、とてもすごいことなのです。完璧かどうかなんて関係ない。
いえ、働いていようがいまいが、“親”をするのはとても大変。
こんなに大変なことを毎日やりこなしているのですもの。これって自分で自分を褒めちゃっていいのですよね!

世のお父さん、お母さん、子供のお誕生日は”自分を褒めちゃう日”にしてみませんか?!

どんなことだとしても、がんばっている自分を自分で褒めちゃう。そうすると、前向きな気分になれる気がします。


エピソード4 参加する気持ちがあるだけでいい

息子がキンダーガーテンの頃通っていたお稽古事を見学していた時のことです。
「何か質問がありますか?」との先生の問いかけに、多くの子供が「はい!はい!」と手を挙げます。息子も挙げています。大丈夫かな?聞くことあるのかな?と心配していると、まんまと指されました。すると…

「言うこと忘れちゃいました」

と答えたのです。
ぎゃおー!私はもう恥ずかしくて、何やってるんだよぉぉ~とどきどきしちゃいました。
しかし、その場は何事もなかったように「オーケー。じゃ、他の人」といった具合に進んでいきました。

家に戻って主人に話すと、「そういうの普通なんだよ」と教えてくれました。
なんですって??

何かやりたい参加したいという気持ちだけで手を挙げちゃう子はたくさんいて、特に言うことがなくてもそれはそれで、参加したい気持ちがあるだけでいいのだそうです。
気持ちを認めて、内容は問わず、否定しないのですね。

「何かある人?」と聞かれても、つい手を挙げることすらためらってしまう日本人の中で育った私からは考えられないことでした。


アメリカ人から学ぶ自己肯定感の高め方

アメリカ人と一緒に働いている主人に言わせると、自己肯定感が高いことのデメリットもそれなりにあるそうです。ですが、すぐに自分を卑下してしまう私としては、ここで出会う超ポジティブシンキングな人たちを見ているとうらやましく思ってしまいます。

これまで見てきてきたことから考えると、子供たちに対しては、

〇ありのままを認めて受け入れる
〇とにかく褒める
〇否定しない

日本人としては、ここに

〇出る杭を打たない

というのも入れるのがよさそうです。

そして大人になってしまったら、

〇自分で自分を褒めちゃう!

これです。

こんなことで前向きな気持ちになる人が増えて、自分と違う人のことをとやかく言わない人が増えてきたら、もっと自由になれる人が増えるのではないかな。そうしたら、今世界を覆っている閉塞感みたいなものから少し解放されないかな?そして、眠っていた才能を開花させることができる人も増えるのではないかな?なんて理想を夢見てしまうのです。

そして、堂々と姿勢よく、自分の足で死ぬまで歩けたら、それはとっても素敵だな~と思うのです。

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