パンクラス337大会前レビュー

祝!パンクラス30周年!!
30周年を彩る記念大会のvol.1は、若手同士のフレッシュな試合から他団体の元王者に迎え撃つランカー、そしてメインはパンクラス一筋の亀井とパンクラスからX-1、RIZINと活躍を広げてきた新居のタイトルマッチ!!

レジェンドに頼らず、これからのパンクラスの未来を感じさせる大会、今回も個人的な見所を紹介します!!


第1試合(プレリム) 佐藤生虎vs渡邉ショーン

佐藤は中村K太郎が代表のUNITED GYM TOKYOのプロ第一号、先日の336でデビューすると強烈なワンパンからのラッシュで見事なデビュー戦勝利を掴んだ。

渡邉は元KOP村山暁洋率いる暁道場所属でプロデビュー戦。村山代表のツイートではオールラウンダーとのこと。

日本を代表するウェルター級の両者が育て上げた弟子の対決。ウェルター級を紡ぐ、未来を感じさせる試合に期待!

第2試合(プレリム)梅原規祥vs饒平名知靖

梅原は所プラス所属らしく、組の印象が強い。デビュー戦ではアームロックから流れるように十字の仕掛けを魅せた。2戦目ではスタンドでジャブと蹴りを使う試合を見せたが若干単発なところがあった。

饒平名は第一試合の佐藤と同じくUNITED GYMの所属、ググったけどベースとなる競技の情報はなく個人的には全くの未知の選手。

梅原は前回、相手に圧力をかけられ続けてたので同じような状況になるのか、なった場合は対処できるか見たい。饒平名はどんなスタイルか楽しみ。

第3試合 矢澤諒vs笹晋久

本戦開始の第3試合、トップバッターは狂気の拳を振るうパンクラスバンタム級No.1のハードパンチャー矢澤諒!プロデビュー戦はKO勝利もパンクラス参戦直後は1勝3敗1KOだったものの漆間戦から3戦連続1RKOとその才能が見事に開花!デビュー当初は相手の粘りに弱気を見せる場面も合ったが、ジェイク戦ではしつこい組を凌ぎ切り離れるやその剛腕でワンパンKO!これは自身を確信に変える勝利だったのではと思わせられる衝撃の勝利だった。

そして矢澤に立ちふさがるのは笹晋久。修斗新人王から始まり、DEEPに参戦。HEATではパンクラス元ランカーの寒天の引退試合を努めGLADIATORを経てパンクラスに参戦。初戦は世界を目指す田中路教に完敗だったが、今回はランカー矢澤を喰ってタイトルマッチに食い込みたい。

過去最大の格上に対して矢澤のパンチが火を吹くのか、30周年の記念大会に火をつける試合に期待!

第4試合 KARENvs高本千代

パンクラス史上初のJK王者となったKARENだが、長身ソルトを崩せず2連敗で王座陥落。フィジカルと組強さから肘を打ち込むスタイルは強烈も、それが通じない相手に対しての引き出しの少なさを露呈した敗戦だった。

対する高本もアマチュアエリート、鳴り物入りでプロデビューもKARENの同門である重田にフィジカルで潰され完敗と苦いデビュー戦を味わった。

高本のデビュー戦だけみるとKARENとしてはいつものスタイルが通じるイメージがあるものの、新たにパラ柏で身につけたNEW KARENを見てみたい。

一方の高本もデビュー戦を経てどうなるか、真の実力を発揮することができるのか気になるところだ。

第5試合 松岡嵩志vs葛西和希

松岡はパンクラス20戦を超えるライト級のベテラン。松本(修斗)、ヤン坊(パンクラス)には苦杯も平(ZST)岸本(GLADIATOR)岡野(HEAT)と元王者を降すなどしっかりとキャリアを積み上げてきた。自分が観戦した最初の記憶は伊藤崇文戦、強烈な打撃で伊藤をマットに沈め、その直後にパンクラスイズム横浜に移籍して驚いた記憶がある。当初は打撃の印象が強かったが、平戦以降は組からのスクランブルの強さを魅せるなど打投極際の全局面で勝負する印象がある。

葛西は格闘代理戦争に出場後にパンクラスでプロデビュー。柔道ベースの投げからのコントロールとアウトボクシングの上手さが武器。前回の粕谷戦ではTDを奪われトップを取られた時の弱さを見せてしまうも、3R終盤には逆転を狙う気迫をみせた。

葛西のアウトボクシングがハマれば松岡が厳しくなるだろうし、ケージ際でドロドロにすれば松岡が有利だと思う。

両者とも好きな選手ですが、個人的にはより好きな松岡選手の勝利を願って観戦します!!

第6試合 山口怜臣vs安藤武尊

IMMAF世界大会ジュニア部門にて2年連続シルバーメダリストの山口怜臣が遂にプロデビュー!

試合を何度か見たことがあるが、どちらかといえば組で攻める印象が強い。ただこれはトーナメントの特性上、打撃でダメージを受けるのを避けたいということもあるだろうからプロになってどうなるか楽しみ。またIMMAFの頃は連戦により減量幅が限られてたと思われるのでワンマッチであるプロでの仕上がりも注目したい。

安藤は公式の紹介にもあるが大東大でレスリング部に所属。グレコで東日本3位とレスリングキャリアは本格的。所属もAKZAということで寝技も積んでるのではないか。最近のパンクラスではAKAZの選手は端チャンプと河村チャンプ位しか居なかった気がするので楽しみ。

アマチュアの実績では圧倒的に山口だが、プロでは、肘あり(アマは肘なし)・時間(アマは3×3)・減量幅(ワンマッチなので水抜きでより追い込める)とルールに違いがある。安藤としてはそこを付きたいが安藤自身もデビュー戦なのは厳しいか。

とはいえ共にプロではデビュー戦、パンクラス、そしてJMMAの未来にこの試合が刻まれるような活躍の一歩になる試合になれば

第7試合 余勇利vs神谷大智

余はランキング10位、望月戦では相手のTDを切りスクランブルから攻める場面やDARANI戦ではゴング&ラッシュでKOなど元バスケ選手らしいフィジカルの高さを魅せる。デビュー戦の押忍マン戦では相手の打撃を喰らい続けるも粘るゾンビのような試合、折れない心も印象に残っている。一方で平戦では相手の勢いに呑まれ完敗するなどキャリアの浅さもある(逆に言えば今後が楽しみな選手)

神谷はプロ3戦無敗、デビュー戦では格上と見られたビラルをフィジカルを活かしたレスリングで投げや抑え込みで判定勝利。吉村戦ではTDで優勢に進めるも3Rスタミナロスから吉村の猛反撃であわやKO負け目前もマットに「掌」をつけ吉村の膝を誘い反則ながら勝利を掴んだ。吉村選手の勝利は神谷の冷静な判断がもたらしたもので、あの場面であの選択ができたことが素晴らしい。

フィジカル強者の両者だが、印象としてはレスリングの神谷と打撃の余と思われTDDが鍵となるだろう。そして神谷の冷静さと余の気持ちの強さ(粘り)が試合にどうつながるかも楽しみだ!

第8試合 秋葉太樹vsムハンマド・サロハイディノフ

IMMAF王者ムハンマド・サロハイディノフがパンクラス襲来! そして迎え撃つはパンクラス関西の雄秋葉太樹!!

パンクラスがJMMAF、IMMAFに参加して数年、ONEとの提携やコロナ禍でも細々とでも繋いできた縁がこんな形で結果を見せるとは。

フライ級王者鶴屋がRtUに出場し、王者不在のフライ級。ムハンマドの野望はまず暫定のベルトを手土産に北米への進出か! 

迎え撃つ秋葉は4連敗中。鶴屋や伊藤に続き、またも強敵への門番的な立ち位置となった。元来の打撃の強さに加えて最近は組の成長を見せている秋葉だが強敵相手にその成果を魅せることができるか!

パンクラス30周年に相応しい世界標準のスペシャルマッチ!世界の高さを突きつけられるのか、それともパンクラシストの意地を見せつけるのか!!

第9試合 平田直樹vs遠藤来生

過去の実績を捨て去りプレリムからのパンクラスデビュー、圧倒的な組の強さでランキングを駆け上がる平田のパンクラス3戦目はファイトマシーン 遠藤来生!

師匠ヤマケンの指示を淡々と実行し打たれても打たれても前に出続け攻め続ける姿は観客の心を打つ名勝負製造機。ただ被弾覚悟のスタイルによるダメージの蓄積、特に単スパンの連戦の影響は心配ではある。

試合は平田の組に遠藤が粘れるかがポイントになるか。平田が組で圧倒し一本を決めきるのか、遠藤としてはドロドロの試合に巻き込み最後はパンチでフィニッシュするのか、対象的と思われる両者の決着は如何に!

第10試合 井村塁vs河村泰博

前戦に元修斗環太平洋王者石井をバックコントロールで破った井村、今回の相手はFightingNEXUS現王者河村泰博!

前戦の石井もグラップラーではあったが、今回の河村は同じグラップラーでもスタイルが違うイメージ。石井は常に動き続け仕掛けるスタイルだったが、河村の罠を仕掛け捕らえるスタイルは入場曲通りの『スパイダー』であろう。更に受けの寝技も強く、井村がかつて敗れたTSUNEに近いタイプの印象がある。打撃についてはヤマニハに強打を入れたシーンもあるが個人的にはフリッカーがキレるときは嵌まる印象。

個人的には極上の寝技勝負に期待したいがこれはMMA、進化を魅せる井村が打撃で攻め河村が迎え撃つ事も考えられる。

井村は今回からPUGNUSに所属。石渡代表の独立に花を添える勝利を掴めるか、それとも空気を読まない河村がNEXUS、パンクラス二冠王への野望に歩を進めるのか!

個人的に裏メインです!!

第11試合 押忍マン洸太vs川中孝浩

押忍マンはウェルター級4位、戦績的には負け越しも豪快な打ち合いを辞さぬ打撃と確かな寝技を持ち、勝っても負けてもフィニッシュで終わる完全決着な九州男児。前戦の藤田戦では相手の寝技コントロールに苛ついたのかグラウンドでの蹴りという醜態を晒してしまっただけに結果で汚名を挽回したい。

対する川中は元GRAND王者(GRACHANとGLADIATORの統一王座)もステップアップの為にタイトル返還しパンクラスへ参戦するなど覚悟が見える。 個人的には長岡とのGRAND王座戦の印象が強い。自分的には長岡応援で残念な結果だったけど、作品として見るならば長岡の執念とそれを振り切り打撃を当てる川中という素晴らしい試合を作り上げてくれた想いがある。

ウェルター級は木下、菊入と北米デビューが続いたホットな階級。ステップアップの為にもパンクラスのベルトは欠かせないであろう。ウェルター級らしい、ど派手な結果に期待したい!!


第12試合 八田亮vs黒澤亮平

修斗元世界王者 黒澤亮平のパンクラス第2戦は極師 八田亮!

正直、この試合については一言だけ

八田が極めるか黒澤が殴り倒すか

コーメイン 藤田大vs住村竜市朗

パンクラスデビュー戦を寝技で攻め続けて見事な一本でウェルター級ランキング2位に躍り出た新鋭藤田大の第二戦はパンクラス初戦を宣言通りの塩漬けで勝利した元DEEP王者住村竜市朗!

アイス(と竜田揚げ 詳細はMMAPLANET)が好きな藤田が糖分高めに極めるのか!それとも住村がまたも塩漬けにするのか!まさかまさかの打撃戦なのか!

どう転んでも面白すぎるウェルター級マッチ、個人的には藤田の一本からのマイクアピールに期待!!

メインイベント パンクラス第10代フェザー級王者決定戦 亀井晨佑vs新居すぐる

パンクラス30周年の記念大会を締めるのはフェザー級タイトルマッチ!

ランキング1位の亀井晨佑、2018年のNBTを破壊力抜群の右の強さで制し、内村洋次郎との大激動を魅せるも学業に専念するために一時休業。復帰後は打撃の引き出しが増え、KOこそ無いものの硬いガードからジャブや肘の上手さで相手をコントロールする上手さを見せる。一方で透暉鷹戦などボトムになった場面の対処に若干の不安もある(とはいえ透暉鷹に対して4Rまで粘りきったとも言える)

対するランキング5位のアームロッカー新居すぐる。必殺技のアームロックとパンチの破壊力を武器にパンクラスでの勝利試合のフィニッシュ率100%を誇る。攻撃力はフェザー級ランカー屈指と思われるが半蔵戦でアームロックに固執して負ける場面を考えるとアームロックが防がれた次のプランを持っているか気にはなる。

公式の見所にもあるように、展開としては新居がパンチで攻めつつアームロック、亀井がガードからジャブを返しペースを握り久かたに右を炸裂させれるか。そしてポイントはやはり新居のアームロック、亀井の同門の高木が防げなかった必殺技への対処法、智将GOZOの戦術にも注目したい。

パンクラス30周年、若手同士の戦いからランカー対決や外敵どの対戦が組まれる本大会

亀井選手が語った圧倒的実力至上主義に相応しいラインアップであり、それを締めるのがタイトルマッチ! 

ハイブリッドレスリングからMMAと紡いできたパンクラス、次の時代の到来を感じさせるメインイベントとなる試合に期待!!

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