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元カレ

ファンタジーです

つい一ヶ月前、サイコパス元カレに出会い系のアプリで発見され「謝りたい 話したい」と言われて、LINEのブロックを解除して電話でやり取りをした。

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具体的にどうサイコパスかと言うと、人の痛みに対しての共感能力がゼロで、本人自体も割りと心の痛みを感じない。

痕跡器官って知ってますか?
人間だと盲腸とかです。
大昔、今ほど暖かくもなく、寒さをしのぐ方法もなかった時代、人間は盲腸があることによって体温の低下による死を免れる事もあったようです。
盲腸で死ぬ確率より、寒さで死ぬ確率の方が高かったから、必要だった臓器が、今は不要になってしまいました。

人は進化の過程で創り出したものを不要にして生きています。

だとするなら、人間の心の痛みを感じる器官や、共感する器官、具体的には脳の下垂体の働きが不要だと判断して、発達せず生まれてくる個体が居てもなんら不思議ではなくて、それが元カレだったのだと思います。

『気持ちいい』とか『楽しい』とかの強い感情を『痛い』とか『傷つける』とかの感情が邪魔をしないので「バレなけりゃいいだろ」で色々やる
(が、バカなので結局破綻してバレて被害者のメンタルをズタボロにし、被害者にキレられる)
けど元カレは他人から嫌われないで好かれていたい気持ちは人一倍強かった
バランスがとれていない人だった

普通の人ならニコニコ出来ないような話題(他人を思いっきり傷付けてやった等)を「ウケる」って言いながら笑顔で話す、etc...

浮気発覚してから全部出るようになりました
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電話では、「少しだけ、(自分の罪悪感のなさ、とかを)自覚して、俺は変わった」みたいなことを言っていたが、他人を盛大に傷付けまくる嘘つき大魔神だったので、話半分に聞いた。
相変わらず体を金で売っていると言われた。
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数日前、元カレが就活の説明会を受けるために東京に前乗りしてきて「春ちゃんの直線距離6㌔圏内居るよ(๑´꒳`๑)」と報告してきたLINEを見た瞬間、震えが止まらなくなった

ハンターハンターのピトーの『円』入ったノヴみたいなのを想像してください

(まじこんなでしたよ)

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去年僕の誕生日に浮気相手その1から連絡が来た。

内容としては浮気相手1.2.3の三名の存在、3名とも精神的に追い詰められた、3人とも結構貢いでいた(自転車3台持ってたのですが、1台ずつ貰ったみたいです、どうすんだよwいらねーw)、昔売り専をしていて今でもホームページが残ってる、僕が元カレの誕生日を祝った次の日に元カレは浮気1からプレゼントを貰っていた、(遠距離だったのですが)僕の家に泊まりに来て僕が寝ている時にその脇でセックスできる男漁りをしていた、告白してきた友達を「顔鏡で見てからいいなよ」など馬鹿にする、等々のLINEの会話スクリーンショットやエロ画像、ホームページ等の絶対に嘘つきようのない証拠満載が送られてきて、辛かった

ぼくは、元カレの事を、とても優しくてユーモアがあってよく笑う人だと勝手に思っていた

辛すぎて三回吐いた、誰に話したらいいか分からなくなり「そうだ、いのちの電話だ!」となり、いのちの電話東京支部に20回近く電話するも、電話に出てもらえず、(東京だからな、仕方ないよな、)と思い、
地元の支部に電話するも出てもらえず、元カレの地元の支部に電話するも出てもらえず、

電話番号一覧、上から下まで47都道府県のいのちの電話に電話したけど出てもらえず、

「あっ、日本終わってるわ」って思って、脳がショートして、もうこいつは生きていたらダメな人間なのでは???KILLLLL!!!!って思ったけど、

後輩の女の子から「春便器さんのために誕生日ケーキ買いました、渡せないのでお父さんが食べてくれました」と僕の名前が書かれたチョコプレートが置かれたケーキの画像を送ってくれて、天使かよって思って、「でも、くれねえのかよw」ってひとしきり笑ったあと
彼氏に電話して、3時間話して、本当に引くほど怖い+クズ全開の本性を出されるもクズの友人として付き合っていく方向で許した

浮気発覚後の電話の会話の中で、数ある発言の中で一番覚えているのは
「今まで(に)彼氏10人以上居たことあるけど、誰のことも好きになったことない。好きって気持ちがわからない。 優しくすると向こうから勝手に告白してきて、告白されたことに嬉しくなって付き合うけど、2回目以降会うと飽きて嫌いになる、減点方式だから加点されないから絶対に嫌いになる」だった
かわいそうだな、友達でいてあげたいな、と少しでも思ってしまった、

可愛そうなフリをするのは本当に上手だった

思えば、最初から人間としてどこか欠けているような、可愛そうなところが好きだったのかもしれない、でもそれって不毛ですよね?

傷は愛せるけれど、欠けているのは無理だ。
欠けた部分を自分が補ってあげようなんて思い上がりが過ぎた。
悪いのは僕です。

次の日の仕事が埼玉での仕事ぶち込まれて五時起きだったので寝た

元カレに対して腹が立ちすぎていたのか、築地市場で世界最大級のタカアシガニを落札して、高速をぶっ飛ばして元カレの家に行って、元カレのアパートのドアポストにギチギチにタカアシガニを押し込む夢を見た
押し込んだ後に( 自分で食えばよかったな…でもいいや!磯臭くなれバカめ!)と、後悔と気持ちよさが入り交じって目覚めた、

友達に戻って、許された事で調子に乗ったのか、僕に元カレが裏でしていたことを全部伝えてきた人(浮気一号)を「リベンジポルノで訴えるけど、それに協力しなかったらお前も同罪だ、警察沙汰だ、お前にも罪がある!」と超論理を展開されてLINEで脅されて、会話してもラチがあかず(あ、これは本当に関わってはまずい人だ)と、思い既読スルーした。

ちなみに浮気一号が精神的に一番追い詰められていて「殺してやりたい…」と言っていたのを「他にもっといい男たくさん出てくるからさ、殺したら今後の人生勿体ないよ!」
ってなだめた。この浮気一号とはその後一緒にクソ田舎のショッピングモールに行って買い物したり、一緒に銭湯に行ったりした。
銭湯で元カレのクズな部分をひたすら上げ合うも最終的には好きだった部分大会になってしまって今思い返すと女子会みたいで笑えた。

その後 数日してから、岩井俊二のリップヴァンウィンクルの花嫁を観たら何もかも超絶どうでもよくなり、彼氏のLINEをブロックした。

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現在に戻ります

東京に前入りして適当な男の家に泊まったらしい。

前入り報告を受けた次の日も、朝からずっと吐き気がした。
バイト中にこみ上げる吐き気を誤魔化して働いた(マイナス10てん)
他店舗の店長にお土産の佐藤錦を貰う(プラス10てん)

(美味しかった)

バイトから上がり携帯を見ると
「財布泊めてくれた人んちに忘れちゃって鍵掛けてポスト入れちゃったの涙 説明会行けてないww」というLINE

あ、はい、説明会、何時からなんですか

「東京へは遊びに来た(自己暗示)」

「(説明会は)もう終わる時間w今日暇な人?
財布回収したら家行ってもいい?今日の夜帰ろうと思ったけどせっかくだからどこか泊まって明日帰ろうと思って、でもパンツないんだよね、パンツ欲しいな、たしかパンツ量多めだったよね」

メッセージが怒涛過ぎる

人生で自らパンツを買ったことは二、三回しかなく、実家に帰る度に母親が新しいパンツを買って渡してくるので、ぼくは『パンツは自動増殖する繊維』くらいに思っていた。
今回はそれがアダになった、困った。

「どうする?^ ^」

ぼくは元カレが動けないでいる駅まで行くことにした。
家に来るよりずっとマシだと思った。

一年以上ぶりに会ったけど何も変わっていなかった。
スーツを着ていた、スタイルが良くて、相変わらず人懐っこい表情と声色を向けてくる。

ぼくは元カレの姿を見た瞬間、麻酔に掛けられたように、それまでの胃痛も無くなり、色んな気持ちが消えていくのを感じた。
その後はずっと感情を失ったかのように接した。傍から見ても奇妙だったに違いない。

特筆すべき面白い事はなく、夕飯に誘われたので一緒に夕飯を食べて、パンツ1枚を渡して帰った。

その後、元カレは有料クルージングスペースに泊まったらしい

一番履き心地の悪い 緑のピチピチのパンツを渡した。 元カレはピチピチした感触のパンツが好きなのできっと喜んでくれたと思う。

別れ際、背中から「また就活で来ると思うからその時は宜しくね」と言う声が聴こえて

(…パンツを?いや…自分で買えや、お前)と思って振り返ると、既にこちらに背を向けて歩き去る途中で、後ろ姿で、

一年ぶりに会ったけど、本当にどこが好きだったとか思い出せなくて、恋人としても友人としても完全に終わっていた。ただの知人だ。

相手に対しての好意や興味が無いのが相手にも伝わっていたのか、会っている間、向こうもどこか冷めたような態度だった。

多分もう向こうから「会おう」と誘われることは無いと思う。それはこちらも同じだ。

最後に会ったのが去年の年末年始。
大晦日に一家勢揃いする中で姉と喧嘩して、実家を飛び出して元カレの家に泊まった。
そのまま一緒に初詣に行って、年を越した。
人生で初めて家族以外の人と年を越した。

たくさんの初めてを捧げて、恋愛処女を捧げた人だった。

ちゃんとしっかり、「彼氏です」と言いきって、心の底から溢れるような好きの気持ちを持って付き合えた男の人は元カレが初めてだった。

ありがとう。さようなら。バイトに行く前にそっと、LINEも出会い系もブロックした。
もう連絡はとれません。
ぼくは、また初めてを重ねて生きていきたかったから、さようなら。

今後もし、またバカやって、もし刺し殺されるような事があったとして、上っ面しか知らない人たちがインタビューで「殺されるような子では…」って言ってる中、ひとり「いや、殺されるような事してましたよ」って空気を読まずにいうね。

「俺はこんなにクズなのに、みんなは俺がいい子だって思ってる、でも嫌われたくないからニコニコして、でもほんとはみんな嫌いなんだ」って言ってた事、忘れないであげるよ、
その性格の悪い最低な部分、ぜんぶ覚えてる、絶対無かったことにしないから、

君が素直に生きて、素直に生きた結果で、嫌われたり好かれたり出来ますように。

おわり

#エッセイ #コラム #ブログ #サイコパス #ゲイ

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