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白鹿権現に行ってみた。

大分県臼杵市にある「白鹿権現(シシゴンゲン)」に行ってきました。Twitterで見かけてから、絶対行きたいと思っていた場所です。

御託はいいから、白鹿権現の写真が見たいって方は「白鹿権現の写真いろいろ」まで飛んでください。

白鹿権現までの道のりとハードル

最寄り駅は「上臼杵(かみうすき)」駅。今回はここから歩いて10分ほどのトヨタレンタカー臼杵店でレンタカーを借りました。

白鹿権現に無事に辿り着くには私にとって2つのハードルがありました。その1つが車の運転。運転クソ下手侍の私。どれくらい下手かというと以前国道を15分くらい走った時は「今の危なかったな」と思うことが2回ありました。ハンドル握らない方がいい。

でも、歩いて行ける距離ではないので、細心の注意を払ってハンドルを握りました。お陰様で今回の旅で危なかったと思うことは皆無でした。それ以上にやらかしはするんですけど。

▼白鹿権現までの道の状態

山道は山道で、カーブも連続しますが道路が舗装されているので、すっごい危ない箇所はありません。こちらの記事が大変役に立ちました。ありがとうございます。

二股の道は右側に進む。左側に行くと結構な酷道らしいです。運転下手クソ侍である私にとっては、一車線という状況が既に地獄なので、本当、道路が舗装されてて良かった。

▼車がスタックする

白鹿権現まであと少しの時、T字路に突き当たりました。そこに至るまでの細い道でひぃひぃ言うてた私は、進むべき右側の道を見て「細い、1回休憩したい……」と思って目の前の空きスペースに車をつっこんで一旦停車しました。地図を見たら、そこから歩いても行けそう。いや、でも帰る時に大変だから、せめて車をバックで停め直そう。

……動きません。ドライブに入れようが、バックに入れようがタイヤが空回りします。

これは帰りに撮った写真。左側の道から来て、そのまま真っすぐつっこんでしまった……
これは同じく帰りに撮ったタイヤ痕

詰 ん だ。

ここに至るまでに全然車が行き交うことがなかったので、マジで詰んだと思いました。が、ふと気づけば後ろに軽トラが停まっています。

おじさん「スタックしたん?あー、ここで牽引できそうやな、なんかそういう道具入ってる?」

おじさん(神)ー!!!

まっじで運が良かったです。

  • スタックしてすぐにおじさん(神)が通りがかかったこと

  • レンタカーに牽引の道具が搭載されていたこと

  • おじさん(神)がスリングベルト(林業で伐倒の際に使う道具)を持っていて、軽トラとレンタカーを繋いで引っ張ってもらえたこと

おじさん「何でわざわざそんなぬかるんだとこ入って行ったん」

正論だよ……おじさん(神)……
おじさん(神)曰く、やっぱりほとんど人が通らない道らしいので、おじさん(神)が運よく通りがからなかったらマジで詰んでました。おじさん(神)のおかげで無事に脱出。

ついでに白鹿権現についても教えてくれました。

▼そもそも白鹿権現とは

白鹿権現の近くには「熊野神社」があります。熊野というだけあって、由来は和歌山県ではないかとのこと。おじさん(神)も詳しくは知らないご様子でした。

白鹿権現自体は、猟師が鹿や猪の骨を奉納し、その年の豊猟を願う場所なのだそうです。「白鹿」は「シシ」と読みますが、猪のことなのだとおっしゃってました。

おじさん(神)本当にありがとうございました。

白鹿権現の入口に到着

スタックした場所から走ってすぐ、右側に空きスペースがあったのでそこに車を停めました。あの、もう車好きな方は気づいたと思うんですけど、この日借りたレンタカーは「プリウス」でした。人生で初めてこんないい車運転した……。

もっとレンタル料安い車で良かったんですけど、予約がいっぱいで取れなかったから、まさかのプリウス。ごめんな、泥だらけにして。あと、ハンドル戻さないままに駐車してしまってるところから、私がいかに運転下手クソ侍かがわかると思います。

▼まずは熊野神社に詣でる

フォントが怖い看板が目印

白鹿権現に行くには、橋を渡って鳥居をくぐり、右手に行く必要がありますが、まずは無事を祈願するため階段を上がったところにある熊野神社に行きました。

前日から朝方まで降っていた雨の影響で川は少し濁り気味
川を渡った先に趣のある鳥居。一礼してから階段を上る
苔むした狛犬に出迎えられる
引きちぎれた注連縄。ドウシテ
無事に白鹿権現に辿り着けるようにお祈り

熊野神社の本殿はこの後ろにあります。手前の引き戸は一応開きました。賽銭箱がめちゃくちゃ奥に配置されていて戸惑いましたが、中に踏み込むのは良くない気がしたので、入口の横に御賽銭は奉納させて頂きました。

▼いよいよ白鹿権現を目指す

フォントも怖いけど文字色も怖い

お参りを済ませたところで階段を下り、看板に従って白鹿権現を目指します。道なのか道じゃないのかよくわからない道を歩くとすぐに、

来ました。鎖です。

これが白鹿権現に辿り着くためのハードルその2です。ほとんど垂直の岩を鎖を頼りに登らなくてはなりません。おうおう舐めんな、こっちは普段在宅リモートワーカーで、酷い日は1日の歩数100歩以下なんやぞ???

とはいえ、予め予習していたのでしっかり手袋を持ってきていました。行かれる方は滑り止め付の手袋と歩きやすい靴で行ってください。本当、危ないんで。予習の際にはこちらの動画が役立ちました。登ってる様子も撮ってらっしゃいます。

前日~朝方まで雨が降っていたので、足元はぬかるみ、石はつるつる滑るというオマケつきでしたが、「常に足を滑らせるかもしれない運転」で自分を操縦していたので、大丈夫でした。滑落したらマジで死ぬ可能性あると思ってたので。

3本の鎖を経た先には岩。右の写真はワイヤーに擬態していた蔓

途中で鎖がなくなって岩だけになります。ここはもともと岩が滑りやすいようなので、気を抜かずに行きました。

到着しました!白鹿権現です!

白鹿権現の写真いろいろ

ここからはとりあえず、白鹿権現の写真を見て頂きたいと思います。

▼"場"にいる時に感じたこと

おびただしい数の骨、骨、骨に埋め尽くされた白鹿権現ですが、不思議と怖さは感じませんでした。むしろすごく落ち着いた心持ちで(来られたという事実に興奮はしていましたが)、「本でも持ってきたら良かったな」と思ったりしていました。なんというか、その場にずっととどまっていたかった感じ。何でだろう。

何年にも渡って奉納され、積み重ねられてきた歴史が確かにあって、古い骨は朽ち果てていて、真新しい骨にはまだ角がついていて。これらの骨が全て人骨だったら無理だったと思いますが、動物たちの命を頂いて、生きているんだなぁと、感慨深かったです。

時折山の中から猟銃の音が聞こえていました。

決していい天気ではなかったけれど、それがまた良かったのかもしれない

奥にはお社があって、紙垂が張り巡らされてましたが、さすがに奥にずっといることはできませんでした。お参りして、あとは入り口付近を見ていました。骨は、山からはぐれていた子だけ触って山に戻しましたが、それ以外は触りませんでした。触りたくないのではなく、触れてはならないものだと思ったからです。

紙垂の後ろには洞窟が広がっている

写真を見返しても、やっぱり行って良かったなと思いました。結構写真撮ったと思ったのに、今見ると物足りない。もっと一つ一つの骨と向き合えば良かったのかもしれない。

辿り着けて良かったです。ありがとうございました。

おまけ:帰路と臼杵市観光

さて、登ったからには下りなければなりません。登ってる時にも思っていた、「これ下りの方がハードル高くない?」という思いは間違いではありませんでした。

▼登りも下りもハードル高い

ずっとこういう風景見ながら下りなきゃいけない

斜面の方に身体を向けて下りていくか、斜面を背に下を見ながら下りていくか迷いましたが、斜面を背に下を見ながら下りていくことにしました。足場が確固たるものであるか確認する必要があると思ったからです。気を抜くと滑る、ので。

途中で気力がもたなくて座り込んだ時の写真

無事に下りられた時はガッツポーズでした。再度、熊野神社に無事に白鹿権現に辿り着けた御礼を伝えてから帰りました。

川でカニを見つけて「カニさんだー!」ってはしゃいだ時の写真。無事に帰ってこれたからこそ

▼臼杵大仏と満月寺も観光

無事に下界に下りられたので、臼杵市の観光スポットである臼杵大仏とその近くの満月寺等も見てきました。こっちはそこそこ観光客いらっしゃったし、観光バスも停まってました。

左上:満月寺、右上:臼杵大仏、左下:観音石仏、右下:寺にいた人懐っこい猫チャアン

石でできた大仏様たちも、もちろんすごかったんですけど、その前に無数の骨見てるんで、面構えが違う感じで拝観してしまいました。

満月寺にいた猫チャアンが可愛くて「あら~猫チャアンだ~!」みたいに話しかけてたら、寺の人が近くで畑作業していたことに気づき、大変気まずい思いをしました。人間が猫より気配を消さんでくれ。

自由に撞いていいよって書いてあったので、ありがたく一撞きした

行きたい行きたいと思っていた白鹿権現。気軽に行ける場所ではありませんが、また行きたいな。

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