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【日記】少しだけくみひも群の話

M2の夏があっという間に終わりそうです。
まだ7月ですが、一瞬で終わりそうだし、8月は目まぐるしい忙しさだし、キリがいいのでこれまでの振り返りを書いてみようと思います。(※結局、組み紐群についての詳しい解説は書けませんでした。楽しみだーって言っているだけの日記になりました。)

数学専攻の大学院では、概ね前半、一冊の本を選んで集中的に精読をします。先生に厳しくツッコミを入れてもらいながら、数学書の読み方を習得しつつ、専門分野の知識を仕入れます。

私が読んでいるのは、Kassel & Turaev の Braid Groups という本です。

Braid group とは、日本語でいうと組み紐群のことで、
何本かの紐が絡み合ってできる図形そのものの性質を
代数や幾何、解析の観点から理解したり、
逆に、そこで得られた知見を数理物理など様々な分野に応用したりします。
一般向けの記事はこちらの河野先生の記事がわかりやすいかも。

もしくは、ζ walker さんのこちらの解説動画。面白すぎてジェラス。

いつか自分でもくみひも群の解説記事を書きたいですねぇ。
組み紐という名前の方が日本人には親しみやすそうですが、ブレイド群という名前の方がかっこいいので以降ブレイド群と呼ぶことにします。
名前がかっこいいの大事。

大学院を受験するにあたって現指導教員に提案されたのがこのブレイド群にまつわる研究テーマでして、「ブレイド群!超面白そう!」という勢いでそのまま来ました。
一年少々勉強してみると、代数も使うし(非可換の無限群だし)、代数トポロジーもめちゃくちゃ使うし(ひもなので)、解析も使うし(超幾何関数とも関係ある)、思いがけず様々な広がりがあることが分かり、全く飽きることなく楽しく勉強しました。Kassel 先生 & Turaev 先生の本も絶妙に勉強になること続きでとてもいい本でした。
大学院に進学する前は数学にまつわることならなんでも楽しく勉強していたように思うのですが、数学に関する興味はいつの間にかかなり専門に絞られてしまいました。それもまた院生の階段を上っているようで嬉しいです。

今日は、この本の目標としていた内容(全てではないですが)をひとまず読了しました!いよいよ論文精読に入って、研究のフェーズに入ります!楽しみだ!わーい。

神妙な顔をして、

「これまで長きに渡り、時に温かく励まし、時に厳しくご指導してくださり、ありがとうございました!」

と小学校の卒業式のモノマネで指導教員にお礼を述べたら、右から左に鮮やかに受け流されました。(※とてもいい先生です。)

さて、右から左に受け流すといえばムーディ勝山。ムーディ勝山といえばカッツ・ムーディ ( Kac-Moody ) 代数で有名なMoodyです。(ムーディ勝山が一世を風靡したのは15年前ですって。うわぁ……。もう余裕で15年くらいテレビを見ていないのですが、そろそろやめないとね、これ。)ずっと Moody にたどり着きたくてここまでやってきました。

ブレイド群と自由群の半直積の既知の表現からブレイド群の新しい表現を構成する方法である Long-Moody Construction について論文を読んでいきます。論文だ!楽しみだー!わーい!わーい!!!(夏だ!プールだ!みたいな勢いだな。)

大学院生活の細かい話はまた論文を書いてから振り返ろうと思います。

それではまた。

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