見出し画像

自殺を考えたけどやっぱりやめた

最初に忠告しておくけどこれはマジでくだらない話なので読むなら覚悟して読んでください。


最近、自殺を考えてた。理由は「年末に付き合ってた人に振られたから」というクソみたいに女々しいものだ。

いい年したおっさんがどんだけ無様かと思うかもしれない。自分でもそう思う。だけど、実際、年を取ると心がどんどん弱くなるんだ。若いうちは失恋したところで心が若いから比較的あっさり気持ちを切り替えられる。その分勢い余って境界線を飛び越えてしまうやつもいるが。
まあでも年を取ってくるとそうじゃない。精神が鈍って弱くなる。今まで蓄積された経験や固定観念が枷となって、環境の変化についていけなくなって、またひとたび依存してしまった何かが欠落したり損傷したりすると、そこからの回復が難しくなる。いい年したおっさんやおばさんが恋愛で取り乱す様は無様で滑稽極まりないけど、それは当然なことでもある。

「いくつになっても恋をしよう」なんて、よく頭のゆるいやつが馬鹿げたことを言ってるけど、少なくともいい年したやつが本気の恋なんかするもんじゃない。無様で滑稽で、そのうえ心が耐え切れないからだ。
恋するなとは言わない。でも節度はわきまえたほうがいい。若いうちに決めた、もしくは決まってしまった自分の人生を粛々と受け入れた上で、たまに嗜む程度の恋愛をしつつ、もっと他のことに熱量を傾けたほうがいい。俺はそう思う。だが俺はいい年して本気で恋愛してしまった。そして破局した。

「このまま生きていてもいいことがないし、この辛さに耐え切れない、だったら死んでしまったほうが楽なんじゃないか」なんて考えた。マジで。住んでいるマンションの屋上から飛び降りることを考えた。飛び降りる直前に彼女に連絡したら彼女の心に一生消えない傷をつけてやることができるとか、それも悪くないな、とか考えた。性質の悪いメンヘラじみた最悪の発想だ。

実際に飛び降りて死ぬイメージもしてみた。なるべく鮮明に。
冬の夜風が肌をかすめる数瞬の浮遊。その後、身体がものすごい勢いで地面に叩きつけられる。全身を駆け巡る衝撃。だけどすぐには死ねない。凄まじい痛みが全身を引き裂く。目の前には自分の血で染まったアスファルトが見える。飛び降りる寸前まで失恋のことで頭がいっぱいだったのに、もう今は物理的な痛みしかない。「どうしてこんなことをしてしまったんだ!?」という後悔と共に、意識は薄れ、何人かの顔が浮かんでは消え、苦しみと後悔の中で人生の幕が下りる。
そんな幕切れを想像した。そうしたら逆にとても怖くなった。すげえ痛そうだし。自分は想像力が過剰で、良くも悪くもいろんなことを頭に思い浮かべてありもしないことまで妄想してしまう。だから自分が失恋を苦に自殺する姿も鮮明に想像できてしまった。なんか本当に痛そうだしバカそうだった。

なんか、本当に痛そうだしバカそうだったから、死ぬのはやめた。

俺は俺だ。自分のために生きている。他人のためじゃない。恋愛が終わってこの世の終わりみたいに病み散らかして自殺するなんてバカバカしいことこの上ない。俺はこの世界の主人公で、彼女は一時的に仲間になってくれたけどストーリーの進行上離脱したサブキャラだ。離脱は悲しいことだけど、それで冒険が立ちいかなくなるのは自分が強くなるのを忘れていたからだ。

「生きていればいいことある」とか「死んだら悲しむ人がいる」とか「何があっても死んでは駄目」とか、そんなどっかの誰かが抜かす薄っぺらい綺麗事はどうでもいい。反吐が出る。死にたいやつは勝手に死ねばいいと思う。俺も死にたくなったら勝手に死ぬ。
ただ、俺の人生というRPGはまだ進行中だ。本当にクソみたいなシナリオのRPGだと思う。設定にも全然魅力を感じないし、NPCはいけ好かないやつばかりだ。だけど始めてしまったからにはちゃんとエンディングまで到達したい。
どうせいつかは死ぬ。だから生きている間はやりたいことを好きなようにやって、せいぜい面白く生きることにしようと思った。俺は主人公だからだ。

Twitter:https://twitter.com/haru_yuki_i