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正直者のエンターテイナー|吉田仁人 『Find Myself』 感想


ライブレポートというより感想文。というか、ほとんど自分語り。私の目には、23歳になるM!LKの吉田仁人くんがこう映りました、という覚え書きです。

吉田仁人 23rd anniversary LIVE 『Find Myself』に参加しました。余韻に溺れながら書きたいだけ書いていたら、誕生日も残り数時間になってしまった。

仁人くん、23歳のお誕生日、おめでとうございます。


1.『感電』 米津玄師

あのイントロで始まる曲を最初に持ってきたの天才だったなぁと、今になって思う。イントロに合わせバッッと幕が開く。照れと不敵さが共存したような笑みを浮かベて、仁人くんが出てくる(そんな表情だった気がするけど幻想だったらごめんなさい)。“It's Show Time!”を表すお手本だった。そして歌い出しの〈逃げ出したい〉。一瞬で引き込まれる。鳥肌が立つ。てか、え、声が良すぎる。

会場は円形のステージを360°取り囲む、品川プリンスホテルClub eX。私は正面右手側、1階最後方のソファー席だった。表情の細やかな動きまでは照明の暗さもあって見えづらかったけれど、同じ目線の高さで等身大の動きがしっかり見えた。十分近かった。サビまではステージを周りながら歌っていて、すごい、すぐそこに仁人くんがいる……と思考停止状態。ちょっと走れば触れる距離にいる仁人くん、めちゃくちゃ背が高くて大きかった。そんなの聞いてない。かっこいい。

横顔メインとなる席から見る、サビの〈たった一瞬の〉がさ、もうさ、すごくて。左手でマイクを持って右手を高く掲げるあの歌い方。音の高さとともに手も上がる、全身で音を操るような歌い方。ウア〜〜〜〜。

〈お前はどうしたい?〉の語尾の余韻、色気が凄まじくてクラクラした。あと、〈愛し合う様に喧嘩しようぜ〉って歌詞、なんか、めちゃくちゃ仁人くんだな……と思った。説明はできない。


2.『夢がまだ』 吉田仁人ソロ曲

記憶が、ない。
音源化はされていない(よね?)ソロ曲。あ、あれだ……! とはなった。でももう本当に記憶がない。悔しい。絶対よかったのに。曲調も好きなのに。

このあと、バンドメンバーの皆さんが入場。1ヶ月以上準備してきたのにもう終わっちゃう、寂しい、と早々に話す仁人くん。いやまだ2曲目ェ! って私の中の粗品が突っ込んだけど、話し方から少し緊張が伝わってきて、ちょっとね、心臓がぎゅっとなりました。


3.『SUN』 星野源

生バンドの迫力を思い知る、の巻。
音源を流すのと何が違うかって、イントロの吸引力だと知った。生バンドのライブ未経験ではないけれど、同じ会場で音源とバンドの両方を聴けたからこそ違いを実感できた。ドラムのカウントから4人の楽器が一斉に鳴る瞬間、音に全身を包み込まれる。すごかった。脳内でドワーーー言うてた。

誰もが知る名曲。それを仁人くんの歌声で聴くと、私は原曲とはまた違う世界観を感じた。星野源さんにはあまり詳しくないけれど、少し鼻にかかったまろやかな歌声の印象がある。国民的お兄さん、というイメージ。仁人くんの『SUN』にはまろやかさよりは透き通ったまっすぐさがあって、一枚の白紙がドアの隙間をスッと通り抜けるような絵が浮かんだ。え、絶対伝わらん。難しい。

優しい愛の歌みたいだと思った。原曲も愛の歌だけれど、仁人くんの場合は国民的というよりは、たったひとつを抱きしめるような優しい声をしていた。ノイズの混ざらない綺麗で凛とした歌声を、改めて実感できた。


4.『ブルーベリー・ナイツ』 マカロニえんぴつ

私は仁人くんを「ステージに生きる人」だと思っている。それは「ステージ上にいるときが一番生き生きと輝いている」という意味なのだけど、今回、その印象が少し変わった。

仁人くんはここで歌詞を間違えて、自らバンドを止めて膝をつきながら「もう一回歌わせてください」とやり直した。あ、やっぱり緊張してるんだ? 小さく丸まったかわいい背中を見ながら意外に思う。やっぱり、というのは前述のように『夢がまだ』が終わったあとのトークにも少し緊張を感じたから。

歌詞こそ間違えたけれど、私は曲中、全くそんな固い雰囲気を感じなかった。自由にのびのびと歌っているように見えた。だからとても不思議だった。トークの様子からは確かに少しだけ緊張が伝わるのに、なんで曲中は、それが表に現れない?

肝っ玉の座ったステージ上で輝く人という印象だったけれど、そうではなくて、彼は緊張という人間らしさの塊を抱えたまま、あるがままの姿でステージにいるのかもしれない。その上で「魅せる」「歌う」「踊る」という確固たる意志、意志というかもう彼の本能のような何かが、内に秘めた緊張を凌駕している。だから、音が鳴った途端、不安定さが姿を消す。……そんな感じに、見えた。

「ステージで生き生きと輝いている」はもちろんだけど、正も負も全部をひっくるめた「生きる」と、「ステージに立つ」が、彼にとってはイコールなんだろうな。伝わりますかね……。言語化難しい。悔しい。

ちなみに歌詞を間違えたテイク1は仁人くん的に存在しないものなので、そんなものを見たという人は海馬を握ると仰っていたので、これを最後に私は記憶を失くす予定です。あなたに握られるならもう本望ですわ。



5.『エンディング』 back number

仁人くんがギターを抱えた時点で、あ、え、やばい、と予感した。でも、イントロコンマ3秒で違う意味で「終わり」になってしまいました。これぞエンディング。


back numberは、あかん。


14歳で聴いた音楽がその人を形成する、そんな話を耳にしたことがある。私にとってのそれはback numberだった。イントロが鳴った途端捻り潰されたような声が出(そうになっ)た。後ろがいないのをいいことに前屈みで聴いていたのに、思わず背もたれに倒れ込んだ。中学高校時代の私は、キスマイとback numberと阿部真央によって創られたようなものです。

今調べたら『エンディング』のリリース年が2012年で震えた。マジの14歳。手のひらサイズのウォークマンで聴いていた曲たち。勉強中にイヤホンしてたら母に怒られたテスト前。『幸せ』の歌詞画をLINEのトプ画にしていた、かなり痛痒い記憶。そんな日々の欠片が詰まった音楽を仁人くんが今、熱量たっぷりに歌っている。しかもギターで弾き語り。もう、もう、なんか、夢かと思った。てか夢だった。同じ時代を生きてきたことを、何よりも一番実感した。

会えないと思うほど こみ上げてくる
同じ場所で同じものを 見てたはずなのに

back number『エンディング』

ここ、すごかったなぁ。吉田仁人の本領発揮。


アンケート企画&サプライズ

「皆さんに書いてもらったアンケート一旦読むから、黙って見ててください」

ウケた。360°囲まれている状況を、しっかり補足しながらも「四面楚歌」に例えたり、今日は常時、個人ファンクラブの恒例儀式 “後頭部タイム” であることに盛り上がっていたり、「つむじは見えないよね?」と言ったら2階席が一斉に手を上げて「ウワ!盲点!盲点!」ってアヒャアヒャ笑っていたり、「刈り上げは誰にも見えないもんね?……ヘッ」と謎にドヤ顔していたり、アンケートの“ご両親と姉妹でそれぞれ誕生日が一緒”というエピソードでは「(お祝いは)親部門・子部門」と表したり、仁人くん、言葉選びにいちいちユーモアがあって本当に飽きない。いつもちょっと違う角度から言葉が飛んでくる。聞いていて楽しい。

そっと現れたバンドメンバーとだるまさんが転んだをするなどというピースフル空間を過ごし、次の曲に入ろうとしたらキーボードでハッピーバースデーの演奏が流れた。サプライズでお祝い。これ、嬉しかったなぁ。ケーキを見せるために中腰で屈んでステージを一周してくれたのは、気持ちは嬉しかったけどちょっとシュールで面白かった。「初めて生バンドのハッピーバースデー聴いた!!」ハイ、かわいい。たしかに贅沢。バンドメンバーの皆さんとの優しい空気感が伝わってきて、あったか〜い気持ちになった。


6.『Sugar Magic』 tonun

踊り出す 胸の鼓動が

妖しげに囁くような歌い出しを合図に、ほわほわあたたかな空間が一瞬にしてクラブに変わった。この曲は初めて知ったけれど、お洒落な夜のネオンが似合う大好きな曲調だった。M!LKの曲にはない雰囲気だから歌声もノり方も新鮮でドキドキ。

「音に酔いしれる」という言葉は吉田仁人さんのためにある。これはガチです異論は認めません。あの姿を表す語彙を持ち合わせてなくて悔しいけど、ほんッとうに音に酔ってる。あのときだけは自分にも酔ってる。特大級の褒め言葉だよ。目を閉じて口角を上げ、色っぽい音の連なりに身を任せる恍惚とした表情。腰で、首で、腕で、膝で、体のすべてを音に溶かすようにリズムを打つ。「この瞬間が好き!!」って気持ちが、全てを突き破ってこちらの心臓にドカンと響き渡ってくる。この曲の仁人くん、世界で一番輝いてた。

終演後、これが10月にリリースした曲だと知る。仁人くんの音楽に対する感度の高さと、自分のものにしてしまう速さに脱帽。なんか悔しい(?)

歌詞を見ると〈冷めないで醒めないで覚めないで〉と表記が分かれていて大興奮した。そういうの、大好きだ……。〈目くらます夜の帳が〉の「ば」のアクセントが好きだったな。2番のラップ調の低音に痺れた。特に〈剥がれかけのベール〉。ゾワゾワしたもん。M!LKの音楽テイストも当然大事なんだけど、こういう大人で甘美な曲調ももっと見たい聴きたい。

バンドメンバーが顔を見合わせながら心底楽しそうに演奏していたのも最高すぎた。仁人くんではなく4人の表情を見ていたときもあった。そういうの、大好きだ……。この日のカバー曲を一つだけYouTubeに上げられますと言われたら、私はこれを選ぶ。カバー曲を、ならね……(伏線)


7.『魔法の絨毯』 川崎鷹也

キーボード一本で披露されたバラード。打って変わって仄暗い空間に一筋の光が差す中、今までとは逆にバンドの方を向いて歌う姿が印象的だった。

『エンディング』のCメロでも、この曲でも、というか全体を通して思ったこと。もちろん歌が上手なのは前提だけど、個人的に仁人くんはあまり「上手く聴かせよう」としていないように感じる。

歌唱スキルを駆使して巧みに奏でる、というよりは、自分の持ちうるすべてを音と言葉に捧げる、みたいな歌い方だなと思う。命をぶつける感情のこもった歌い方で、情に訴えかけてくる。曲中の人物がそこにいるかのような臨場感が生まれる。だって仁人くん失恋ソングは本当に失恋してるし。こういう誰かを想い慕う曲は本当に愛を抱きしめてるし。

聴きながら、こんな形で仁人くんに愛される人ってどんな人やねん……という中学生のような感想を持ってしまった。


8.『ピリオド』 マルシィ

「これでバンドで歌う曲は最後です」
今一番聞きたくなかった言葉とともに、「大好きな曲」と披露されたイントロ。ウワーーーこれがくるのかーーー。ペンライトを振るどころか、もう持つ力すらなくなってしまった。合鍵、返したくないです。

さっきからド素人が偉そうに歌について語っていて大変申し訳ないですが、仁人くんの低音ってすごいなと思う。掠れ気味にもドスの効いた強い感じにもならず、柔らかな優しさをもって耳に染み込んでくる。私は初めて聴いたときこのAメロに惚れ惚れして宙を仰ぎました。


退場するバンドメンバーを拍手で見送る。生バンドってすごいよね、今いる人がそこで演奏してるんだもん、と興奮冷めやらぬ様子で話す仁人くん。その様子を見ながら、彼のこういう、こちらも感じている心情をしっかり言葉にして伝えられるところが好きだなぁと考えていた。


9.『ノスタルジア』  吉田仁人ソロ曲

作詞:吉田仁人
作曲:吉田仁人

開演前にグッズのリリックブックの記載を見て、無事ではいられないことを悟った。歌詞を見て悟りは確信になった。無理だろ、こんなの。


※超独りよがりな私の解釈で書くから、会場で聴いた人は自分の抱いたイメージを大切にしてください。ン? と思ったらすぐブラウザ閉じてね。


「想い合っている人と離れ離れになる歌」だと捉えた。向こう着いたら電話するね3ヶ月の我慢だね、とかじゃなくて、“決別”を描いている。そこに、自身に力のない学生時代特有の、目の前に重い扉を閉ざされるようなどうにもならない哀しさを感じた。

この曲について話してくれた内容は記憶が朧げで、単語でしか思い出せない。「出会いと別れ」「上京や転職、そういうタイミングで感じる不安」「夢のために離れないといけない」これがメモに残っていた3フレーズ。カス…。


実際に仁人くんの歌声で聴いたら、リリックブックを読んだときとは違う、思いもよらない方向に感情が動いてしまった。自分語りが入ります。

青に染まる照明の中で『ノスタルジア』を聴いて脳内に浮かんだのは、仁人くんの顔ではなかった。浮かんだのは、歌詞通りではないけれど、似たような場面を経験した人だった。踏切の前に立つ学ランの背中。
なんで!? もういいんよアンタは……と、思ったけど、それを蘇らせるこの曲がすごいってことだ。詞を読んだときは浮かばなかったのに、歌として聴いて初めてその光景が思い浮かんだことにも、曲の力を感じた。

私はその頃の記憶が、生涯綺麗なまま仕舞われるであろう宝物になっている。今後どれだけ人に恋焦がれようと、将来誰かを愛することになろうと、15歳で味わったあの無垢な感情は別軸で、別格で、絶対的に不可侵の領域にある。再会したら付き合いたいとか全く思わないし、未練なんてないのにね。

仁人くんにもそういう宝物があるのかな。私はそう受け取った。今の自分にとって一つの過去がこう見えている、というその描かれ方に、共鳴しすぎて痛かった。リリックブックの表紙は青いかすみ草。花言葉は「清い心」らしい。もちろん私の勝手な解釈を押し付ける気はないけれど、やっぱりそういうことなのかなと思ってしまった。答え合わせはできなくていい。でも、仮にそうなのだとしたら、“あの頃”をこうして作品にできる仁人くんが、私は心底羨ましい。

正直に書くとめちゃくちゃ心臓ギュッてなったよ。だってアイドルだと思ってたから。アイドルだという意味で、私は彼を人間離れした存在に位置付けていたから。そっか、一人の人間なんだよね。普段は恋愛トークにおいて頑なにバラエティー回答をしない、リアルさをほとんど明かさない印象があったけれど、この場面でエンターテイナーとしてこんなにも人間らしい心模様を描いてくる。こういうところが人を虜にするのだろうなと思った。

仁人くんが初めて世に出す作詞作曲のソロ曲。
初披露の瞬間に立ち会えたことを、心から嬉しく思います。


10.『Tuna-ight』 吉田仁人ソロ曲

しんみり涙モードで終わると思うじゃないですか。私は思いましたよ。

まだ、あった。

圧倒的な歌唱力でカバー曲を披露し、ギター弾き語りという新たな一面を見せ、普段は聴けない曲調でメロメロにさせ、初の作詞作曲で会場を震わせた最後………、

赤身しか食えない〜〜〜〜!! ♪

最ッ高じゃないかアイドル吉田仁人。忘れられないのがこの曲の指先。小指から親指へ、順番に扇子を閉じるように折り曲げられていく。その動きがめちゃくちゃ好きだった。すっごい吉田仁人だった。私は「吉田仁人」という単語を形容詞だと思っている節があります。

またもや自己的拡大解釈を垂れ流してしまうけど、最後にこのトンチキソングを持ってくることで、「僕はアイドルです」って表明しているようにも思えた。仁人くんは後奏でぐるりとステージを一周して一人ひとりに手を振り、曲の終わりと同時に、後を引かずにサッとはけていった。


ああ、終わった。退場後にもう一度流れた『ノスタルジア』の音源を聴きながら泣いてしまった。信じられないくらいの満足度。だからこそ、まだ観ていたかった。全部の方向から観たかった。一番前で目撃したかった。強欲。

5日経った今でも余韻が抜けないほど、何度も心を震わされました。
仁人くん、最高の空間を届けてくれて本当にありがとう。


吉田仁人Instagram 12月12日投稿


正直者のエンターテイナー

生誕ライブで仁人くんは覚えている限りでも2回、「じっくり聴くもよし、ペンライト振るもよし、自由に楽しんでください」と言った。私はそこに、ものすごく彼らしさを感じた。

仁人くんには「自分は自分のままでいたい」という、固い、頑なとも言える意志を感じる。アイドルとして見せたい/見せるべきでないと考える姿。こんな表現者でいたい、自分はこれでファンに夢を魅せたいという理想。そんな個人の信条が確立している。そしてその分、他者にもその人らしくいてほしいと願っているように見える。その一例が「自由に楽しんでください」なのではないかなと思った。

自分らしさと他者らしさを同じ重さで大切にする仁人くんは、軸が常に揺るがずまっすぐで、それゆえ少し不器用で、ただただまぶしい。

無条件に祝われていいはずの生誕ライブで自分の嫌なところを聞き、「僕のことを好きでここに来てくれてる人には嫌なところも聞きたい」なんて言ってしまう人。
大きな愛に対して正面から向き合い、大きすぎる愛を返す誠実な人。
一度自分に魅力を感じた人をガッツリ掴んで離さない、人間としてとっても深い人なのだなと、知ったばかりのオタクは勝手に思いました。


+++


ここで終わるつもりだったけど、12月14日23時50分の出来事により、追記。

推しをパクったようになりますが、私は言葉と文章が好きです。
知っている言葉の中から、表したい情景、伝えたい感情に一番近いものを探し出す時間が好き。数ある類義語からたったひとつ選び抜かれた言葉に、表記に、句読点の置き方に、その人の感性を感じるのが好き。

こうして素人ながら文章を書き、人と話す仕事をしていてよく思うのは、「言葉を知っている人は、都合よく言葉を並べることもできる」ということ。

私は全然言葉を知らなくていつも歯痒くなるけれど、一度立ち止まって言葉を選ぶように心がけてはいる。すると、「まぁ本心ではないけどこの言い方の方が相手は喜ぶよな」とか、「こう言っとけばこの場は収まるな」というように、自分の心の核からは離れた〈その場しのぎの言葉〉も見つかるようになってくる。

仁人くんから日々発信される文章や挨拶、読書や映画やラジオが好きという情報を見聞きする限り、私は彼を少なからず「言葉を知っている人」だと思っている。

だけど仁人くんは、絶対に嘘をつかない。

YouTubeノリの空気が止まろうと、個人配信で無言の時間が続こうと、〈その場しのぎの言葉〉なんてものを絶対に使わない。言いたくないことは言わない。逆に言いたいことは、時間をかけてでも言う。長文になっても書く。絶対とか決めつけて大丈夫かな、でも私にはそう見える。

正直、アイドルなんだからキラキラっと愛を囁いちゃえばいいじゃん、とも思うのだ。求められている愛をポンと手渡すのも、アイドルとしての一つの解ではないかと思う。しかしそれをしないのが、というか多分できないのが、吉田仁人くんという正直者なのだろう。

かと思えば、誕生日10分前に個人ファンクラブで、それはそれは愛のこもった言葉を贈ってくれた。ほんっっっっとにさー…………。言いたくないことは言わない、そんな人から贈られる愛の言葉には、より一層の重たさと真実味がある。場所を、相手を、時を選んで、心から伝えてくれたのだろうと思える。

その場しのぎで言葉を使わない。
大切な局面で必ず言葉を尽くして気持ちを伝えてくれる。
仁人くんの「言葉」への敬意、「伝えること」に対する誠実さが、もう、ほんとに、一番好きです。


仁人くんを見ていると、マジで謎だけど、「負けたくない」みたいな気持ちになる。自分の人生はアイドル以外考えられない、そう堂々と言いながら「好き」を貫き続ける姿勢がとてもまぶしくて、羨ましくて、負けたくない。アイドルのことをこんな風に捉えて応援してるの初めてなんですがどうしましょう。

確固たる「自分」があるあなたを尊敬している。だけど、それゆえに雁字搦めになってしまうようなことがなければいいな、と謎目線のオタクは思います。ポリシーを緩めるときは緩めて、周りのあたたかな人たちに時には身を預けて、その時々の感情に正直に生きていけますように。
23歳、おめでとう! 応援させてくれてありがとう!

おしまい!

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