今自分に関係ありそうで全く関係ないがなんとなく気になりニュースになっていれば目を通してしまう話題といえばオリンピックを果たしてやるのかやらないのか問題だろう。今日(2021/5/25)あたりがそのピークかもしれない。ニュースやメディアの論調はいかにもこの状況でオリンピックってどういうことや、というのが国民感情である、といった感じ。しかし聖火ランナーによるリレーはどうやら粛々と行われており、芸能人ランナー達が予定通りやってもやらなくても、賛否両論らしい。だいたい世間の声というのはアレルギーを感じてる側が大きい声を出すものなので、どちらにせよ、そしてそれが誰にせよ文句の声のほうが大きくなるには違いない。これはいつもの風景だ。

しかし個人ではどうだろう。正直、オリンピックが開催されたとてもう現場に見に行ける可能性はないのだろうから、新型コロナに罹患するリスクなんか自分に限って言えばたぶんないのではないか。とも思う。そうはいっても準備だとか密な選手たちがとか、よくわからないが運営しているだけでコロナが広がるだろうとかそういう予想は確かにある。外国人もたくさん入国することになるわけだから。

一方でやらないことにすると果たしてどうなってしまうのか、違約金がどうとかいってるが正直なところそこも詳しくはわからない。専門家でもないのに専門家のように語る人々が、違約金なんか本当はないのだ、といっているのも聞いたし、その真偽を確かめるすべも気力も、自分には正直何もない。究極興味もないかもしれない。ならなぜニュースを見ているのかということなのだが。

ここまで考えてふと、これに似た状況を過去に経験したことがあるような気がしてきた。それは例えば前々から楽しみにしていて、でも滅多に自らやることはないのだけど誘われたもんでとっても楽しみにしていたキャンプを予定している日にたまたま何十年に一度の規模の台風が日本列島を直撃するらしい、とかいうそういう状況である。こういう経験なら皆さんわりとあるあるなのではないか。そしてそんなとき、あなたなら果たしてどういう決断を下すのだろうか。皆んながそれでもいくというから行く？それとも皆んながやめようかというからやめる？

大雨の中のキャンプなんか初心者にはろくなことにならないだろうから面倒臭いな。

そう、面倒臭いな。きっとやめといたほうがいいに違いない。

...だけどこんなチャンス滅多にないのに。キャンプになんか誘われたの人生で初めてだし、すごく楽しみにしてたのに。うーん。どうしようか。行けば楽しいかもしれないし、予想通り最悪なことになる可能性も勿論あるだろう。なにか思ってもなかった事件が起こって、それを普段あまり関わりのない今回初めて一緒に遊ぶような人たちと対処するようなことになって、それで意外と人間性なんか見えちゃって、誰かを好きになったり嫌いになったりするのかもしれない。生涯の親友とか運命の恋人とか、こういうときに出会うのが相場と決まっていたのではなかったか。あるいは事件どころか事故が起こっちゃって、やっぱり行くべきではなかったのだと一生後悔するのかもしれないし、その逆に後々歴史に名前が残るような巨大台風にぶち当たり、ものすごい雷とか雄々しい雲とか信じられないような虹とかを目撃したりして普通では得難いような映画みたいな極端にすごい経験をして最高の思い出になって死ぬ間際に思い出しちゃうような、孫に自慢げに聞かせて、またその話か、と言われるようなそういう色鮮やかな日になる可能性だってあるわけだ。同行者に百戦錬磨のプロがいたりするといろいろ奇跡を目の当たりにしたりするよね。もしくは、というかおそらくは全然普通の、いたって普通のただの、単純なありきたりのキャンプの思い出になる可能性がかなり高いのではあるが。

想像だけならどんなことでもあり得るのだけど。...ただこういう時の結論はまあ決まってる。

「どっちでもいい。」

のだ。皆んなが行くなら行くだろう、行かないならそれも少しほっとするだろう。とにかく自分が中止あるいは決行の主犯にならないようにだけ気をつけて様子を見ようか。人生において自分が勝負に出るような日はあまり多くならないようにしなければならない。

...だってどっちでもいいもん。そうだろ、あなただって。

ただ困る場合が一つだけあって、それは自分が言出しっぺのとき。そのときは本気で悩むことにしよう。