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チベット仏教の聖地、秘境・ラルンガルゴンパへ! vol.1

2015年の夏、9日間の夏休みを余すことなく活用して、中国は成都から康定を経由して、甘孜(ガンゼ)、色达(セルタ)、そして喇荣五明佛学院(ラルンガルゴンパ)なる僧侶だけの奇怪な街に行ってきた。

この辺りには観光客はまだ多くはなく、特に外国人はあまり見かけない。しかし、急速に観光地化が進みこれからどんどん増えていくと思われる場所だった。
中国の悪いところは、観光地化すると、その地に元よりある素晴らしい文化財や暮らしなどを根こそぎぶち壊し、それっぽい偽物を作ってハリボテ化してしまうところだ。それは中国に限らないことなのかもしれないが、少なくとも日本以上に、自国の文化や建築物を大事にしない。文化大革命自国の素晴らしい文化物をぶっ壊しまくった国だから、今のために昔を壊すのは厭わないということなのかも知れない。温故知新という言葉を生んだ国なのに・・・。

話が逸れたが、その時私は、変わってしまう前にこの目で見たい、行くなら今しかないと思い立ち、夏季休暇の9日間で行くことに決めたのだった。
私は、旅は基本的にスケジュール通りにいかないものと考えているので厳密にスケジュールを組むことはしない。スケジュールどおりに行動することなど、土台無理だし、そんなの面白くない。とはいえ社会人になると昔みたいな帰国までに余裕のある旅はできないので、せめて大雑把にはスケジュールを立てる。
この時も大まかに飛行機の到着から帰りの飛行機まで軽くスケジュールをシミュレートしてみた。
アクセス方法を調べると、ラルンガルゴンパに続く街の甘孜まで行くバスが成都から出ている。最初が肝心なので、成都から甘孜へ行くバスの時間だけ調べておく。それ以外は成り行きに任せる。
しかし、便利な時代になったものだ。片田舎の街へのバスの時間が調べられるのだから。
ネット時代の恩恵を噛み締め、バスターミナルの場所とバスの時刻表と、それから甘孜からラルンガルゴンパの近くの色达までのアクセス方法のみ調べる。案の定、甘孜から先の行き方は見つからなかった。
ただ、かなり少ないが、行ったことのある人の旅のブログが見つかった。いやいや、これで十分。何と言っても生の情報だ。

まあ、こうなると、結構な強行スケジュールとなることが予測される。
しかし、行かない選択肢はない。

私のこの旅の目的の一番の目的は、チベット仏教の僧侶(ラマ)ばかりが住むラルンガルゴンパを見ることだけでなく、ここで行われている鳥葬がどんなものか見に行くとこだった。

そう。鳥葬を見に。

学生時代、考古学を専攻していた私は、卒論のテーマに中世鎌倉の葬制・墓制を選び、日本のそれの移り変わりを調べていた。
その時に鳥葬を行うチベット地域の生死観に興味を持ったのだ。日本でも遺棄葬、風葬が行われていて、鳥葬と近いものがある。
チベット仏教の地でも、鳥葬を行うところは減りつつあるという。チベット自治区に行けばまだ見られるが、なにせ外国人が自由に旅をできる地ではない。だから諦めていたのだか、東チベットでも鳥葬が見られるし、偶然、昔聞いていたよりも行けるようになっていることを知った。

これはもう行くしかない、ただその沸き立つ思いに、突き動かされていた。その時私は、行くことが使命のようにすら感じていたのだから。

つづく。
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未熟ですが書くことは好きです。もっとたくさん書いていけるよう頑張ります。