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タジキスタンの旅〜旅仕舞い〜

これを書いている私は今、空港にいる。
旅に出ていて、帰途に就くところだ。
まだ書きかけの旅行記があるけれど、これについては今でなくては書けないので、したためておこうと思う。

旅の終わりはいつもあっさりしたものだった。うっかりするとそのまま日常に突入しかねない。
空港で出会った人たちの顔を思い返す。わざわざ感傷に浸りたい訳ではないのだけど、このままするっと日本に帰ってしまうと、旅が終わった気がしないのだ。
要するに、「仕舞い(終い)」の「まとめ」が必要なのだ。

そこで、今回の旅をサマってみようと思う。推敲なしなので、取り留めのない駄文になること、ご容赦願いたい。

旅のルート

ロシアのウラジオストクから始まった私の今回の旅は、11日間。目指すのはタジキスタンのパミール高原だった。
タジキスタンがどのような国なのか、いやその前にどこにあるのかですら、知っている人はそう多くないのではないだろうか。私も旅の目的地に定めるまでよく知らなかった。だけどパミール高原は、地理や歴史の授業で聞いたことはあるかと思う。

初日はウラジオストクで一泊し、翌日ロシアのノヴォシビルスクで乗り換え、キルギスのオシュへ。キルギスは2回目だが、オシュは初めてだった。オシュはあくまでパミール高原へ向かうための通過点に過ぎず、あまり観光を考えていなかった。
オシュからシェアタクシーで南下して、タジキスタンのムルガブへ向かう。

私が乗り込んだムルガブ行きのシェアタクシーは、それはもう小さいうえにオンボロで、ムルガブに至るまでの道のりは、まったく平坦なものではなかった。

ムルガブは標高3600mの高所。深夜というより明け方近い3時頃にようやく到着。
数時間の睡眠をとり翌朝、いよいよパミール。車をチャータてパミール高原を走り、ホーローグを目指す。ホーローグはアフガニスタンとの国境沿いににある。ムルガブから西に伸びるパミールハイウェイをひた走り、たどり着く先にある街だ。

私をひとり乗せ、車はパミール高原を走る。
パミール高原は荒涼とした大地の黄土色、その中に流れる川や湖の水色、その周辺に生茂る緑色。そして空の群青色。目に入る全ての色彩が美しく、ずっと見ていたくなる風景だった。
紫外線も強い。

ホーローグで一泊し、翌日はワハーン回廊入り口のイシュカシムへ。アフガニスタンとの国境となるほんの数十メートル程度の幅の川に沿ってひた走る。
ここを目指したのはワハーン回廊を見てみたかったのだ。結論、ワハーン回廊へはやはりアフガニスタンに入らないと、外側の道から眺めたところでわからない。

ホーローグへ戻り、翌日、旅の終着の地であるタジキスタン首都、ドゥシャンベへと向かった。到着までに要した時間は12時間。

これが、今回の旅の行程だ。

出会いあり、別れあり。

チーム・オンボロカー

ムルガブに至るまでの道のりは、先ほど述べた通り、まったく平坦なものではなかった。なにせ、私が乗り込んだムルガブ行きのシェアタクシーは、それはもう小さいうえにオンボロで、故障を繰り返しながらの蝸牛の歩みだったのだ。

しかし、左様な状況だからこそ、オンボロカーのメンバーの間に妙な一体感を感じたのも事実。イベントが多い方が打ち解け、仲間意識が生まれるものだ。

エンジンストップは幾度もあったしタイヤ交換もした。だけど一番大きなイベントは川に浸水しかけたことだろう。前を走る車の運転手のお兄さんが助けてくれたのだが、その行動がイケメンすぎて惚れそうになったくらいだ。

そのあと、タジキスタンのカラコル湖付近で軍人風の男性をピック。ムルガブまでの旅の同行者に加わった。
この男性にはどういう訳かわからないが気に入られ、あれこれありつつ、そんなこんなで、ムルガブに到着したのは深夜3時近く。私たちは民家にホームステイさせてもらったのだ。
だけど、こうしてキルギスのオシュからタジキスタンのムルガブまでの苦楽を共したオンボロカーの仲間ともここでお別れだった。
ちなみに男性からはキーホルダーをもらったのだが、速攻で失くした。

思いがけず仲良くなったドライバーとその友人

ムルガブでの朝、私はパミール高原の道、パミールハイウェイを行くため車をチャーターした。
ムルガブからホーローグ、翌日イシュカシムに連れて行ってくれるドライバーは、アルセーヌさん。ただのドライバーであるが、やはり他にメンバーがいない2人旅となり仲良くなった。 仲良くなりすぎてプロポーズされたくらいだ。もちろん冗談だ。
ホーローグで胃痛のため病院にかかった際、タジキスタン通貨のソムニが足りず、立て替えてくれたりと、だいぶ面倒を見てもらった。

そして、ホーローグでのアリーさんとの邂逅。アルセーヌさんの友人で中国語が話せるアリーさんをパーティに加わえ、私たちはイシュカシムの旅を共に過ごした。
イシュカシムで一泊し、再びホーローグへ。アルセーヌさんやアリーさんとはここでお別れだ。アリーさんとは翌日ばったり街中で会うのだが、またそれは別で語ろう。
他にも出会いや別れは繰り返し訪れたが、旅は出会いと別れの繰り返し。旅とはそういうものだし、一抹の寂しさも旅を彩るスパイスなのだ。

さて、こんなこんなで今日という日を迎えた。
今、これを記している時、飛行機の中にいる。お別れである。
タジキスタンという国が、これからどんな国になるのか分からないけど、私はここで出会った人たちが皆とても好きだし、またいつか来たいと思う。最後にありがとうと言いたい。アリーさんやアルセーヌと話す中で、色々と考えたり思うところもあるが、ひとまずこれで、旅仕舞い。

#旅 #バックパッカー #タジキスタン #パミール高原 #旅の出会いと別れ

未熟ですが書くことは好きです。もっとたくさん書いていけるよう頑張ります。