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エリザベート・ガラ・コンサート スペシャル版ライブ配信を見て考えた#1の人生

ガラコンサートとは「記念公演」「祝祭」の意味

 GW最終日の今日は13:00から『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』のアニヴァーサリースペシャルバージョンをライブ配信で視聴しました。「ガラコンサート」というのは、「記念公演」「記念演奏会」「祝祭」という意味で、通常の演奏会や公演と異なり、ソリストの演奏を中心に組立てられるものです。「エリザベート ・ガラ・コンサート」もコスチュームを付けるバージョンやちょっとフォーマルな衣装でマイクで歌うバージョンなどがありますが、ミュージカルではなく、コンサートなんですね。エリザベートは劇場で宝塚版、東宝版とも何度も見ていますが、「ガラコンサート」は初めてだったので、マイクを持って歌うトートやエリザベート は不思議かつ新鮮でした。

ライブ配信・ビューイングで4万2千人が視聴

 4月5日に梅田芸術劇場メインホールでスタートしたこのコンサート、緊急事態宣言の発令で4月28日から千秋楽の今日まで公演中止となり、無観客ライブ配信と映画館のライブビューイングのみとなりました。終演後に登場した演出家の小池修一郎先生によれば、ライブ配信は3万6千人(自宅で見ているから、家族を入れればもっと多いはず)、ライブビューイングは約6千人の視聴があったそうで、1972席のシアターオーブのチケットは払戻しになりましたが、今日だけで4万2千人以上の人が視聴し、単純に計算すると1億7200万の収益が上がったのですから、ライブ配信・ライブビューイングの威力は凄いと思います。コロナ禍でこの1年、エンタメ界は休演続きで苦しみましたが、ライブ配信が一挙に普及したことは、長い目で見れば良かったのではないでしょうか。

89期のスターが初役で集結したスペシャルバージョン

 今日のスペシャルバージョンは宝塚の本公演でその役をやらなかったスターが演じるという特別なものでした。そしてもう一つの特徴は、音楽学校の89期生が勢揃いしたことです。メインキャストのうち、望海風斗、夢咲ねね、明日海りお、七海ひろき、純矢ちとせ、大月さゆの6人が89期で同期生なんですよね。この期はスター揃い、綺麗な人揃いの「美期」でした。

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 主役のトートは4月11日に退団したばかりの望海風斗。彼女は本公演ではルキーニでした。エリザベート は1幕が元星組トップ娘役の夢咲ねね(2005年に月組の新人公演でエリザベートだった)、2幕が元花組トップスターで宝塚ではトートを演じた明日海りお(舞台で女優として歌うのは初めてかも)、皇帝フランツ・ヨーゼフは元花組の鳳真由(歌ウマではありましたが、本公演ではシュテファンというハンガリー貴族の役で、すごく目立つ役ではなかった。それに今は大学生です!!)、暗殺者ルキーニは元月組の宇月颯(新人公演でルキーニをやった)、ルドルフは元星組の七海ひろき(本公演ではエリザベート に縁がなかった)、ゾフィーに元宙組の純矢ちとせ、マックスに宝塚専科の悠真倫、リヒテンシュタインが芽吹幸奈。ゾフィー、マックス、リヒテンシュタインは本公演の本役です。それから少年ルドルフが桜舞しおん、マダム・ヴォルフが大月さゆ。大月さゆは雪組の新人公演でリザベートをやっているんですね。

望海風斗はトートのキャラクターにぴったりだった

主なキャストの感想はというと:

★トート(望海風斗)

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素晴らしいの一言!! 歌が上手いのはわかっているのですが、声量があって声が伸びる。だいもんが歌うと作品の魅力がぐーんとアップします。キャラクターもトートにぴったりで、お化粧や衣装も似合ってました。東宝版もだいもんのトートでやって欲しいです。

★エリザベート Act1(夢咲ねね)

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在団中は歌が弱いと酷評されることが多かったねねちゃんですが、格段に上手くなっていて感動しました。努力の人なんですね。高音も綺麗に出てました。彼女の魅力は長身で10頭身のスタイルの良さとデコルテの美しさ。172センチで細身のエリザベートに一番近いかもしれません。

★エリザベート Act2(明日海りお)

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花組のトップ就任公演のトートを見ているので、正直、女優として舞台で見るのにまだ馴染めず、本人も初めて女性のキーで歌っていて、慣らし状態だったのでは?と思います。といっても、元々美人で男役としては小柄で華奢な人だったので、女優に違和感はありません。いつかエリザベートとして東宝版の舞台に立つ予感がします。

★フランツ(鳳真由)

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とても好感の持てるフランツでした。歌も耳に心地良かった。この人の舞台は花組でかなり見たはずですが、今日のフランツが一番好きだし、良かったと思います。こんなに歌ウマさんですが、大学で医療マネジメントを学ばれているそうで、大学受験して合格した頑張りにも脱帽。歌える医療従事者になって欲しいですね。

★ルキーニ(宇月颯)
としちゃんは在団中は別格スター扱いで、三拍子揃った何をやっても上手い人でした。そして今日のルキーニ凄く上手かった。新人公演は見てないけど、この人のルキーニを本公演でも見たかったなと思います。

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★ルドルフ(七海ひろき)

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カイちゃんは容姿が抜群に綺麗な人なので、王子でしたね。芝居心のある人なので、歌が得意だったらトップになっていたと思いますが、今日のルドルフを見て、違う彼女なりの歌の世界を作ってる気がしました。それとカイちゃんほど「アニキ」のまま生きてる人は珍しくて、少しも女っぽさが感じられないルドルフなのが良かったです。

#1の自立の道を歩みながら#5の自由を求めたエリザベート 

 全体的にとても見応えのある公演でした。私はヌメロロジスト(数秘術師)なので、どうしても歴史上の人物の数秘が気になってしまうんですよね。特にエリザベートほど極端な人生を送った人のコアナンバーはなんだったのだろうと、公演が終わったあとで調べてみました。すると、こんな結果が出ました。

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  エリザベート (Elisabeth、実際はエリーザベト)のライフパス・ナンバーは#1で、ディスタニー・ナンバーは#5、ソウル・ナンバーは#8、パーソナリティ・ナンバーは#6。

 自立、開拓、独立独歩の人生行路を歩みながら、目指すゴールは自由、冒険、旅、行動なのです。義務を放棄して何十年も旅をしていたのも肯けます。

 そして、魂が求めているのは、財力と権威、大きなビジョンを形にする8のバイブレーション。税金を湯水のように使い、城を作ったり、美容に使ったりしていましたね。そして皇后であり、ハンガリー皇妃にもなりました。

 本来、社会の中で、奉仕や愛、家庭の6のバイブレーションを生きるべき人だったのですが、残念ながら6がインテンシブテーブル(能力や資質の強さを表す)の中に一つもないがゆえに、魂の青写真通りの生き方は出来ませんでした。

数のバイブレーションの活かし方で人生も社会も変わってくる

 実は私もライフパス・ナンバーは#1をもつ人間なので、エリザベートの生き方にひどく惹かれるのです。特にあの1日8時間も歩き続ける旅のシーンが大好き! ですが、私の場合はディスタニー・ナンバーが利他、人類愛、社会への奉仕などのバイブレーションを持つ#9ですから、仕事や義務を放棄するわけにはいきません。よって、エリザベートと違って、逆にトシをとるに従い、不自由の身になってる気がします(汗。

  『エリザベート』は宝塚版、東宝版合わせると10回以上見ていると思うのですが、いつも思うのは、「自由とは何か」ということです。夫に裏切られ(娼婦と浮気して梅毒を移された設定になっている)、それをきっかけに、皇后、妻、母と全ての義務を放棄して旅から旅へと流浪の人生に入っていくエリザベートは果たして本当に自由なのでしょうか? 1幕でゾフィーから子供を取り戻し、子供の教育は自分に任せて欲しいと言いながら、教育どころか養育もしないのは、母親としてあまりに無責任です。

 #5は行動のナンバーですが、それを社会や公共、人民のためにつかうこともできたはずです。「義務を果たすことを選びとる自由」も人にはあるのですから。エリザベートが人民の母であることを自覚し、自分が産んだ子供たちに愛情を注ぐ母であったならば、ハプスブルク家は滅亡を免れたかもしれないのです。

 「ナンバー・バイブレーションを生きる」とは、数のバイブレーションを人生に活かし、足りないものを補うということです。ライフパス・ナンバーに同じ#1を持つ私は『エリザベート』を見るたびに、人生で選びとるべきものを間違っていないかと、自問自答しているのです。


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