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【プレビュー】システムにとらわれないチーム同士の一戦【J2 第10節 愛媛戦】

3連戦の締め括り、アウェイ・愛媛FC戦。戦術やチーム力云々の前に、J2第10節のカードで唯一の中2日、さらに新潟はアウェイ連戦ですが愛媛はホーム連戦と、スケジュール面で新潟にとってはちょっと厳しい戦いを強いられそうです。

一方の愛媛ですが、ここまで新潟とは対照的な道を歩んできました。開幕から7試合勝利なし、今季J2で最初の監督交代と波乱のスタートとなりましたが、昨季、京都サンガF.C.を率いた實好礼忠監督が就任すると息を吹き返し、初勝利から2連勝して最下位を脱出しています。

■川村と茂木の個性が光る愛媛のポゼッション

新潟は前節の栃木(2−2)、前々節の金沢(1−0)と、ボール保持にはこだわらない激しい守備を武器とするチームとの対戦が続きましたが、愛媛はこの2チームとは対照的で、”穏健派”のポゼッションを志向するスタイル。久々に、互いにボールを持ち合おうとする好ゲームが期待できそうです。

そのスタイルの中でキラリと光るのが、MF No.8 川村拓夢(21)。サンフレッチェ広島から期限付きで加入して3年目となるセンターハーフです。彼がいろんなところに顔を出してボールを受けてチャンスメイクし、自らゴール前へ侵入して果敢にゴールも狙います。180cmという高さも備え、ピッチでもひときわ目立つ存在。非常に魅力的なプレーヤーです。

もう一人、右サイドバックのNo.20 茂木力也(24)。去年、浦和レッズから期限付きで加入し今季から完全移籍。積極的にインナーラップを仕掛け、攻撃の起点となっています。

■面白い可変型5バック

この茂木がいわゆる偽サイドバックの動きをして変化をつけていくわけですが、右のウイングがほぼサイドバックのような働きをしていて、茂木のいたポジションをカバーすると同時に、守備時には茂木がややCB寄りにポジションを取り、5バックのような形に変化します。

新潟戦でも同じような戦い方をしてきた場合、右ウイングが本間至恩に対してマンツーマン気味に守って、茂木が自由に動き回る、というような展開が予想されます。

■1対1の強さにやや欠ける印象

弱点としては、1対1の守備に少し弱さがある点でしょうか。冒頭で”穏健派”とあえて書きましたが、前節の栃木のような”決闘”を挑んでくるようなプレーはほとんど見受けられません。

それゆえに、サイドで簡単に剥がされてピンチを迎える、また、剥がされた後のカバーリングも一歩遅いような印象があり、守備の強度という面で少し物足りない感じがします。

まだ監督が変わってから3試合しか経っていないのもありますが、アンカーを固定できていないところを見ても、まだ守備面での連携や戦術は手探りな状況なのかなと推測されます。

しかしながら、長いトンネルを抜けて勢いに乗りつつある愛媛。勝てていないときもスーパーゴールで食らいつくシーンもあり、何が起こるかわからない一戦になりそうです。

新潟としては、主力にけが人も出て中2日というアウェイ連戦、ここで勝利を掴めれば、いよいよその強さは本物と誰もが認めざるを得ない決定的な白星となるに違いありません。

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