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コロナ禍で人気になったVRソフトウェアの話

私は大学院で、VRの研究をしていました。
入学早々IVRCというVRのコンペに参加し(させられ)、半年間でVRコンテンツを作って展示したり、その後も論文を書いたりしていました。
大学院入学をきっかけに上京したのですが、入学前に思い描いていたTokyo Lifeとはかけ離れた大学院生活を2年過ごしました。(中略)

しかし、卒業して半年間まったくVRから離れていたので、改めて、VRについて考えてみたいと思います。
これからしばらく定期的に「VR」について考える記事を書いて行きたいと思います。初回vol.1はソフトウェアについて考えます!

VR最前線〜ソフトウェア編〜

そもそも、ソフトウェアとは、

ソフトウェア:『コンピュータを働かせるためのプログラム(に関する事柄)の総称。』(Oxford Languages)

のことですが、ソフトウェアは大きく2つに分かれます。

コンピュータ自体を制御するオペレーティングシステム(OS)を指す「システムソフトウェア」と、OS以外のソフトウェアを指す「アプリケーションソフトウェア」です。

今回のnoteでは、みなさんにも馴染みのあるアプリケーションソフトウェアについて考えます。

2016年はVR元年と言われていますが、実はそこまでソフトウェアの売上があったのではなく、昨年に大きな転換期を迎え、今年さらに伸びています。

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なぜこれほどまでVRソフトが注目されているのか?
どんなソフトが注目されているのか?について考えたいと思います。

コロナ禍で求められる、人との繋がり

ソフトウェア最前線の話をする前に、私たちの生活についてお話したいと思います。

2020年、世界中を新型コロナウイルスの猛威が一気に襲い、オフィスに出社できなくなったり、旅行にいけなくなったり…私たちの生活は大きく変化しました。外出自粛が求められ、自宅で過ごす時間が増えました。

そして、zoom飲み会や、あつ森などが大ブームを巻き起こしました。
この大ブームの根底にあるのは、誰かがそこにいる感覚や人との繋がりを求めるココロの欲求があると言われています。

この、人との繋がりや誰かがいるような感覚を何より感じられるのがVRなのではないかと思っています。それは、大学院の教授がこのようなことを、口酸っぱく言っていたからです。

Virtual Realityの「Virtual」は「Existingin essence or effect though not in actual fact or form」と定義されていて、 「みかけや形は原物そのものではないが、本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」だ。つまりVRとは「仮想現実」ではなく「実質現実」である。

だから、 実質的に友達や家族、同僚と一緒にいるように感じられるということです。そして、やっとここで本題ですが、この誰かと一緒にいるような感覚になれる人と繋がるVRソフトウェアが人気なのです。

人と繋がるVRソフトウェア 

1. 仕事編

テレワークが普及し、zoomやTeamsなどを使ったリモート会議がすっかり定番となりましたが、社員同士の繋がりや、モノなど2Dでは伝わりづらい3D商材の共有などでVR会議ソフトが注目されています。

私が特に気になっているのは、VRゴーグルでおなじみHTCの「VIVE XR Suite」です。

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なぜVIVE XR STUITEが気になるかというと、リモートコラボレーションのためのVive Sync、バーチャル会議のためのVive Sessions、バーチャル講義のためのVive Campus、VRソーシャルツールのVive Social、VR展覧会のためのVive Museumの5つのアプリケーションを一つにまとめている点です。

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VR会議ソフトといえば、ソーシャルVRサービスの先駆けで無料で使える「AltspaceVR」や、日本の会社がつくる「cluster」会議や研修・ショールーム・展示会ができる「会議や研修・ショールーム・展示会ができる「NEUTRANS BIZ」などなど…数多くあります。

VR空間上でPowerPointやPDFなどに加え、3Dモデルも資料として投影できたり、会議だけでなく、展示や講義ができるのは他のソフトでもできますが、VIVE XR SUITEでは、教育やアートなど他の用途もあります。

統合型がなぜ良いか?には2つ理由があります。
1つめは、VRゴーグルが一般に購入できるようになったとはいえ、高価でまだ一人一台の時代ではないということ。つまり、家族で共有することを考えるといくつものアプリに課金して複数のアカウントを持つより1つで家族皆が使える方がよいと思うからです。
2つめは、スマホアプリの「スーパーアプリ化」が進んでいるように、ロイヤルカスタマーが増えるという企業側のメリットと、シームレスな体験ができるというユーザー側のメリットがあると思うからです。

仕事用VRソフトには他にも、建築デザイン業界向けのeyecad VR などのように業界に特化した人の繋がりを支援するソフトもあります。

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2. 教育編

子供向けの活用も注目されています。

ネットの高校N高は、2021年4月からVR授業を受けられる普通科プレミアム」を新設を発表しました。有名建築家の隈研吾さんがVR空間の校舎 「学びの塔」を設計したことで注目されていますが、「物理化学の実験」「地球儀や宇宙空間での天体の様子」などをVRで学べるようです。

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実験のように一人ではできなかったり、体験することが重要な学習においては特にVRの活用需要が高まっていて、VR実験室を利用できるLabster VRなどもあります。

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大学生が学校に通えず、研究のための実験や実習ができないという課題がありますが、普及し汎用性が高まれば活用できるのではないかと思います。

また、授業での使用だけでなく、新型コロナウイルスの影響で行けなくなった修学旅行にVRでいくVR修学旅行などの活用もあります。

VR旅行自体は新しい概念ではないですが、一般に普及し使いやすくなってきていると言えると思います。

3. ゲーム編

VRゲームといえば、リズムゲームのBeat Saberが人気ですが、こちらも2020/10/13に5人マルチプレイが発表されました。

Beat Saberは、リズムに合わせて飛んでくるキューブを切っていくゲームですが、これまではキューブを切る剣が宙に浮いていて、視点も一人称でした。

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今回のマルチプレイでは、第三者視点が加わったことで、アバターが追加されました。

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VRゲームも、一人で没入して楽しむモノから、人と繋がり一緒に楽しむものへと変化してきているのだと感じます。

その他にも、マルチプレイ剣戟アクションソード・オブ・ガルガンチュアも最大10人のプレーヤーが交流できる「オンラインラウンジ」などのアップデートが公開されています。

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まとめ

まだまだVRソフトの話は尽きませんが・・・
今回は新型コロナウイルスの影響で
オンラインソフトを活用した人と繋がるブームが起きていますが、
それはVRも例外ではなく、人と繋がれるVRソフトがHOTだと思いました。

次回は、ソフトウェアを支えるVRのハード最前線について
お話ししたいと思います。


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