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日本最初のBLドラマ作品

<注意事項>

※これは以前作っていたブログを閉鎖したので転載したものです。すでに読んだことのある方は2021年1月4日に書いたものと同じ内容ですのでご注意ください。

※あくまでイチBLCDファンの知ってる範囲での記事であることをご容赦ください。当時の業界について詳しい方の補足情報、大歓迎です。


カセットJune 『鼓ヶ淵』

記録に残っていないラジオドラマなど記録媒体として販売してないものを除いて、記録にある一番最初に日本でBLのドラマ作品が発売されたのは 1988年出版社: マガジン・マガジンから出た…カセットJune 『鼓ヶ淵』です。

主演は三ツ矢雄二さんと鈴置洋孝さん。『機動戦士ガンダム』のブライト・ノア役や、『聖闘士星矢』の紫龍役、『キャプテン翼』の日向小次郎役としてすでに有名だった鈴置さん。私は日向さんが一番大好きだったので「鈴置さんのJUNE作品!」と聞いて大興奮でした。

幻想純愛ロマン 鼓ヶ淵

  • 原作: 三田菱子

  • キャスト: (洋一郎) 鈴置洋孝×三ツ矢雄二 (雅美)/ 京田尚子(旅館のおばあさん)/ 小宮和枝(旅館のおばさん)/ 勝生真沙子 (白拍子)/ 鈴木勝美 (運転手)

  • 発売日: 1988年11月30日    2,000 円

  • 収録時間: A面「封印」37分47秒 B面「月光」37分34秒    トークなし

  • 発売元: (株)サン出版 マガジン・マガジン カセットJUNE vol.1

  • 構成・脚色: 花枕桃次

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原作はBL小説(当時は「BL」とは呼ばなかったが)微怪談チックな怖いものから愛する雅美を守ろうと洋一郎は必死に叫ぶのです。誰にも聞こえないはずの鼓の音が聞こえる…!と怖いのです…

三ツ矢さんはこれまた女子に大人気だった『六神合体ゴッドマーズ』の主人公の兄マーグ役として有名で、マーグが死亡したあとファンがリアルに葬儀を行ったなどは有名な話。80年代後半といえばタッチの上杉竜也やキテレツ大百科のトンガリ君などをやっていた頃ですでに大スター。(井上和彦さん、水島裕さん、三ツ矢雄二さんが同世代3人で有名でした。当時30代前半ぐらい。)

お二人とも洋画吹き替えや舞台、その他色々なお仕事をされていて、当時トムクルーズの吹き替えといえば鈴置さんのイメージでした。

当時『鼓ヶ淵』の収録後インタビューでも「体を使って表現する役者と、声だけで演じる声優とどちらがより大変ですか?」と聞かれてました。三ツ矢さんは脚本家、ディレクター、演者としての立場の違いとか、アイドルが声優やった時の残念なエピソードとかをお話されてて、鈴置さんも山田洋次監督の映画に出た時のエピソードをお話されてたりで、あまり近年のBLCDインタビューとは趣が違う雰囲気でした。

声優さんは顔を出さない方がイメージが崩れないとか、イベントにはできるだけ出ない、などとお話されていて、今の声優さんの活動とはだいぶ違ってましたよね。あの頃って。

『鼓ヶ淵』の各シーンについても「雅美は…きれいだ」と鈴置さんがうっとりと言うシーンがあるんですけど、現場では何度も言って少し照れてらっしゃるようだったとか書かれてたけど実際はどうだったのか。「岩風呂」や「離れ」という単語にセクシーさを感じてらしたり。発売後はファンからのお手紙の多さに驚いてらしたそうです。(そりゃあそうです。それまで男性の声で読まれることのなかったJUNEの世界を彩ってくださったんですから)

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販売形式/スポンジみたいなものの中に嵌め込まれてたカセットテープ

本のような大きさでいとこのようにカセットが嵌め込まれている形式で販売されていました。2020年のBLCDに比べたら、雰囲気ラブシーン?という感じのイメージ映像のような音声でしたがそれでもドキドキもので、美しくて透明感のある三ツ矢さんの雅美がかすかに喘いで儚げでした。

三味線や鼓の音、滝の音、とても妖艶で少し恐ろしくて、恐ろしいものから大事な友人を守ろうとする鈴置さんの包容力のある美声…いやもうほんとに「雅美…」って息多めに相手の名前呼ぶだけで気絶しそうなぐらいのイケボなんで…機会があったら一度聞いてみて欲しい。

三ツ矢さんの脚本作品

三ツ矢さんは「花枕桃次」という別名で脚本家としてもBLCDに数多く貢献されてらして、BLCD界を産んだ人たちの1人であると言っても過言ではないのです。

▼ちなみに花枕さんのお仕事
タクミくんシリーズ 文庫 そして春風にささやいて
舞え水仙花
被虐の荒野
間の楔 (カセット版)
間の楔 DARK-EROGENOUS
鼓ヶ淵

当時の声優さんというと今ほどアニメ本数は多くないのに一部の人気声優が集中してお仕事をもらってたイメージですし、週末の顔出しイベントもなければ深夜のニコ生やyoutubeLiveのお仕事もなくて新人さんなんかはアルバイトしながらという状況だったと思われます。演じたくても演じる場所がない仕事がないという若手声優に、みんな嫌がって男同士の恋愛を演じてくれる人がいないというBL作品とのマッチングがあって、ついに生まれた今のBLCDという文化。

今では当たり前のように毎月毎月新作が出て若手男性声優さんたちがどんどん入ってくる状況になっていますが、当時の自分に「未来は若い声優志望の男の子がBLCDに出ればブレイクできるらしいので是非出演したい!なんて言ってるらしいよ?」なんて言っても信じないでしょうね。

近年ではバラエティ番組にも数多く出演されて私たちを楽しませてくださってる三ツ矢さんですが若い声優ファンの方でこの頃の三ツ矢さんがどれほど儚げで美しくて透明感のある美少年ボイスだったかをご存知の方がいらっしゃるのか…是非一度聞いてみていただきたいな…と思うのですが、どこかの会社で当時の音源でCDとして再販売してくれないですかねえ…

参考リンク

その他お知らせ

【2022年現在、私の1番のお気に入り】
なお今の最❤️推しは古川慎さんなのですが、彼が出演したBLCDがたくさんありますので是非どれか聞いてみてください♪
▼出演作品リストを作ってます。ご自由にお使いください。


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