不器用系理系社員がくれた濃やかな気遣い

不器用系理系社員がくれた濃やかな気遣い【会社制度/文化】

重めの内容の記事投稿も続いたので、今度は少し、コラム的な内容を。
妊娠期間に仕事を続けるにあたって、上司・同僚の多大なる協力が必要不可欠でした。
体調・妊娠経過的には問題ありでしたが、精神的に非常に落ち着いて過ごせたのは、周りの人達の理解と思いやりがあったからだと思います。
今回はそんな、嬉しかったことを書いておこうと思います。

1.女性副社長が全力で守ってくれた

妊娠を一番最初に報告した相手が女性副社長タマさん(ニックネーム)でした。それまでもキャリア形成についてや諸々の教育で非常にお世話になっている方。
アクロクエストの社風改革を進めてきたリーダーであり、私の入社の決め手となった人です。下記のような、社外に向けての組織づくり勉強会も主催しており、私も一社員の経験の声を届けるべく、主催側として参加させてもらっています。

関連上司筋にも妊娠報告をしたタイミングで、タマさんから各上司に以下のような話をしてくれました。
・合同説明会の説明員のような移動・立ちっぱなしがある仕事のアサインからはずし、会社内での面談要員に変更すること
 (当時、新卒採用のイベントラッシュということもあり、週2~3で外出するような予定になっていました。)
・社外への通勤が必要なPJから迅速に異動させること

各上司もすぐに対応してくれたため、妊娠初期から適した仕事に変更して働く、ということができました。

また、「無事にうまれてくるのが当たり前、ではない【妊娠トラブル/切迫流産・切迫早産」でも書きましたが、急に休職することとなってしまい、職場の大部分の人には妊娠など報告できないままになっていました。

ちょうど休職してすぐに開催された大忘年会にて、副社長直々に全社員にも私の状況と協力してほしい、ということを伝えてくれました。
妊娠出産が命がけの大仕事であること。そんな局面にいる晴香を支えてあげてほしい、という内容のスピーチでした。

日本では、義務教育の間に避妊のことは習っても、妊娠出産がどんなものであるかは習いません。
なので、女性であり妊娠当事者である私自身、妊娠して初めて知る、想像すらしていなかった苦しさや大変さがたくさん見つかりました。
だから、周りもよくわかっていなくて当然なのです。でも、知らないと必要な配慮もできない。そんな環境に、経験者である女性の大先輩から呼びかけてもらえたのは、とても恵まれたことだと思いました。

ネットニュースなどを見ていると、「女性の敵は女性」というようなトピックも多く、女性がマタハラをしている、なんて話題にも事欠きません。
が、そんな殺伐とした世界ではなく、もちろん、妊娠出産だけに限らず、「人生のどんな局面でも働ける」ためのお互いの思いやり・助け合いが実現されてほしいと思っています。

2.不器用系理系社員な同僚たち

さて、アクロクエストは女性副社長も数に入れて、やっと女性社員が1割という環境であり、社内は理系大学院出身の男性社員がほとんどを占めています。

何をもって「不器用系」と言っているか、というと、コミュニケーションの下手さというか、朴訥さというか(笑)いわゆる、理系の研究室の雰囲気、、、というと想像がつくでしょうか。
仕事はできるし優しく協力的な人たちなのですが、服装を褒めるときに「青色のスカーフだね!」と素で言っちゃうような人たちです。
※事実を述べただけで何も褒められてないよね(^^;

しかし、妊娠期間中、そんな不器用系理系社員たちがそれぞれ「どうやったら助けてあげられるか」を必死に考えてくれた上での濃やかな気遣いにとても助けられました。
1.に書いたタマさんのスピーチの前から、気づいた人から徐々に自然とサポートを始めてくれていました。

嬉しすぎたので、記録するっていうね(笑)

3.食べられるお弁当確保作戦

妊娠初期は一部の人にしか報告していなかったのですが、まぁ、見てれば気付いてくれる人も。
そうやって気づいてくれた先輩社員たちが、食事も気を使ってくれていました。

アクロクエストでは、ランチでお弁当をまとめて買ってきてもらい社内で食べながら勉強会をする、という習慣があります。
妊娠初期、肉がまったくダメになってしまったわけですが、市販のお弁当だと肉料理が多い。
お弁当を選ぶ順番が遅いと、食べられるものがなくなってしまう可能性もあるわけです。
それを察した先輩社員たちが、食べられるお弁当をさっさと見つけて確保しておいてくれる、ということをしてくれていました。
※まだ、全社員に報告する、という気持ちにはなれない時期だったので、大々的に「晴香さんのお弁当、先に選ばせてあげて!」などと声をあげてもらうより、サクッと確保して渡してくれるスマートさに感謝してました。
あれ?不器用じゃないじゃないか?

外食する際も、事情を知っている上位社員がそれとなく食べられるものが多い店をチョイスしてくれていました。

4.唐突だった足を滑らせ安い場所情報

初秋で、少しだけ雨がぱらついているような日のランチ。
その日は外食しようと、先輩社員と同期と一緒にオフィスを出ました。

すると、唐突に先輩社員が「このビルのエントランスのタイルは、雨や雪が降ると非常に足をすべらせやすい。」という話を始めたのです。
その場合、ビル脇の通用口だとタイルではなくコンクリートむき出しの小道だから滑りにくい、という小ネタつき。
また、オフィス周辺のすべりやすい場所情報も。

最初、「なんで唐突に?」と思いましたが、これからだんだんお腹も大きくなりバランスも悪くなっていくであろう私への注意喚起・情報提供をしてくれていたのです。

残念ながら、12月中旬から2月初めまで自宅安静となってしまったので、雪で滑るようなシチュエーションは経験しませんでしたが、一緒に安全を考えてくれる姿勢にこそばゆくて、本当にうれしく感じたのを覚えています。

5.ノンアルコール飲料を確保してくれる

妊娠前にお受けした講演や勉強会には参加していたので、社外での懇親会の場にお邪魔することも何度かありました。
もともと、酒豪というイメージが社外でもついていたので、まだ妊娠をお知らせしていない方は良心からお酒をすすめてくれます。
※もちろん、今日はちょっと、、、と言って断りますが。

そんな場に行くときは、一緒に参加している社員がさっさと麦茶などのノンアルコール飲料を確保してきてくれて、グラスを満たしてくれます。
断る場面も必要ないくらい、サクッとグラスを満たしておいてくれる。

あれ?これまた不器用どころかスマートじゃないか?

6.本人以上に性格をわかっていてストップをかけてくれる

自宅安静が解除され、徐々に歩く・座るリハビリを経て職場復帰しました。
ただ、その頃にはお腹も大きくなっているし、安静生活で落ちた体力・筋力ではフルタイムの勤務はつらく、時短にさせてもらっていました。

仕事に復帰できた!!という喜びと、もっと働きたい!!という持ち前のワーカホリック気質もあり、もともとの動いていないと落ち着かない性格もあり、周りをひやひやさせたこともあったようです。

ついつい小走りになりかける私を見て、「おーい、ゆっくり動いて!!」と声をかけてくれる社員。
時短で帰る時間が近づくと、「そろそろだよ~」と仕事を締めるきっかけをくれる上司・周りの席の社員。

どれもこれも、本来、自分で管理しなければならないことですが、周りも一緒になって見ていてくれる、というのは、安心できる環境でした。
なので、仕事への復帰に少なからず不安を感じていた私の両親や夫(絶対にまた無理をするに違いない。。。という印象を持たれていました。)も、周りの対応を聞いてとても安心したようです。

7.命がけの妊娠出産の頃にしてもらったことは忘れない

よく、妊娠を機に夫婦仲が絶対的に変わってしまうことがあります。悪い意味で「命がけの妊娠出産時にされたことは忘れない」なんて言葉があります。つまり、体調が悪く命がけで出産する妻に対し、なんの配慮もしない夫、というような話ですね。

ただ、この「妊娠期間にされたことは忘れない」は良いことも同様だと思います。

今回書いたのは、夫婦関係ではなく職場の人間関係でしたが、いつも以上にしてもらったことが心に沁みる経験でした。
やってもらったこと一つ一つが、というよりも、ここで紹介したような行動ができるベースの考え方が、一緒に働く仲間としての安心感を与えるのだと思います。

だから、やってもらって感謝するたびに思うことは、「産んだらこの環境に帰ってきたい」「助けてもらった分、自分も恩返ししたい」ということ。
今後、育休から復帰しても物理的に返せることよりもまだまだ配慮をお願いすることの方が多いでしょう。
でも、次に同じ立場になったり、介護や自身の体調不良など人生の局面を迎える仲間の助けになれる自分でありたいと思います。

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