体調管理が徹底された社内が妊婦に安心を与える

体調管理が徹底された社内が妊婦に安心を与える【会社制度/文化】

1.2018年秋から2019年にかけては妊婦にとって不安な環境だった

私がマタニティ期間を過ごした2018年秋~2019年春は、恐ろしい感染症が流行しまくった時期でした。この記事を書いている2019年GW現在も、インフルエンザB型が再流行の兆しを見せています。

2018年秋以降、流行った感染症の中には妊婦が感染すると流産・死産、胎児の障害がかなりの可能性で発生するようなものもありました。

妊娠期間は自分のお腹の中に別の命がいて、その命を守り育てる、というプレッシャーが常にあります。妊婦は、自分の行動一つでこの小さな命をなくしてしまうかもしれない、という不安と戦っています。そんな中、さらなる感染症の流行は恐怖以外の何者でもありません。 

■風疹
妊娠20週までに風疹ウイルスに感染すると、胎児に難聴や白内障、心疾患などを引き起こす可能性があります。妊娠初期に母体が風疹に感染すると、80%もの確率で胎児に何らかの障害が発生するといわれています。
※風疹についての説明

2018年の流行時には、漫画「コウノドリ」の風疹に関するエピソードが無料公開され、話題になりました。現在は、無料公開期間が終わってしまっていますが、すべての人に読んでもらいたい内容です。

■麻疹(はしか)
妊娠中に感染すると重症化しやすく、流産や早産を引き起こします。感染力が非常に強く、マスクをしても防ぐことができません。最近は、世界的に流行が問題となっています。

■りんご病(伝染性紅斑)
妊娠20週未満に感染すると、およそ30%の赤ちゃんに影響があり、胎児水腫や子宮内胎児死亡のおそれもあります。ワクチンはないので、マスクや手洗いによる予防、感染の疑いがある人はほかの人に移さない、ということが大事。

2.予防接種しても抗体ができない人もいる

特に、風疹・麻疹に有効なのは予防接種です。
もちろん、妊婦自身が妊娠前に予防接種を受け、抗体を持っていることがベストです。しかし、何度予防接種を打っても抗体ができづらい体質のために、十分な抗体を持てていない人もいます。

また、知識が不十分で妊娠前に予防接種で対策を取れなかった人もいます。風疹・麻疹の予防接種は、妊娠期間中は打つことができないのです。

私自身、妊娠後風疹が流行するまでは、以下を知らず、抗体検査を受けるまでは非常に不安な時期を過ごしました。

・風疹の抗体ができるためには、2回の接種が必要。
・風疹の予防接種は、年代によって十分な回数を受けていたり、1回しか受けていなかったり、男性は受けていない、というばらつきがある。
 →私は1回しか受けていない世代でした。
・風疹と麻疹は違う。
 →はっきりと違いを認識していない人も多いです。なので、過去に風疹の予防接種を打ったつもりだったが、麻疹しか受けていなかった、、、などのケースもあります。

3.外出していて怖い場面

外出していて本当に怖いのは、体調不良の人が出歩いている、という状態。
2019年1月からのインフルエンザ大流行の際にも話題となりましたが、体調の悪い人が出歩くことで、他の人にも感染を拡大させてしまいます。

また、妊娠すると、免疫力が低下します。母体の免疫細胞が赤ちゃんを“異物”とみなして攻撃しないようにするための体の仕組みです。そのため、妊娠中は、菌やウイルスに対する抵抗力が弱くなっています。
だから、なおさら、怖いのです。

・オフィス内や電車内で咳やくしゃみをしている人
・明らかに熱っぽく体調悪そうなのに、電車に乗っている人

などは、本当に恐怖でした。

また、2.あげたような感染症は発症する前から感染力を持つものも多く、知らない間にもらってしまう、という恐怖もつきまといます。

4.社員全員が風疹予防接種を受けてくれた

私が勤めるアクロクエストでは、風疹流行の情報が出てすぐに人事から「全社員が確実に予防接種を受けるように」とのアナウンスが出ました。
風疹の怖さについての情報と、どこの医療機関でいつ、どのようにして予防接種が受けられるのか、という情報もまとめて出してくれました。

また、社員全員が感染症について正しく理解し、積極的に予防接種に行ってくれました。アナウンスがでて1か月もしないうちに、全員が過去接種分も合わせて、一人2回の接種となるようにしてくれたのです。

また、当社は「健康経営優良法人2019(中小規模法人部門)」などにも認定されていますが、日ごろから社員の健康管理が徹底されています。

・体調が悪いときには、早めの休みをとり回復につとめる
 →咳が出ていたりすると、帰って休むことを強く推奨されます
・手洗いうがいの徹底
・業務用空気清浄機、業務用加湿器を導入し、健康に過ごせる環境づくりをしている
・各種予防接種の呼びかけ
など。

体調に不安がある人が無理やり出てきたりせず、整備された環境、そして、予防接種など対策を確実にとってくれる仲間たちがいる環境は、妊婦である私にとって、安心して出勤できる環境でした。

5.ワクチンを打つことで子供や周りの人を守れます

この記事を読んでくれた方はぜひ、ワクチン接種をお願いします。
ご自身のご家族に幼い子供がいなくても、電車や街で知らない誰かに感染させてしまう可能性があります。

逆に、集団免疫と言って世間の95%以上の人が免疫を獲得すると、免疫弱者(抗体ができない、乳幼児でまだ予防接種ができない、妊婦で予防接種ができない、など)を守ることができます。
集団免疫については、以下の漫画がとても分かりやすいです。ぜひ、読んでみてください。

風疹の流行時、会社が予防接種にかかる費用を全負担してくれるところもあったり、自治体が補助を出していたり、といろいろな工夫がなされました。
しかし、予防接種を実際に受けるには、一人ひとりが足を運んでくれることが必要です。
自分には関係ない、と思わず、ぜひ、行動をお願いします。

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