岩手出張②もち米で酒を仕込む!?「月の輪」醸造元の月の輪酒造に訪問しました!

岩手出張、いよいよ本番です。

次なる目的地は、清酒「月の輪」醸造元の月の輪酒造さん。
南部杜氏発祥の地と言われるこちらの酒蔵、なんと杜氏さんが女性なのです!!

しかし、なんという失態。肝心の美人女性杜氏の写真を撮りそびれてしまいました。(気になる方は、どうぞ調べてみてくださいね!)

現杜氏の横沢裕子さんは、月の輪酒蔵の娘さんとして生まれ、杜氏に就任されて10年、酒造りにおいては20年以上の経験を持つ大ベテラン。
岩手県人らしい、おっとりして上品な雰囲気でありながら、酒造りへのプライドと意思を感じる印象的な眼差しの持ち主でした。

蔵の玄関には、懐かしいタッチの昔の広告の看板が。
なにやら、有名なデザイナーさんが書かれたものだそうです。
このデザインのクリアファイルがあったら売れるのではないかな〜とか、ぶつぶつぶつ。(というか、自分が欲しい。)

後ろにそびえる大きな木桶は、かつて実際に使われていたものだそうですよ。

南部杜氏発祥について。
意外にも、滋賀県の近江商人と密接な関係にあるのですね。

古い道具を大事にしてずっと使う、月の輪酒造さん。
甑はパッキンに隙間ができるので手ぬぐいでさらに隙間を埋めているそうです。

ちなみに、このあたりの水質はやや硬水。
水質は良いものの、今年は降雨量が少なかったため、今年の酒造りは水量に一抹の不安が有るそうです。
私たちはなんでも「自然」な「良いもの」を求めますが、自然はコントロールがきかないもの。

一般的な薮田式とは別に、お酒を絞る槽(ふね)が3台も。
全て手動の油圧式だそうです。

この3台を扱えるのは横沢杜氏だけなのだそう!
ここにも、横沢杜氏の男らしい格好良さが垣間見れます。

なお、月の輪酒造さんでは粕取り焼酎(酒粕を蒸留して造る焼酎)も造られていて、蒸留した焼酎は少なくとも5年は熟成させて出荷されるそうです。
アルコールを抜いた酒粕は、近隣の畑の肥料に回されるそうで、最後まで無駄なく資源を使うモノづくりに感動。

また、それだけでなく、月の輪酒造さんの酒粕活用には眼を見張るものがありました。

隣接の売店では麹入りのジェラートも販売されており、一番の人気は酒粕ジェラート。もちろん、月の輪の酒粕が使われています。売店に併設された設備で作られ、売店でのみ販売することができる、超レアなジェラートです。

そのほか酒粕チーズケーキの販売もされているそうで、しかも使用されている酒粕はオリジナルでパウダー状に加工されたもの。
純米の酒粕を手作業で低温乾燥し、石臼で挽いたものだそうです。
低温乾燥だから香りが飛ばず、酒粕のコクと旨味と香りが感じられます。
これ自体が、ほんのりチーズのような味がします。

これは良いアイテムと出会ってしまいました!!

やはり日本酒を造るからには、酒粕をどうするか考える必要があると思うんですよね。日本酒の需要が増えて、日本酒の生産量が増えても、酒粕の消費量が増えなければ、酒粕廃棄(お金を払って産業廃棄物に出すんですよ!)が増えるばかり。

このように、酒蔵(メーカー)が主体的に酒粕(副産物)の活用法を模索され実行されているのは、女性杜氏ならではだなと思いました。素晴らしい。

最後に、日本酒の試飲もさせていただきました。

紫波町は、もち米の生産量が全国第一位。
それにちなんで造られているのが、左の「もちっ娘」。
なんと麹米も掛け米も、全てもち米で仕込まれた日本酒なのだそうです!

「地元のもので造る"地酒"なのに、なぜ地元の名物であるもち米を使わないの?」を言われたのをきっかけに、横沢杜氏が試行錯誤を重ねて造ったお酒だそうです。

当初はもち米で麹を造るのが難しく、麹はうるち米を使っていたそうですが、今ではもち米で麹が造れるようになり、全量もち米を使われているそうです。

もち米の酒はかつて飲んだことがあるのですが、甘くてべったりした味だった記憶があります。

そんなイメージで飲んでみたら、びっくり仰天!!
思いの外、キリッとドライな味でした。

一般的な"もち米で造る酒"は特殊な仕込みをしているので甘くなりがちだそうなのですが、月の輪酒造さんではもち米だからと言って特別扱いせず、基本はいつも通り仕込んでいるため、ナチュラルな味に仕上がるそうです。

麹マニアの私としては、もち米麹に興味津々でしたが、もち米麹造りの秘訣は企業秘密だそう。ううう、気になる。

そんな「もちっ娘」は、来年度あたりからパッケージデザインがリニューアルされるそうなので、幻になる前に一本お買い上げ。
我が家の秘蔵酒行き決定です。

そのほか色々試飲させて頂いたのですが、どれも食中酒向きで、いくらでも飲める味わい。
最後に一点、「横沢杜氏はお酒を飲むのはお好きですか?」と聞いてみたところ、お酒は大好きでよく飲まれているとのこと!
やっぱりお酒が好きな造り手さんは、延々に飲めるお酒を造ってくれるなあと、しみじみ。だらだら飲み続ける飲兵衛は嬉しいのです。

お忙しいなかご対応くださった横沢杜氏、横沢社長、本日はありがとうございました!!

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旅の記録

酒蔵訪問を中心とした、旅の記録です。
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