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これからREADYFORが目指す世界

変革のなかにいる私たちのこれから

私たちは今、これまでの社会・経済構造が津波のような勢いで押し流される変革のなかにいます。その変化は「第4次産業革命」とも言われています。
私たちは、長い間、労働することを自身のアイデンティティの一つとしていました。しかし、AI革命を中心に人間からロボットへの代替が進んでいく中、生産性が飛躍的に向上し、人間はこれまでのように働かなくても生きていける世界が生まれつつあります。生きるための糧を得る手段から、それ自体が目的になる時代を生きています。

また、テクノロジーの進展によりシェアリングの概念が広がる中で、「所有する」価値が低下し、生活コストは格段に下がります。「生活のためにお金を稼ぐ」という必要性がどんどん減っていくのです。

では、従来のように懸命に働く必要がなくなった人間は本当に幸せでしょうか。

一般論として「モノ」から「心」へと、価値観の変化が美しく語られていますが、私はそのように考えません。ほとんどの人はアイデンティティを喪失し、時間を持て余し、不安と混乱の中で生きることになると思います。

この時代の変化についていける人たちと、ついていけない人たちの間には、今よりもっと大きな格差が生まれていくことが危惧されます。地方と都市、教育を受けた人と受けられなかった人、富める人と貧しい人の分断はますます深まり、人々は孤立し、対立の激化が予想されます。


国家の役割が薄れ、個人がつながって支え合う社会へ

社会も変化していきます。従来、社会づくりの責任は、国家が担っています。現在の日本でも、社会保障や国防、経済政策など、国家が人々の生活を守っていく役割を果たそうとしています。

しかしながら近い将来、政府は少子化、あるいはこれまでの国庫の負債のために小さな政府になることを余儀なくされ、その結果社会保障費は節減され、インフラ整備や社会資本への投資も縮小されるでしょう。また、民間のお金も「資本の論理」で利益を生まないところにはまわらなくなります。その上、戦後日本を支えた大企業のビジネス、日本国は次のフェーズに入ります。

そもそも、日本国という概念も、明治維新以降のもので、インターネットを基盤とする現代の社会では、国家という枠組みは自然と薄れていきます。よって、国家の力に頼るのではなく、個人が支え合う仕組みをつくらないと、日本社会は機能しなくなると私は思います。

また、マクロ的な視点からいえば、資本市場の変革も喫緊の課題です。日本では経済政策の下、マイナス金利など、市場にお金を流す政策を続けていますが、イノベーションや社会事業への投資は短期的な利益を生まないものが多く、本当に必要な変革にお金が流れていない状況です。

日本に対してアメリカでは、B-Corp(公益のために存在する会社に与えられる認証)など、株主の利益だけではなく、エコエネルギーの使用率や女性管理職の数など「企業の社会的ミッションも同時に評価する」価値観の下で営まれる株式市場が生まれています。資本主義がもたらしたお金の偏在への是正は、世界全体としては資本主義経済を活用しながら、新しいお金の流れに向けた模索が始まっています。


Readyforが誕生した時に起こった震災から学んだこと

そんな変革の最中、2011年3月、READYFORは誕生しました。私たちが夢に向かってスタートするタイミングで、日本にとって大きな悲劇である東日本大震災が起こりました。昨日まであった幸せが今日突然なくなる。悲しい情報が次々と伝えられる中、マイナスから復活する日本人の強さを私たちReadyforは誰よりも近くで見てきました。

津波で街のほとんどが流されてしまった石巻では、震災前から過疎化が進んでいましたが、震災をきっかけに、サポートをしたいと思う人が全国から集まり、地域を復興させるために行動を起こしました。例えば、石巻2.0などの拠点や企業が立ち上がり、Readyforを通じて、挑戦者を支える支援のネットワークをつくることができました。

私たちはこの経験から、クラウドファンディングを通じたお金の支援は心の支えにもなるということに気づきました。ネットワークは心を支えあう絆になり得ると感じ、私たちは人をひとりにしない活動をしているのかもしれないと思いました。社会の隅々まで私たちReadyforの思いと取り組みを浸透させる勇気が湧いてきました。


私たちの力で、「社会を持続可能にするために新たなお金の流れを生む」。

国家が国内の様々な問題解決に十分な資金を投入できなくなれば、民間でやるしかありません。

Readyforはこれまでの活動でも公共のお金の流れを担う側面をもっていました。小さな政府が結果として創出する空白の部分へ、クラウドファンディングを活用し、お金がまわるようにしなければなりません。例えば、地方が担えない村と村を繋ぐ橋の改築であったり、学校や病院の支援やその地方の文化財を守るための活動だったりを、国へ様々な規制緩和を求めながら実現させていきます。

これまで私たちが推進してきた「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」ことを目指すと同時に、「社会を持続可能にするために新たなお金の流れを生む」という方針を立て事業を展開します。

そして、私たち自身が資本主義の世界で「勝つ」プレイヤーであることにより、社会を持続可能にするためのビジネスの可能性を問いたいと思います。本来のビジネスは、社会をよりよくするための活動であるのです。だからこそ、私たちは、ビジネスとして勝負することにこだわり、最大限のスピードで成長をします。そして、みんなで一緒に持続可能で、「誰もがやりたいことを実現できる世の中」を実現させていきましょう。私たちREADYFORの夢が、社会の皆様の夢と重なりますように。

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