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最強の言葉 #鷲田さんのバトン

最も邪悪な世界と最も香しい世界が同時並行的に現れうる被災地である。

五百旗頭真

災害の極限状況の中には人間性の両極が露出する。猛り狂う暴力と限りない献身とか。阪神、東北、熊本と三度の震災復興事業に尽くした政治学者は救助隊員の苦悶にも心を寄せる。妻からSOSの連絡を受け、現場で心が裂けんばかりだったその一人には、無事だから他の人を助けてあげてとの次の連絡は「天使の言葉であった」という。『大災害の時代』(増補文庫版)から。

2023.9.28 折々のことば 鷲田清一 2864

五百旗頭真(いおきべ まこと)は、こんな人。


”猛り狂う暴力と限りない献身”

身勝手にふるまう人間性が露出するとともに、突然未来が見えなくなった人たちを勇気づけようという思いがそこかしこに現れる。

極限状況を避けたいと願うのは、苦しみを伴うからだけでなく、針が極端に一方へ振れる状況が「自然」ではないからです。

私たちにとっての「自然」とは、利己的な自己を晒すことでも誰かを一方的に支えることでもない。

自己や他者との距離を測りながら、相互依存的な関係性をはぐくむために、周囲と「ちょっとリズムを合わせる」こと。

「自然」とは「意志」から生まれるものです。
極限状況は、その「意志」をいとも簡単に奪ってしまう。


妻からSOSの連絡を受けた救助隊員の頭には、わずかな時間でさまざまな選択肢がよぎったことでしょう。

人の命を救うのは、仕事であり究極の使命。
私は家族にとって、唯一無二の存在。

この葛藤にケリをつけたのが、妻の言葉でした。
「私は大丈夫。だからあなたはなすべきことを果たして」と。

一番大切な人から「使命」を与えられること。

新たな使命だけが、それ以前の使命からの免除を許可する。

私のような人間にも、この時の救助隊員の気持ちはわかります。

「天使を味方につけた」彼は、最強だったはずです。


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心理学修士(学校心理学)
 
NPO法人日本交渉協会認定「交渉アナリスト」1級
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一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催
「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了
 

思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!