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老いては知識に従え #career diversity

たとえば東京ディズニーランドに行くと、誰でも楽しい。それは誰でも楽しめるように作られているからだ。その代わりにお金がかかる。食事まで含めれば、1人当たり、1万数千円が必要だろう。

一方で畑に言って楽しめる人は限られている。たとえばやくみつるさんが畑に行ったら、ものすごく楽しいだろう。なぜなら、虫がいっぱいいるからだ。やくさんは、虫を見ているだけで楽しい。養老孟司先生も同じだ。

つまり、知識や技術がないと楽しめない。多くの人が陥っているのは、東京にいれば誰でも楽しめるという罠だ。エンタメや飲食店など多くのキラキラしたものが東京にはある。

しかし、楽しむためにはお金がかかる。上海の人もまったく同じことを言っていたが、東京や上海などの大都市はお金がある人だけが楽しい街と言える。

畑を楽しもうと思えば技術と知識が必要だ。それは、すぐには身につかない。言い換えれば「生きる力」とも言えるが、それを身につけていない人はガンガン働いて税金、社会保険料で持っていかれる奴隷生活に陥ってしまう。

森永卓郎『増税地獄 増負担時代を生き抜く経済学』

人はいつか土へ帰る。

歳を取ると、そのことが当たり前のこととしてわかるようになります。

「土へ帰る」とは「この世を去る」という意味ではなく、「自然に親しむ」という意味です。

散歩する。畑を耕す。野菜を育てる。

こういった、「人」でもなく「モノ」でもないものを相手にする。
人為から離れた対象に興味がわくようになります。


大学生の頃、弁当配達のアルバイトを1年ほどやっていました。

その弁当屋は元麻布にありました。私は江戸川区のアパートに住んでいたので、葛西駅から六本木駅まで行って、バイト先で3輪スクーターに乗って、麻布や六本木周辺のビルや事務所を回って弁当を運びます。

小雨が降っていたある日、スクーターのタイヤがスリップして、大きな交差点のど真ん中でコケました。

幸い、弁当箱を回収した直後だったので、空箱が散乱しただけで済みましたが、それでも50個くらいの箱が交差点を埋めました。

場所は、移転前のテレビ朝日の前。大勢の人たちが、小雨が降る中をせわしなく歩いています。

私は一生懸命に箱を拾い続けました。でも、誰一人として弁当箱を拾ってくれる人はいません。

バイト先に戻った私は、高級そうな弁当箱の弁償代がいくらになるのか不安でいっぱいでしたが、ありがたいことに、店長は不問に付してくれました。

「あの街」は一言で言うと、「お金持ちと、お金持ちの生活を支える人たちの、2つの階層で成り立っている街」でした。おしゃれな服を着て弁当を注文する側にいる人たちと、汚い恰好をして注文に応える側の人たちです。

「お金があれば、この街ではほとんどのことが叶う」。

ムラ生まれの私が、大都会で人生の縮図に触れた時でした。


その後、私は物質文明の恩恵を受け、今に至っています。「ヒト」を欲しがり、「モノ」を欲しがる。人為にまみれて過ごしてきました。

しかし50代半ばの今、あれだけ切望した「ヒト」や「モノ」が、視野に入らなくなっています。力ずくの人間関係から離れ、欲しいものもほとんどありません。

私の父は60歳で教師を定年退職し、以降20年にわたって晴耕雨読の生活を送ってきました。晴れれば畑を耕し、雨が降れば読書か原稿書きの日々です。

私はそんな姿を見て、「典型的な田舎人間の退職後だな」と思っていました。決して否定的な意味ではありませんが、あまりにも型にはまりすぎているとは感じました。面白みがないんです。

そんな私が今、「晴耕雨読の生活」に甘美な憧れを抱いています。「ヒト」でも「モノ」でもない、「所与の産物」と触れ合いたいと願っているんです。


でも「所与の産物」とつき合うためには、彼らに関する知識や学びが必要です。幼いころから農作業をしてきた人間ですが、自分の頭で考えながら試行錯誤を繰り返してきたわけではありません。親から言われたことを、漠然とこなしてきただけです。

お金はいりません。知識が必要です。
ヒトは最小限で構いません。でも知識は必要です。

私は自然との付き合いを欲している。
だからとにかく、知識が必要です。

いえ。
たとえ対象が「自然」でなくとも、
老いていく一方の私に必要なのは、知識です。

頭を使っていると、
自分自身を完全に「消費」している実感が得られるからです。

そして何よりも、
自分を使い切ってこの世を去りたいと願っているからです。


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思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!